長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/05/28

「原料は空気(CO2)で作る再生骨材のコーティングと安定化! 炭カルコートでカーボンネガティブ実現」

「原料は空気(CO2)で作る再生骨材のコーティングと安定化! 炭カルコートでカーボンネガティブ実現」

原材料は空気(CO2)です。空気を結晶化させて骨材細孔や表面にコーティングすることで得られる性能向上とカーボンネガティブ。詳細は6月2日RRCS主催の残コンst視察・見学イベントで!



炭カルコートで安定品質の骨材製造

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毎日上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)を散水・乾湿繰り返し養生された粒状化再生骨材。水に濡らしても表面の結晶化した炭酸カルシウムの吸水が少ない。炭酸カルシウムが細孔や表層に結晶化することでコーティング効果を果たしている。

 残コン女の子

今日はこの1ヶ月宮本さん最大の関心事「原料は空気(CO2)で作る再生骨材」についてご紹介しまっす。RRCS(代表理事・野口貴文先生)らが指導しJIS化が推進されている残コン由来の粒状化再生骨材にこちらも残コン由来の上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)を散水するだけでなんと吸水率も下がり骨材としても品質が安定する技術として期待されています。

RC40の品質改善に効果的!?

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修善寺砕石で製造されたRC40(アスガラやコンガラ由来の路盤材)。

コンガラやアスガラを用いて製造されるRC40だが破断面が多いため安定性にかけ生コンクリートでの利用はなかなか難しくて進んでいねえんだ。仮に本技術で破断面を炭カルコートで安定化させることができたら骨材不足の現代に新しい可能性がまたもや「残コン」から広がることになるぜっ。

 残コン姐さん

炭カルコートの理屈

 残コン女の子

期待の集まる「残コン」由来の炭カルコーティング技術ですが、実際どのような理屈で不安定なは断面を炭酸カルシウムでコーティングするのでしょうか?

Ca(OH)2 + H2CO3 → CaCO3 + 2H2O

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コンクリート中に含まれるCa(OH)2がひび割れなどで空気中のCO2と出会うことで白く結晶化CaCO3する現象はエフロレッセンスと呼ばれている。https://www.gaihekireform.com/column/apartment/1295/

上澄水ってのは水酸化カルシウムが飽和した状態の水のことで生コン工場なら文字通り捨てるほど貯留されているんだ。その水をストックされている骨材にぶっかける(プレウェッティング)することでこの反応を促すことができるんだな。濡れたり乾いたりを繰り返してると目に見えて骨材の表面に結晶が見えるからわかりやすいぜ。

 残コン姐さん

原材料CO2のコーティング方法


安定性:空気中の水、炭酸ガスを吸収して水酸化カルシウムと炭酸カルシウムを生成する。酸化カルシウム

残コンさん、残コン姐さん。今日も、残コンの新たなる可能性「上澄水で炭酸カルシウムコートすることで骨材の性能改善」についてPR下さいまして誠にご苦労様でございます。「水酸化カルシウムは不安定で何かと反応しがち(手がいっぱいある)けど、炭酸カルシウムになれば安定している(手が繋がった状態)」っていうなんとかく薄ぼんやり覚えてる化学の知識を総動員して書いたblgでお疲れ様の宮本様ですっ。
つくづく文系だなって我ながら思います。化学とか数式を見た瞬間に体が硬直するんだから汗。でもさ、オワコンもそうだったけど、何一つとして新しいことなんかないんだよ、この技術。どれもこれも、これまで普通に生コン工場にいれば嫌でも目に飛び込んできたものばっかり。上澄水や残コン、スラッジ(残渣)、散水や乾湿繰り返しなんだからねっ。
「コンクリートをもっと身近に」
僕たちが見ている現実の世界は殻に閉じこもっていないで常に全体に晒している必要があるって最近強く感じるんだ。世の中を眺めるときに自分をスタート地点にするんじゃなくて、世界が求めている要求から歩き始めれば、見える世界は変わるもの。つくづく感じるね、このところ。
というわけで、月曜日には吸水率を試験したり、あれこれ忙しない1週間が始まるね。締めくくりは6月2日(金)RRCSの残コンst視察・見学イベントで本技術も発表するわけだけどね。その時、「コンクリじゃない」という理由で白石建設武南さんからの本提案をにべもなく話題にすら取り上げなかったリサイクル分科会のサブリーダー安藤間の白岩さんもいらっしゃるけど、みんな仲良くお互いに違った意見をぶつけ合って、「正・反・合」より高次元の結論に到達できればいいよねっ。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ?
でも「空気が原材料」ってなんかファンタジーですね。。コンクリートがとっても幻想的で楽しい仕事に思えますー。
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士