長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/06/16

「上澄水散水養生の効果は骨材の表面積やCO2濃度が大きい方が合理的」

「上澄水散水養生の効果は骨材の表面積やCO2濃度が大きい方が合理的」

生コン工場を一次産業と捉えることができそうだ。現場から戻ってくる残コン、洗浄や残水カットで発生する汚水、排気ガスなどこれまで誰もが目を背けていたものをミックスすることで生まれる新しい時代の新しい原材料について。



上澄水散水養生「表面積」

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粒状化再生骨材の左・ブランク、右・上澄水散水養生済み。

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左から上澄水散水養生(乾燥)、同(吸水)、ブランク(吸水)、ブランク(乾燥)。

 残コン女の子

今日は宮本さんがこのところご執心の上澄水散水養生について「表面積」「CO2濃度」をご案内しまっす。骨材表面に炭酸カルシウムを析出させる「塩田効果」(勝手に命名)で考えるならば、表面積が大きければ大きいほどその効果も大きくなるはずです。つまり、粗骨材よりも細骨材がより多くの炭素を固定するということができます。

中性化促進試験をやってみた

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https://www.taiheiyo-c.co.jp/cement/taikyusei/

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https://www.kk-ctec.co.jp/03_con_test.html

ちなみに、宮本のやつ上澄水散水養生を行った粒状化再生骨材を気中養生・中性化促進養生(CO2濃度5%)の2パターンで比べて見たんだが、たった1日だけでも目に見えて骨材が真っ白に変色してたんだ。つまり、上澄水散水養生の効果は表面積に加えて、CO2濃度も重要ってことだなっ。

 残コン姐さん

炭酸化養生槽が効果的

 残コン女の子

そのように考えると、CO2濃度を管理できる密閉空間で養生をすることができればとっても効果的ですー。

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鹿島やCUCOらで推進されている炭酸化養生槽。

そうなるとやはり我が国脱炭素コンクリートでお馴染みSUICOMで用いられる炭酸化養生槽の生コン工場への実装が鍵になるな。近隣に排気ガス排出源があればおあつらえ向きってところだぜ。

 残コン姐さん

振動ぶるいで炭酸カルシウム抽出も?

 残コン女の子

広大な表面積(塩田効果)で析出する炭酸カルシウムは細孔や表面に固定して剥がれないものばかりではないはずです。多少の加工(すりもみまでもいかない)例えば振動ぶるいを通す程度で炭酸カルシウムが得られればそれはそのまま混和材としての利用が見込めそうです。

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https://www.rasaco.co.jp/products/industry04.html

上澄水散水養生を実施した骨材を高濃度炭酸化養生槽で自然乾燥させてふるいにかけてを繰り返せばスピーディーに炭酸カルシウムを大量にゲットできんな。
炭酸カルシウム抽出までの工程を全自動で行うプラント作っても面白えかもしれねえぜっ。生コン工場でSUICOM作れるって感じでエキサイティングだなっ。

 残コン姐さん

炭酸カルシウム・(スラッジ)上澄水・粒状化再生骨材

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炭酸カルシウム。https://www.fujikasei.net/product/detail_106.php

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上澄水。

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残コンさん、残コン姐さん。今日は上澄水散水養生の「表面積」や「CO2濃度」に着目して合理的に得られる改質された粒状化再生骨材や炭酸カルシウムの混和材利用、上澄水やスラッジ水のアルカリ刺激作用についての可能性探究についてご紹介くださいまして誠にありがとうございまうっ。てか、宮本さん、真面目な論文書けない病にかかっちゃってるみたいで、引き続きチャラい文系メンヘラエンジニアとしての尖ったポジションを保持したいと思っています。えっへん!
「コンクリートをもっと身近に」
てか、これ、AAMs(ジオポリマー)と組み合わせたら、すごいことになるよね。だって、アルカリ刺激剤として残コン由来の各種原料が有効に働くし、V骨材を用いることなく全て生コン工場で完結できる、「イワモル」とか「オワコン」とか「オコシコン」って素敵じゃね? JISもいらないしね! それに、粒状化再生骨材が無事にJIS化すれば、構造コンクリートなどさらに多様な領域でも実装が進みそうだよねっ。そしたら、確実に始まるよね、残コンを奪い合う時代が。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ?
既往研究(SUICOMの養生槽など)他と組み合わせることできっと素晴らしい成果が生まれることでしょう。互いに区分するのではなく、統合された循環する技術開発のシステムが今こそ求められています。
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士