長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2024/07/02

比表面積を利用した上澄水乾湿繰り返しによるCO2(炭酸カルシウム)回収【塩田効果】のポーラスコンクリートへの応用

比表面積を利用した上澄水乾湿繰り返しによるCO2(炭酸カルシウム)回収【塩田効果】のポーラスコンクリートへの応用

コンクリート実務家のオンラインサロンJOISでは日夜技術論が活発に交わされ多くのアウトプット(発明、技術・製品開発)が生み出されている。以前生まれた発明「塩田効果」(特許出願済み)をポーラスコンクリート構造に適用することでDAC/CCUが実現する。



塩田効果のポーラスコンクリートへの適用

 残コン女の子

本日は以前生まれた発明「塩田効果」(広大な比表面積を利用した炭酸カルシウムの回収DAC/CCU)をポーラスコンクリートに適用する可能性についてご紹介しまっす。
文字通り生コン屋さんでは「捨てるほど存在する」上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)を無限に供給(自動化を検討)することで無限にCO2を回収することができますー。。

広がる上澄水高度利用

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こちら、全国3000ヵ所と言われる生コン工場には必ずある残コンを洗浄した後の汚水を濾した上澄水は貯留されているときはカルシウムイオンの影響でグリーンに見えるがボトルに入れると透明。

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こちらストローを通して呼気(CO2)を潜らせると飽和状態の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と反応して炭酸カルシウム(CaCO3)が析出し白濁する(Ca(OH)2+CO2→CaCO3)。

上澄水散水養生の塩田効果とは?

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そんな飽和水酸化カルシウム溶液としての上澄水を比表面積の広大に及ぶストックされた骨材に散水する。

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さながら塩田のように広大な表面で飽和水酸化カルシウムは気中二酸化炭素と反応し写真右のように大量の炭酸カルシウムを析出させる現象を生コンポータルでは「塩田効果」(Salting Effect)と名付けた。本技術はCCU原材料としての炭酸カルシウム微粉末を容易に大量に析出させ回収可能であることが特徴となっている。

関連記事:【残コンst】「粒状化骨材の上澄水散水養生による品質改善と炭酸カルシウム粉回収と、スラッジケーキの高度利用(スラッジ粉セメント代替)によるCO2の大幅抑制」

ポーラスコンクリートは同じく広大な比表面積

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こちらは生コンクリートを粒状加工することで得られるポーラスコンクリート。

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敷き詰めることで透水・保水性コンクリートが容易に得られる本製品は防草・排水・駐車場用途で現在民間を中心にバズ中。

関連記事:【青森】「もともとアスファルトの駐車場だったが、経年劣化のためリフォームを計画」山健生コン・サンパチ(888)

上澄水を透水(散水)させれば無限にCO2固定可能

文字通り生コン屋さんに「捨てるほど」存在する上澄水を散水して乾燥させる(乾湿繰り返し)を無限に行うことで理論上なんぼでも無限に二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定させることができる。

二次製品工場の養生層とボイラー使えばもっと効率的

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こちらは二次製品工場でよく見かける高温蒸気養生層。

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ボイラーを焚いた際の排気ガス(CO2)は現在大気中に放散されているこのダクトをそのまま養生層にぶっ込んで、工場で発生する上澄水を蒸気にして養生すればポーラスな二次製品はその塩田効果によって大量の炭酸カルシウムを析出させることになるだろう。

今後、各地に点在する生コン工場(や製品工場)で発生する上澄水はシステムに組み込まれCO2固定の媒体として活用が進みそうです。

まさ固さん

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JOISでは日夜上述の技術論が交わされアウトプットが生み出されている。

残コンさん、まさ固さん。オワコンの宮本さんですっ。いやはや、当社が20年以上取り組んでいるポーラスコンクリートと残コン(上澄水)という二つのテーマがまさかこんな形でカーボンネガティブに貢献できるなんて文字通り白い粉で決まったくらいうれPねっ。
「コンクリートをもっと身近に」
現場で時々刻々と生まれるそんな価値を埋もれさせることなく「伝える」情報発信を通して社会に貢献してまいりましょうっ。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ??。。 今や残コンもポーラスコンクリートも身近な存在になっていますのでカーボンネガティブの動きはここから加速しそうですー。。
ぉわっこーン!

まさ固さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士