2024/11/26
CO2固定媒体や規格外コンクリート原材料の宝庫として中間処理業の再定義 ①
残コンと24年間向き合い続けてきたオワコンの宮本さんの元にはこのところ多方面から各種技術の研究・開発・実装の相談が寄せられるようになっている。 こうした交流は全てJOIS(Japan Out-Industrial Standard)に収斂され、規格外コンクリートの市場創造・拡充に向けられていく。今回はCO2固定媒体の宝庫としての中間処理業①「乾式プロセス」のご紹介。
CO2固定媒体の宝庫としての中間処理業①
本日はとある特殊中間処理業の視察にオワコンの宮本さんがお招きいただいたのでそちらのご紹介でっす。 見方を変えればカルシウム供給源として期待される中間処理業はカーボンリサイクルの要衝と捉えることができますー。。
普通コンクリート解体がら
こちら、とある特殊中間処理業の作業場。 写真はビルや橋などのコンクリート構造物を解体した際に発生するコンクリート解体塊。 塩基度は大きく、残コン同様に水酸化カルシウムなど豊富なカルシウムイオンの供給元となる。つまり、二酸化炭素と反応(吸収固定)しやすく、さらにSCMs(高炉スラグ微粉末や火山ガラス微粉末、フライアッシュなど)にとってはアルカリ刺激材としての役割も期待できる。
「シタゴミ」と呼ばれる混合廃棄物(コンパイ)
こちらの処理場の特徴は通常の中間処理業者では受け入れ不可能なシタゴミ(写真)の受け入れを専門に行なっていること。最初に乾式プロセスを通され、徐々に不純物を取り出し粒径を小さくしたら今度は湿式プロセスに通されていく。
乾式処理
50mm以下を乾式トロンメル選別機、手選別コンベア、磁選機、風力選別機、比重差選別、振動篩、ハンマー式破砕機などの設備を用いてプラスチックや紙屑、鉄、非鉄etc...夾雑物を取り除き再生品や処分物に区分する工程。
厄介者ダストがCCU混和材料として逆転?!
乾式プロセスのサイクロンなどで得られるダスト(集塵された微粒分)は通常最終処分場に埋め立てるしか手がなかった厄介者だったが、脱炭素時代にはカルシウム源として、①アルカリ刺激材、②CCU材(150kg/t程度のCO2固定)、③イワモル(CLSM)など規格外コンクリートの原材料としての役割を期待、つまり逆転の可能性が議論されている。
廃プラスチックは燃料などに再生
乾式/湿式で選別され得られるプラスチックは原燃料として再生されるそうだ。
続いて湿式プロセスと造粒固化
乾式プロセスで分級されたあとは湿式トロンメル(3mm)にかけられさ湿式プロセスに付せられる。ここからさらに細かく等級分けされていく。パート②では産業廃棄物をより分けることで得られる付加価値製品の可能性を探っていく。
「コンクリートをもっと身近に」
パート②では産業廃棄物から生まれる製品のブラッシュアップなどについても検討していきたいと思うよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。