2023/11/24
「残コンを高度利用して排水を削減するだけでなくCO2を大量に固定したCCUを得る」
残コン粒状骨材をそのまま終業時に生コン車に上澄水と共に積載してゴミ焼却場や発電所・製鉄所に向かわせて排ガスと排熱ぶっ込んで電気でドラム回すだけでCCU骨材が得られちゃうだけでなく、水を使った洗車も不要になって、さらにはそれはCLSMやポーラスコンクリートなどJIS外分野ならなんぼでも配合できちゃう。
排ガス上澄水養生で50kg/m3のCO2固定
炭素量分析結果
先日行われた排ガス・上澄水養生を施した残コン粒状骨材の炭素量分析結果。
排気ガス上澄水養生でCCUを得る
なお、本分析に用いられた試料は、質量に対して5%上澄水(2-1)と10%上澄水(2−2)を計量した2種類を行ったが、炭素量は同等となり上澄水の絶対量は支配要因ではないことが明らかになった。ハンドリングを考えると養生時間中に試料がきちんと乾く程度の上澄水量とすることが求められる。
関連記事:「上澄水でビシャビシャになった残コン粒状細骨材を搭載した生コン車ドラムを発電所の電気で回転させながら排ガス・排熱を利用して作るCCU」
1晩の排気ガス上澄水養生で25.5kg/tのCO2固定
散水前:0.593wt%
養生後:1.290wt%
差引:0.697wt%(炭素Cの増加量)
分子量:CO2(44)、C(12)、O2(32)であることから、炭素Cの増加量からCO2固定量は0.697wt% × 44 ÷ 12 = 2.55wt% となる。
つまり、1tの残コン粒状骨材を排気ガス(CO2濃度10%程度)上澄水養生で 25.5kg/t のCO2が固定化されたことになる。
なお、生コンクリート1m3にはおよそ2tの骨材を用いるため50kg/m3のCO2を固定した生コンとすることができる。
また、養生前の試料には0.593wt%の炭素Cが含まれており、仮にCO2固定量として計算した場合21.7kg/t となる。
その場合、粒状骨材1tあたり47.3kgのCO2固定となるため、100kg/m3近いCO2固定の計算となる。
(が、文系出身の宮本さんの試算であるため甚だ怪しい)
SCMsとの掛け合わせでカーボンネガティブ
なお、主なCO2排出源であるセメントの代替品としてSCMs(表は高炉スラグ微粉末)を採用することで、「イワモル」ではカーボンネガティブが達成されることがわかる。
関連記事:【脅威のCO2削減率】「1〜18N/mm2領域など組合単位で製造が始まれば資源循環・脱炭素社会が実現します」
脱炭素・資源循環の鍵はCLSMにあり
このことからも、我が国の資源循環や脱炭素の達成を握る市場はJIS A 5308 の及ばない分野CLSM(Controlled Low-Strength Material)などがメインの市場となることが伺われる。
関連記事:「流動化処理土(LSS)とCLSM(ACI)の比較検討から生まれるコンクリートの新市場」
CLSMなどの普及を推進するJOIS結成へ!
宮本:例えば、CLSMやポーラスコンクリートなどJIS外の生コンをまとめるような共同体・団体のようなものを有名大学の教授を担いで設立したらどうでしょう。
武南:日本規格外協会ですね JOIS
宮本:Japan Out Industrial Standardですね。
武南:いままでで1番加盟したい協会です
宮本:これ、JISに問題意識を燃やしている勢を取り込めます
イメージキャラクターは「女医」で挨拶は「ジョイっす」を原則とするCLSMやポーラスコンクリートなどJIS外品の普及推進を図る新たな団体の設立が関係者らで約束された。
「コンクリートをもっと身近に」
そんなわけで、こうしてブログを書いているだけで色々な気づきがもたらされるんだよねっ。だって、残コン粒状骨材をそのまま終業時に生コン車に上澄水と共に積載してゴミ焼却場や発電所・製鉄所に向かわせて排ガスと排熱ぶっ込んで電気でドラム回すだけでCCU骨材が得られちゃうだけでなく、水を使った洗車も不要になって、さらにはそれはCLSMやポーラスコンクリートなどJIS外分野ならなんぼでも配合できちゃうからね。多分、ここだね、脱炭素コンクリートの勝ち筋は。つまり、JOISがその役割を担い、実績を積んだ暁には将来的にJIS A 5308 の中にも記載される、って感じの流れかな。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。