2024/01/20
【DOWN GRADING STRATEGY】 MAPEI × 生コンポータル これまでの15年(残コン)とこれからの15年(新市場)
前日のラボ視察に続き、HQで予定されている各種ミーティングに参加。 前へ前へ、上へ上へを志向するエンドレスな競合から距離を置き独自性を打ち出したブルーオーシャンとしてのDOWN GRADING STRATEGYが示された。
これまで15年の結論「3つの柱」
MAPEI本社訪問
左からYNUのエブサさん、細田先生、ヤンさん、MAPEIジョルジオさん、宮本さん、山口イケメン。これまでの15年を振り返り、これからの15年を占うディスカッションが昨日(2024/01/19)MAPEI本社にて関係者らと行われた。
3つの柱①「残コン」これまでの15年
MAPEIの工場で行われた自動残コン改良設備の様子。MAPEIと生コンポータル15年の歴史はそのまま残コンソリューション開発の歴史とすることができる。なお、これからその「残コン」は資源循環・地産地消・脱炭素時代を迎え「砂金」利益を生み出す対象と再定義することを確認した。
DOWN GRADING STRATEY「オワコン」3つの柱②
上述、残コンソリューションの派生ともいうべき造立ポーラスコンクリート「オワコン」は細田暁先生の言い方を借りればDown Grading Strategy、宮本さん的にいうと非JISコンクリートの分野を深耕することで「出口」製品としての用途や売り先を開拓していく「他人の土俵に乗らず、自身(「オワコン」「 イワモル」など非JISコンクリート)の土俵を作り出す」戦略。
3つの柱③「イワモル」非JISコンクリート
「オワコン」同様にDown Grading Strategy に適う製品として紹介された「イワモル」は米国ではCLSM(Controlled Low-Strength Material)として市場が開かれている。「オワコン」同様に「残コン」の出口としても有効であることが説明される。 なお、EU諸国でも同様の製品は存在し、「 イワモルは他でもない生コン工場(MAPEIのクライアント)の市場」という点が大きく興味を引いた。これからの15年はこうした新市場への転向を志向していくことになる。
細田研究室の学生さん、左・エブサさんは「 イワモル」を、右・ヤンさんは「オワコン」をそれぞれ研究テーマとして掲げそれぞれの最新の情報が共有された。なお、DOWN GRADEと呼ぶことに抵抗する向きもあるが、これまでの無闇に「高い」要求性能ではない全く新しい市場に対してベクトルを示し、かつ支える技術は決して低いものではない(むしろ高度)、であるということも共有されている。
次世代の混和剤・MAPECUBEシリーズ
なお、研究員ファビオさんから示されたMapecubeシリーズはこれまでの化学混和剤のアプローチと一線を画す全く新しい製品群。 上述、「残コン」や産業副産物を高度利用したコンクリートとの相性抜群であり、結合材の潜在性(未水和分)を刺激することで驚異的な強度発現をもたらす非常にinovativeな技術。
MAPEI × 生コンポータル これからの15年へ!
ディスカッションを終え、左からMAPEIのCEOベロニカ・スクインズィさん、宮本さん、マルコ・スクインズィさんとの3ショット。これまでの15年を振り返りこのたびこの先の15年を占う方針が示されたことを報告。硬直した既往の産業構造にブレイクスルーをもたらすことでコンクリート新時代を切り開いていく。
「コンクリートをもっと身近に」
てか、昨日盛りだくさんすぎて、体調崩しました汗。 本当はもっと落ち着いて昨日会ったことを盛り込みたいのだけれど、またの機会に譲りたいと思います。今日は無理せずブラーノ島でのんびり過ごすぞっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。