2024/09/16
「再強コンクリートに学べ」みんなで作るみんなのラボ&オフィス【JOIS】キックオフ ①
9月11日に大阪科学技術センター700号室で開催された「再強コンクリートに学べ」JOISキックオフイベントを振り返ったレポートその①。司会はこの人、「なにわの合格請負人」JIC森先生がキレッキレで回しました。
JOISキックオフ「再強コンクリートに学べ」レポート①
「再強コンクリート」(大阪兵庫サンコン)
冒頭挨拶並びに基調講演に立つ大阪兵庫技術のエース「サンコン」こと船尾さんの勇姿。
講演ノート・環境配慮型コンクリート
環境配慮型コンクリート(大阪兵庫のブランドとしては「再強コンクリート」)には、
・低炭素→ECM、クリーンクリート、celbic、HBA、BB+BFS、BB+FA
・資源循環→再生骨材(ACRAC 平成13年〜)、スラグ骨材、回収骨材、粒状化再生骨材、
・CO2固定/吸収
の3つが挙げられる。
こうした取り組みを推進する中、中間処理業者がボトルネックになる傾向があった。生コン工場に向けた「骨材を作る」という意識の希薄さが目立った。(マニュアル整備)
さらに、大臣認定という壁(→非構造は要らない)がたちはだから汎用性に欠けてしまう。
粗骨材3割置換は品質に影響なし
ゼネコンや工務店から「安くなるんですよね?」という問い合わせに見られるように「廉価」というイメージの一方、実際のコストは手間が嵩んで通常の生コンよりも高く、同価格で販売する場合に発生するコストは工業組合など公的機関が補填をするモデルとなっている。
※組合が「保証」するの保証とは PL補償10億円、品質保証、など
なお、現在「骨材が枯渇する未来が見えている」のがご当地の実情で資源循環を実践は急務。
これまでの再生骨材コンクリートが全然普及しないばかりか数量を減少させている理由は「役割分担ができてない」こと。生コンJIS A 5308から見ると違和感しかない、再生骨材は使いにくい、という現実を産業全体として打破していく必要がある
・スラグ系骨材とJISは対になっているため、品質保証という観点から大手企業が及び腰になりがちな条件に満ち溢れているため、流通にネックが生じている。つまり、入手困難、不安定。
※タイプB:呼び強度16で保証するもので、組合内の有志ら(現在20社)が挙手をしその製造・販売に取り組んでいる(参加された寝屋川コンクリートもその1)
様々な課題はあるものの、生コン工場のやる気をベースにサプライチェーンすべての要素・セクターが新たな役割に向けた新たな姿勢でつながることで「再強コンクリート」は力強くその実装を伸ばしている。
「再強コンクリート」ベースに JOISブランド(バルチップ大澤さん)
窓と同じく戸建て住宅にはつきものの 【土間コン】 で二重窓や内窓のように 【補助金】 をゲットする構想
講演ノート・JOISブランドの生コン
PP繊維を用いて「軽量化実現」可能(白石建設、バルチップ)。今後JOISをベースに各種実験を行い計算結果はきちんと共有することで、深刻な値上げ著しい軽量骨材問題の対策を検討する
万博で話題となっているHPCはバルチップと協業中、HPCの場合は炭素繊維がメインでPP繊維は補助的な役割を果たしている
・二重窓の補助金よろしくPP繊維を用いる(ワイヤーメッシュに比べてCO2排出量20分の1のエビデンスあり)などカーボンニュートラルを強調したコンクリートなども検討に加え、JOISブランドのカーボンニュートラルでサーキュラーエコノミーなコンクリートのブランド立ち上げと全国販売を検討
これまでゼネコン技術や大学・研究機関が主導する各種コンクリートブランドはあったものの作り手である生コン工場の共感を得ることが難しく汎用品とはなっていない。 (生コン工場、生コン業界が)みんなで作るみんなのラボ&オフィス《JOIS》につのる叡智を結集し生コン工場のための生コン全国ブランドを基調講演にあった再強コンクリートの考え方、コンセプトをベースに開発するなどの議論がなされた。
生コン屋さんを鉱山と見立てた原材料製造(宮本さん)
宮本さんからは生コン工場の副産物「残コン」で製造可能な生コン用原材料(混和材、粗骨材、細骨材)の共有がされました。
残コン由来のCCU混和材「残コナ」
残コン粒状化再生骨材(原石)や乾燥させたスラッジケーキから得られる微粒分をJOISらでは「残コナ」と呼称しCCU混和材としての利用が進んでいる。
残コン粒状化再生骨材
トロンメルというサイズごとに分級する設備を用いて原石を細骨材、粗骨材に分ける。
得られた残コン粒状化再生細骨材のストック。白色は炭酸カルシウムが生成している証拠。 白石建設(岡山)や長岡生コンクリート(静岡)では自社や近隣工場で発生する残コンをもとにこうした原材料の製造に取り組んでいる。
パート②ではセミナー後半戦 あのPUMP MANも登場?!
パート②ではあのPUMP MAN小澤さん「てっぺん、獲ろうか。」も登場しいよいよJOISキックオフセミナーは大団円を迎える。
JOISでは「みんなで作るみんなのラボ&オフィス」を掲げ、資本力に乏しい中小企業としての生コン工場の連携を通してコンクリート産業のイノベーション創造に取り組んでいます。パート②では後半戦の様子をご紹介します。
「コンクリートをもっと身近に」
いよいよ離陸を迎えたJOISですが、誰かの特定の意図(大学やゼネコン技術)に依存するのではなく、きちんと自分ごととして参画するR&Dが生まれていくことを祈りつつ宮本さんも全力を尽くしますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。