2024/10/18
世界の巨人MAPEIと日本のコンクリート産業。協業の道は 【土間コン】 に通ず
鬼スケジュールに突如ぽっかり開いた穴のようなひと時に気の置けない仲間たちと歓迎したMAPEIジョルジオ博士とのパーティー。イタリアと日本。 個人的には縁もゆかりもない地域と企業が今やなくてはならないパートナーシップを固めている(写真はスプリッツァを調合するジョルジオさんと義理の娘はるか)。
WELCOME Giorgio! MAPEI!!
WELCOMEパーティー in Lumber
この月曜日(2024/10/14)から来日しているMAPEIのジョルジオ・フェラーリ博士は例によって宮本さんの鬼のようなスケジューリングで東奔西走を余儀なくされていたがようやっと木曜日(2024/10/17)息子ファミリーの暮らす #世界一有名な半島 ホームタウン伊豆半島に落ち着いた、ということもあって開催されたWELCOMパーティーは杉山商店の出張角打ち in Lumberで。
残コンが生み出したイタリアと伊豆半島の絆
残コンstの汚水プールに排水されている残水。
昼夜フィルターで曝気された残渣は汚水から得られたもの。
現場から持ち戻された残コンとブレンドし撹拌(粒状化プロセス)を通して原石が得られる。
こちら得られた原石は乾燥後に分級され、粗骨材、細骨材、混和材を得る。 15年前当初は単純にリサイクルという観点から共同研究がなされていたが、現在は原石に含まれる水酸化カルシウムを利用して二酸化炭素を固定するCCU(Carbon Capture Utilization)材料という観点から協働が発展している。
地域おこしを通した協業
残コンが生み出した絆は今や地域間に広がりを見せている。エロイカジャパン2024を記念して組み立てられたイタリア COLNAGO x MAPEI エディションのロードバイクは開催地伊豆の国市の山下市長に寄贈され現在展示されている。
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巨人MAPEIの本格的な日本上陸の鍵は?
ここ1週間で日本国内の主要な方々との面談の中で見出された結論は「規格外コンクリートにおける協働」。15年を振り返るに、JIS A 5308 が障壁となっていた。無論、安心・安全を担保する規格や標準は時の彫琢にさらされていないぽっと出の技術を容認するわけにはいかない。 一方、現代の新しい養成としてのカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに臨んだ場合、イノベーションは既往の規格と対立する、むしろ規格や標準はイノベーションが隅々にまで浸透した後に追いかけてくる。つまり、MAPEIの本格的日本上陸の唯一の入り口、鍵はJIS外コンクリート「オワコン」「オコシコン」や応力負担を担当しない非構造体つまりは「土間コン」ということになる。今後、象徴的な適用分野となる「土間コン」(規格外コンクリート)に関してさまざまな挑戦が始まる。また、そのアウトプットはJOISブランドの生コンクリート配合表としてまとめられることとなる。
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次回は来年4月エロイカ&万博へ!
ジョルジオさん直々にみんなにベネチアのカクテル「スプリッツァ」が供された。戦略を共有した日本とイタリアのコンクリート技術者が向かう次なる目標は来年4月に(から)開催されるエロイカジャパン2025ならびに万博2025 in 大阪となる。
みんなで作るみんなのラボ(R&Dセンター)JOIS
技術開発は単体・個別の意図で促進されるものではなく、志ある誰もが招かれ必要とされるプラットフォームの循環の結果としてもたらされるものであるはず。今やその循環は国内にとどまらずグローバルに発展している。
「コンクリートをもっと身近に」
ようやくここで「土間コン」を目標とする、という大方針が共有されました。土間コンは世界中にあるからねっ。 研究者や科学者はついついハイパフォーマンスに目が行きがちだけど、市場と顧客が求めているのはそこじゃないのさっ。「伝える」情報発信引き続き楽しもうっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。