2024/01/24
「グローバルカンパニーMAPEI 【残コン】 15年の物語は新章突入へ」(月刊残コン Vol.78)
「残コン」をポジティブに捉えるムーブメントが国際的に広がりつつある。 これまで15年の協業先MAPEIと生コンポータル(株式会社 長岡生コンクリート)それぞれの歴史とこれからの展望について。
国内外「残コン」技術開発最前線
「残コン」が財政の救世主に?!
こちら、防草・排水対策「オワコン」の原材料に残コンでなくわざわざ製造した生コンを適用した場合でも既往の工法に比べて経済的であることが示されたプレゼン資料。 仮に地元生コン工場(土佐屋生コンなど)の残コンを原料とすることが叶えば行政のお財布(財政)にものすごく貢献しうることが判明した大事件となった。
関連記事:「次回実践時のアップデート内容と施工費用の見通し」木下義昭(玉名市)
国交省「残コン」プレゼン by 細田暁
前出玉名市でも協業・連携中の横浜国立大学(YNU)細田暁先生から「残コン」に関する話題提供が国土交通省の公式イベントで行われた際の動画。 いよいよ公共事業でも未利用資源「残コン」の高度再生利用に関する急速な認知が始まっている。
「残コン」15年の結論と方針
また、この15年にわたる「残コン」協業先であり世界有数のコンクリート混和剤メーカーでもあるMAPEIを訪ねこれまでの15年の取り組みを振り返りこれからの15年未来に向けた方針を固めることができた。 残コンはもはやリスクではなくチャンスでしかない。
関連記事:【DOWN GRADING STRATEGY】 MAPEI × 生コンポータル これまでの15年(残コン)とこれからの15年(新市場)
MAPEIの残コンst
なお、日本と並行してイタリアでも残コンstの自動化が推進されている。既往のトロンメルやフィルタープレスなどではない全く新しいアプローチで残コンは砂金の如く付加価値を帯びる。
関連記事:「各国、各地、各社それぞれにそれぞれの進化を見せる残コンst」MAPEI
日本の「自動」残コンst構想
関連記事:「残コンstとCCU製造をバッチャープラントを流用して実現しちゃおう」(前編)
なお、日本では生コン工場をそのまま自動残コンstとして流用できないかの検討が始まっている。これまで動脈、つまり新しいものを生み出す役割を期待されてきた生コンプラント(産業)が新しい時代には静脈、つまり役割を終えた未利用資源(捨てれば廃棄物)の再生・循環の役割を兼ね備えることになる。
関連記事:「残コンstとCCU製造をバッチャープラントを流用して実現しちゃおう」(後編)
生コンキャンプにジョインしよう!
なお、創発型技術開発「生コンキャンプ」ではコンクリートに携わるすべての方々に門戸を開いている。
「コンクリートをもっと身近に」
ただでさえ、一般には馴染みの薄い「生コン」の副産物「残コン」のことだから。よほど意識して「伝える」発信していかないと、伝わらないよね。 でも、知ってもらうことで、そんな「残コン」の適正な認知が広がるのであれば、それはきっと「水の次に流通する材料」と言われるコンクリートの領域のことだもの、きっとその貢献は巨大なものになるはずだねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。