2023/12/30
「残コン原材料の出口コンクリート舗装」イタリア・MAPEIと伊豆半島・生コンポータル(長岡生コンクリート)協業の歴史を振り返る #2
2024年1月18日〜19日MAPEI(イタリア・ミラノ)訪問に先立ちこれまでの協業の歴史を振り返り今後に向けた課題を抽出するシリーズ第2弾は非JISコンクリート「オワコン」がさらなる協業をブーストすることについて。
残コン原材料の出口コンクリート舗装
これまでJIS A 5308という領域の中で必死に流通を模索してきた残コン原材料・CCU(骨材や微粉末として)でしたが、非JISコンクリートの市場を公式にひらくことでブレイクスルーしていこうという記事となります。。
Re-con zero EVO で残コン再生
MAPEIからリリースされているre-con zero evoは元々残コンを改質(写真)することで骨材として再利用を目的としたものだった。
関連記事:イタリア・MAPEIと伊豆半島・生コンポータル(長岡生コンクリート)協業の歴史を振り返る #1
JIS A 5308 に居場所のない 残コン骨材
なお、残コンを粒状化させることで得られた骨材の使用は現在JIS規格で認められていない。RRCSらでJIS規格策定への動きが活発化(座長・明治大学小山明男)しているものの、先行規格「再生骨材コンクリート」がそうであるように規格制定が市場確立、流通網構築を約束するものではない。
生コンポータルの歴史は非JISコンクリートの歴史
生コンポータルにおける透水性コンクリートの歴史は20年以上を数える。透水性コンクリート(写真は「オコシコン」)はJIS A 5308 に規定されているものではない。
同じくCLSM(残渣式流動化処理土、イワモル)の歴史も15年に差し掛かろうとしている。言い換えれば、生コンポータルの歴史は非JISコンクリートの歴史とすることができる。
非JISコンクリート市場を拓き残コン原材料の流通網を構築
写真は残コンから得られた細骨材。非JISコンクリートの市場を拓く(JOIS)こと以外に残コン原材料の出口は保全されない。
関連記事:順序を戻せ! 理論やシステムはあくまで現場のダイナミズムから生まれるもので断じて会議室からではない
2021年8月20日「オワコン」爆誕
長年取り組んでいた「残コン」と非JISコンクリート「ポーラスコンクリート」が2021年8月20日パートナー陽光物産を訪ね西野社長(本名:石井コウタロウ)の顔を見ていた時に脳裏に重なった。つまり、「生コンクリートを粒状化させたものはそのまま(造粒)ポーラスコンクリートとして利用でき雑草や排水などのソリューションとなるはず」まさに天啓だった。
躍進する「オワコン」市場
2023年9月世界に先駆けてゼロセメント且つアスファルトフィニッシャで施工された造粒ポーラスコンクリート「オワコン」。
関連記事:【静岡】「世界に先駆けて実装された、純白のオワコン。大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」伊豆中央コンクリート・土屋建設
なお、そのコンクリート舗装は 2024年に開催される国際イベントEROICA JAPANの公式ルートとして採用されている。
関連記事:「イタリアと伊豆半島をつなぐ世界イベントEROICA JAPANで広げるコンクリートの貢献」(週刊生コン 2023/11/27)
「オワコン」に関するSNS投稿はミリオン再生を頻発するなど多くの注目を集め問い合わせも殺到している。たった2年で数えきれない施工実績が生まれている。https://www.nr-mix.co.jp/owacon/blog/
次回は非JISコンクリートCLSMの歴史
次回は「オワコン」と並び非JISコンクリートの1つに数えられるCLSM「イワモル」について。
「コンクリートをもっと身近に」
さっきのブログで2023年を振り返ったけどとにかく自分自身の強みをきちんと意識しよって立つ場所を明確に堂々と前進していかなくてはならないねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。