2023/07/06
「上澄水と残コンから粒状化骨材だけでなくセメントの原料も得る」
飽和水酸化カルシウム溶液「上澄水」と「残コン」。脇にあるお互いをマッチングするだけで大気中の CO2を有効活用し、セメント原料(炭酸カルシウム)や骨材(粒状化骨材)を得ることができる。今回はバージン骨材で実験してみました。
上澄水養生をバージン骨材に
養生Before
こちらの材料が上澄水散水養生に供せられる。
養生After
上澄水養生After。
(炭酸カルシウム)ほぼ見られませんでした
砂は2L、砂利は1Lずつ上水を加えた物になります。
どちらも乾燥後の試料にカルシュウム分が付着している様子はほぼ見られませんでした。(飛悠君からの共有)
今後、さらに繰り返し上澄水養生を施すことによって、目視における炭酸カルシウムの付着を確認していく予定だぜ。
それにしても、がっかりだな。
やっぱり粒状化骨材が理想的
粗骨材よりも、細骨材。
炭酸化が著しく目視でも確認できる上澄水養生、手前Before、奥After。ポロシティあるいは表面積という観点から考えれば粗骨材よりも、細骨材の方がふさわしいことがわかる。
細骨材よりも、フィラー。
振動ぶるいで得られた細粒分の大半はCaCO3、つまり、上澄水養生によって大気中のCO2を大量に固定化したフィラー。さらに、細粒分を取り除くことで、細骨材としての吸水率の改善も期待できる。
※CaCO3 → CaO + CO2
残コンからセメント原料と骨材を生成!残コンst
現在残コンstでは粒状化材料(Re-con ZERO EVOやセルドロン他)を用いずに残コンの粒状化が可能となっている。完全 CO2フリーで骨材やセメント原料(炭酸カルシウム)を製造することができることとなる。
関連記事:RRCS 粒状化骨材JIS化プロジェクト粒状化材WGからの「粒状化骨材JIS化に向けての質問事項」回答
「コンクリートをもっと身近に」
はて、さて。今日早起きで博多(JCI九州大会)に向かっていることもあってblgが捗ること捗ること。学会とか論文発表会って最先端の知識に触れることができるから楽しいよね。そして、大切なことは、そんな知識を大切に箱にしまって飾っておくことじゃなくて「コンクリートをもっと身近に」伝えることだと思うんだ。知識は成果の上がる領域に適用してこそナンボだからねっ。今日は楽しみですっ。
オワッコーン‼︎
今日はコンクリート1年に1度のお祭りJCI九州大会が博多で開かれていまっす。生コンポータルとしてもじっくりとお勉強をして皆さんのお役に立てられるように努めますー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。