2023/07/28
薬剤を用いない粒状化再生骨材の生産プロセス(残コンステーション/ロスコンステーション)
コンクリートの打設後現場から戻ってきた、一般的にはゴミとして廃棄される、残コン、残水、汚水、汚泥などを、薬剤(re-con zero evoやセルドロンなど)を使うことなく工場内で再構築する手順を解説しています。
【コスト削減】セルドロン/re-con zero evo不要!
大気の温度やCO2、構内のスラッジ水や上澄水などなど、「使えるものはなんでも」という合理的な方法で薬剤(セルドロンやre-con zero evo)を用いないプロセスが完成しましたー。
残コンst/ロスコンst
大阪万博に向けて、薬剤を使用しない粒状化再生骨材の生産プロセスのご紹介
コンクリートの打設後現場から戻ってきた、一般的にはゴミとして廃棄される、残コン、残水、汚水、汚泥などを、薬剤(re-con zero evoやセルドロンなど)を使うことなく工場内で再構築する手順を解説しています。
○ コンクリートの最新技術を見てみたい人
○ 大阪万博が気になってる人
○ 専門家
00:00 生コン工場内における処理
04:35 残コンステーション/ロスコンステーションの特徴
06:09 分級ヤードにおける処理
08:17 粒状化骨材を製造中に、上澄水を散水することで二酸化炭素を固定化する手法について
粒状化骨材がそのまま造粒材の役割を果たす
動画内で強調されているのが、ストックされている粒状化骨材で写真のようなもんじゃ焼きの土手(池)を作り、その中に残渣(ピット①〜③で生成)と当日の残コン(ピット④)をブレンドしたものを貯留、直後にまとめて重機で撹拌することで粒状化骨材そのものが造粒材の役割を果たし残コン、残渣は乾燥ばっ気される。
関連記事:「セルドロン【残コン造粒材】としての取り扱いは見送り。re-con zero evoは【オワコン】製造向けに一本化」
分級ヤードはさながら骨材製造メーカー
残コンst/ロスコンstで得られた粒状化骨材は分級ヤードでふるい分け。
良質な細骨材が得られる。なお、生コンポータル(有限会社 長岡生コンクリート)では得られた骨材を全量ICCに生コンクリート用原材料として供給している。
CO2有効利用で粒状化骨材の品質改善?!
なお、動画の中では見学者からの質疑応答の際にCO2を利用して品質改善を行う方法が説明された。左はブランクの粒状化骨材に構内にストックされている上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)を散水することで細孔や表面に二酸化炭素を析出させたもの(Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O)。
なお、粒状化骨材全体(25-0mm)1トンでおよそ30kgのCO2が活用されていることが立証されている。今後、こうしたプロセスを自動化することで生コン工場の構内で円滑に残コンがCO2を吸収固定しさらに良質な骨材(粒状化骨材)を製造する手立ての開発が待たれる。
残コンst/ロスコンstの見学は随時受付中
残コン再利用を決意するRRCSらの記念撮影。誰もが残コンを未利用資源として資源循環させることを目論んでいる同志。動画で説明されている一切は毎日稼働しているため見学は随時受け付けている。
さようなら「セルドロン」 「re-con zero evo」
残コンの粒状化はあくまで自然の循環に委ねられるべきであり薬剤など人工物で強制的にばっきする既往のやり方は常に見直されるべき。あくまで薬剤は敷地に制限があるなど緊急時における補助的な役割が期待されるべき。
関連記事:「セルドロン【残コン造粒材】としての取り扱いは見送り。re-con zero evoは【オワコン】製造向けに一本化」
「コンクリートをもっと身近に」
日々の変化は小さいけれど少しずつ少しずつグレートリセットに向けて世界が動いている実感があります。もはや、残コンは、解決されることを待つ問題ではありません。循環する過程で炭素をも循環(ホワイトカーボン)させ、副産物とともに現代の地産地消・資源循環の権化として大活躍を始めました。そんな大いなる貢献を果たすコンクリートが今のままではいけません。もっと知られて、もっと役に立つために。あるかどうかもわからないリスクに備えるのではなく、「伝える」積極的な情報発信が今求められています。
オワッコーン‼︎
現在生コンポータルのお膝元では自社のみならず組合工場の協力も得ながら残コンを地域経済に循環させています。点で生まれたこの価値を広く面にしていくためにも「伝える」情報発信が重要です。
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。