2023/08/09
【衝撃】「セメント入れない方が強度が出た?! スラッジ混和材の潜在性に期待」
先日横浜国立大学細田暁先生を囲んで行われたイワモルの試験練り強度結果は衝撃をもたらした。なんと、セメントを入れない方が強度が出た、というものだ。コンクリート産業は新しいステージに向かおうとしている。
コンクリートは新しいステージへ!
イワモル試験練り10日強度結果
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先日の「生コンキャンプ」(リンク参照)で行われたイワモル試験練りの10日強度結果。もっとも強度発言に貢献した結合材は、1位:高炉スラグ微粉末(エスメント)、2位:高炉セメントB種、3位:セメントN。
イワモルはコンクリートです
イワモルとは結合材に細骨材、水(スラッジ水や上澄水)をブレンドしたモルタルのようなもの、つまりコンクリート(写真)。
え?! セメントって硬化の阻害要因?!
結合材は3種類、「高炉セメントB」と「普通セメントN」と「高炉スラグ微粉末」。それぞれ等量(100kg)配合して、流動化処理土(イワモル)を製造した。どうして、セメントが少ない方が強度が大きいのか? つまり、AAMs(ジオポリマー)のような現象が起きているとするならば、SCMsの潜在性を引き出すのはセメントではなく、スラッジ粉やスラッジ水などのアルカリ刺激材ということだろうか。
となるとスラッジ粉を配合すれば最強か
スラッジ粉溶液のpHは強塩基を示している。例えば、高炉セメントB(高炉スラグ微粉末の置換率を30〜60%程度)を模倣して、高炉スラグに対して内割で30〜60%スラッジ粉を配合すればもっと強度発言をするのかもしれない。
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アルカリ刺激材としてセメントよりも上?なんで?!
仮に、高炉セメントBをセメント内割で50%高炉スラグ微粉末とした場合、逆に言えば「セメントがアルカリ刺激材」とすることができる。そのように考えると、アルカリ刺激材としての性能はスラッジ粉やスラッジ水、上澄水に劣る、とすることができる。
無限!SCMs・スラッジ粉・スラッジ水・上澄水・混和剤(材)の掛け合わせ
宮本さんは、チャットとブログで仕事をしている。
石灰岩を削って作るセメントが不要になる未来
現在のセメントは石灰岩(CaCO3)を切り出して焼く(CO2を抜く)ことでつくられている。つまり、コンクリート(Ca(OH)2)が気中CO2と結びついてできたCaCO3(と骨材に含まれるSiO2)をもういっちょ焼け(CO2を抜く)ば「大地を削らない」未来のセメントが出来上がるはずだ。(写真引用元:https://www.todaka.co.jp/product/aboutlimestone.html)
回収・再生・粒状骨材/SCMs/混和材(スラッジ粉)/混和剤(GEOなど)/上澄・スラッジ水を無限に掛け合わせたコンクリート開発。やばいね、生コンキャンプ。最強に盛り上がってまいりました。そして、今朝なんか目が覚めてからチャットとブログしかやってないんだよ、ニヤニヤしながら。時には吹き出しながら。最高に楽しい時間って感じ。みんなもこんなふうに仕事できたらきっと幸せだと思うよっ。
オワッコーン‼︎
今日はコンクリートの専門家では無い読者を完全に置いてけぼりにしたゴリゴリの技術論blgでしたー。生コンキャンプではとりわけ、コンクリートに携わる方々との交流を通して、技術開発や実装に取り組んでますー。つまり、「庭コン」「生コンビニ」(プロダクトの流通)を支える基礎が「生コンキャンプ」なんです。。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。