長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/08/09

【衝撃】「セメント入れない方が強度が出た?! スラッジ混和材の潜在性に期待」

【衝撃】「セメント入れない方が強度が出た?! スラッジ混和材の潜在性に期待」

先日横浜国立大学細田暁先生を囲んで行われたイワモルの試験練り強度結果は衝撃をもたらした。なんと、セメントを入れない方が強度が出た、というものだ。コンクリート産業は新しいステージに向かおうとしている。



コンクリートは新しいステージへ!

 残コン女の子

今日は「セメントを入れないイワモルの方が強度が出た」という結果を踏まえて議論が激走したAAMsやSCMs、アルカリ刺激材についてのご紹介でっす。こちらのblgはコンクリート技術者以外の読者を完全に置いてけぼりにしておりますので、ご注意くださいー。。

イワモル試験練り10日強度結果

関連記事:「遊びと仕事の境界を曖昧にする生コンキャンプ in 伊豆の国市」

IMG_2787.jpeg

先日の「生コンキャンプ」(リンク参照)で行われたイワモル試験練りの10日強度結果。もっとも強度発言に貢献した結合材は、1位:高炉スラグ微粉末(エスメント)、2位:高炉セメントB種、3位:セメントN

イワモルはコンクリートです

IMG_2793.jpeg

IMG_2792.jpeg

イワモルとは結合材に細骨材、水(スラッジ水や上澄水)をブレンドしたモルタルのようなもの、つまりコンクリート(写真)。

え?! セメントって硬化の阻害要因?!

IMG_2788.jpeg

結合材は3種類、「高炉セメントB」と「普通セメントN」と「高炉スラグ微粉末」。それぞれ等量(100kg)配合して、流動化処理土(イワモル)を製造した。どうして、セメントが少ない方が強度が大きいのか? つまり、AAMs(ジオポリマー)のような現象が起きているとするならば、SCMsの潜在性を引き出すのはセメントではなく、スラッジ粉やスラッジ水などのアルカリ刺激材ということだろうか。

となるとスラッジ粉を配合すれば最強か

IMG_2613.jpeg

IMG_2790.jpeg

スラッジ粉溶液のpHは強塩基を示している。例えば、高炉セメントB(高炉スラグ微粉末の置換率を30〜60%程度)を模倣して、高炉スラグに対して内割で30〜60%スラッジ粉を配合すればもっと強度発言をするのかもしれない。

関連記事:【岡山】「CPコンクリートのリーダー安藤間の白岩さんをお招きして行われたカーボンネガティブコンクリートの検討」

アルカリ刺激材としてセメントよりも上?なんで?!

IMG_2794.jpeg


仮に、高炉セメントBをセメント内割で50%高炉スラグ微粉末とした場合、逆に言えば「セメントがアルカリ刺激材」とすることができる。そのように考えると、アルカリ刺激材としての性能はスラッジ粉やスラッジ水、上澄水に劣る、とすることができる。


無限!SCMs・スラッジ粉・スラッジ水・上澄水・混和剤(材)の掛け合わせ

IMG_2795.jpeg

宮本さんは、チャットとブログで仕事をしている。

宮本のやつ、「セメントよりもスラッジ混和材の方がアルカリ刺激効果が高い」と指摘しているが、この仮説は直後細田暁先生の指摘によってまたしても覆されることになるんだ。実に奥深い研究が始まろうとしているぜっ。

 残コン姐さん

石灰岩を削って作るセメントが不要になる未来

IMG_2797.jpeg

現在のセメントは石灰岩(CaCO3)を切り出して焼く(CO2を抜く)ことでつくられている。つまり、コンクリート(Ca(OH)2)が気中CO2と結びついてできたCaCO3(と骨材に含まれるSiO2)をもういっちょ焼け(CO2を抜く)ば「大地を削らない」未来のセメントが出来上がるはずだ。(写真引用元:https://www.todaka.co.jp/product/aboutlimestone.html

残コンさん、残コン姐さん。今回のこの結果は本当に度肝を抜かされたね。結論から言えば、「単位結合材料が少ないからこうなった」(横浜国立大学細田暁教授)ということだったんだ。つまり、普通コンクリートのように単位結合材料が350kgクラスになると、結合材を激走させるためのアルカリ供給が難しい。一方で、イワモルは100kgと少量だから十分豊富にアルカリ刺激を供給することができたっていう。いろいろ勉強になるね。そして、宮本さんはこれから次の次元に行こうと思います。
回収・再生・粒状骨材/SCMs/混和材(スラッジ粉)/混和剤(GEOなど)/上澄・スラッジ水を無限に掛け合わせたコンクリート開発。やばいね、生コンキャンプ。最強に盛り上がってまいりました。そして、今朝なんか目が覚めてからチャットとブログしかやってないんだよ、ニヤニヤしながら。時には吹き出しながら。最高に楽しい時間って感じ。みんなもこんなふうに仕事できたらきっと幸せだと思うよっ。
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ?
今日はコンクリートの専門家では無い読者を完全に置いてけぼりにしたゴリゴリの技術論blgでしたー。生コンキャンプではとりわけ、コンクリートに携わる方々との交流を通して、技術開発や実装に取り組んでますー。つまり、「庭コン」「生コンビニ」(プロダクトの流通)を支える基礎が「生コンキャンプ」なんです。。
残コン‼︎ オワッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士