2023/08/13
「粒状骨材への上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)散水養生の効率化を目的とした取り組み」
残コンを原料としたアルカリ刺激材「残コナ」やCCUS(気中CO2を固定化した炭酸カルシウム)さらに良質な粒状骨材の生産方法が確立されつつある。次なる課題は「効率化」と「流通構造の構築」となる。
なるべく多くのCCUS(炭酸カルシウム)生産
もちろん、規格を整備することも大切ですが、規格が生まれれば実装が果たせると言えばそう話は単純ではありません。
All concrete一致団結して全ての要素が創発的に協働することが求められています。
大量に析出したCaCO3
上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)をふんだんに散水して天日干しで乾かした(3回目)の粒状骨材。写真ではわかりにくいが、ブランク(0回)のものに比べて明らかに白色(炭酸カルシウム)を呈している。つまり、大量の CO2をストレージしたCCUSであることがわかる。
集塵機や振動ぶるいなどを利用して石粉を回収
白石建設に設置されているプラントプロセスには、トロンメル、インパクトクラッシャ、振動ぶるい、集塵機などが搭載されている。
粒状骨材(s、 G)の他に集塵機等で捕集される石粉(フィラ)がアウトプットされる。上澄水散水養生を行った粒状化骨材からは豊富な炭酸カルシウム(CO2を固定したもの)が得られる。
求められる効率化
本方法論では多量の炭酸カルシウム(CCUS)が得られることは明らかになっている。
関連記事:「炭酸カルシウム粉体の製造方法」(230-7044) 出願番号:特願2023-122422 出願日:令和5年7月27日
今後の課題としては、いかに効率よく炭酸カルシウム粉体(CCUS)を得るかとなる。
残コンstの作業ヤード
こちらの作業ヤードで上澄水散水養生の作業が行われる予定。
なお、すでに明らかになっているように、残コンリサイクルには薬剤の使用は必要ない。
関連記事:【残コナ】「自前で作れる残コンソリューション爆誕?! スラッジケーキを加工したら造粒材になりました」【無料】
つまり、「残コナ」やすでに製造されている粒状骨材などを薬剤の代わりに曝気材料として用いることで粒状化可能というシンプルな理屈。
分級(骨材と石粉)にかけられるばかりの粒状骨材。この一連のプロセスでいかに効率的にCO2とCa(OH)22を出会わせるか、つまりは上澄水とCO2の反応を促すかが鍵となる。
ミストの活用?
以前当社らでは化学混和材のミスト化(超音波を用いて霧にする)実験を行った経験がある。例えば、上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)をミストにして工程全体を建屋で覆った中に充満させつつ排ガス(CO2)や排熱(乾燥促進)を用いることで効率化が期待されている。
残コナとCCUS、粒状骨材の大量生産の流通構築
これまで厄介者だった「残コン」からCCUSやアルカリ刺激材(残コナ)、さらに良質な粒状骨材が得られることがわかった。残る課題はその実装を形にするための流通構造の構築。(写真はWikipediaから引用)
「コンクリートをもっと身近に」
そして、商品(「オワコン」や「オコシコン」)の普及に携わってきた身からすればこれまで通りのやり方を踏襲するのであればいつまで経ってもアルカリ刺激材(残コナ)やCCUS、粒状骨材といった新しい付加価値は実装されないってことなんだ。これまでとは発想を変えて、「やってみる」を第一に高速でチャレンジを繰り返して行こうと思っています。いろんな方々との協働の末に我が国が最初にホワイトカーボンを樹立したら最高だよねっ。
オワッコーン‼︎
いよいよコンクリートを媒介とする人類補完計画が現実味を帯びてきましたー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。