2023/10/05
【イワモル】「目に見えないところで人知れず活躍していることは本来美徳であるはずなのに」立坑(マンホール固定)充填
静岡県伊豆の国市。管埋設工事に伴う立坑・マンホール設置工事は地中で行われる作業であるため、流動化処理土「イワモル」が利用されたとしてもその価値・情報は一般人の預かり知らないところで専門家の間だけで流通する。だからこそ、「伝える」情報発信が重要だ。
ぱっと見何やってるかわからない「イワモル」
蓋に覆われた立坑
立坑の中にはマンホールが設置されてある。蓋で覆われた地中の話であり、一般の方からすれば一体何がそこで行われているかを知る術はない。つまり、その価値は知られることなく、製品同様埋もれてしまう。
流動化処理土「イワモル」Before
立坑の中に設置された「マンホール」を固定する、また間詰めするために用いられる流動化処理土「イワモル」Before。
「イワモル」とは流動性を有する埋め戻し材
イワモルの原材料は、残コン由来の粒状細骨材・回収砂や微粉末(「残コナ」と名付けられている)、SCMs(高炉スラグ微粉末など)。全てバッチャープラントで自動製造可能で生コン車で配送され荷下ろしされる。
原材料は全て副産物
主要原材料となっている残コンやスラッジから得られる細骨材はもともと処分するのに費用が計上されていたものであるため、「マイナス原価」が期待できる。無論、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末(SCMs)もわざわざ製造されるセメントなどの結合材に比べて安価に手に入る。生コン工場からすれば、マイナス原価の原材料を組み合わせて普段通り生コン工場で製造したものを、付加価値製品である流動化処理土「イワモル」として販売することができる。
最近では「見えるところ」にも「イワモル」(まさ固)
そんな見えないところで大活躍が運命と思われていた製品、流動化処理土「イワモル」は「雑草対策材」として舗装「見えるところ」にも適用され、流し込むだけ固まる砂「まさ固」と名付けられた。写真は毎年植栽周りに繁茂する雑草を抑えるために適用された「イワモル」(まさ固)。
関連記事:【静岡】「ドロドロシャバシャバだった【固まる砂】(まさ固)だけどちゃんと固まってる(雑草対策)のか確認しました」
地中も地面も流動化処理土「イワモル」にお任せ!
「イワモル」の施工が終わればそのまま蓋をされ何事もなかったかのような普段の光景が始まる。見えないところでインフラを守る「イワモル」は、普段人が出入りをしないような水はけの問題とならない「見える場所」の防草材としても活躍が期待されている。
「コンクリートをもっと身近に」
だって、「オワコン」「オコシコン」のように出来型(完成した状態)が目に入ってこないというハンディを背負っているからね汗。どうやってその価値を一般の方に至るまで伝えるかってのはかなり面白いテーマってことなんだっ。だからこそやりがいがあるってもんなのさっ。
オワッコーン‼︎
理屈では、未利用資源・副産物をきちんと価値あるプロダクトとして市場に今一度還元しているという点ではすごい価値を孕んでいるのですが、「目に見えないところで活躍している」というのが本来は美徳なのですが残念ながらその価値が認知されにくい原因となっているのですねー。。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。