2023/12/09
残コン処理(再利用)に残コン以外の不純物(市販の造粒材)は要らないことが判明しました
大阪兵庫生コン工業組合の御一行がICCを訪ねたことで即席で開催された生コンキャンプでは残コンstにおける残コン改質(処理)を市販の薬剤(セルドロンやre-con zero evoなど)を一切用いずに行う実験が行われた。残コン処理に残コン以外の不純物は要りません。
残コンの処理は100%残コンで行います!
これまで残コンの処理にはセルドロンやre-con zero evoなど市販の製品が必要と考えられていましたが業界の要職の方が見守る中「市販の薬剤はむしろ不純物だから使ってはならない」ということが判明しましたー。。
残コンstにリアルに戻ってくるシャバシャバの残コン
シャバシャバのビシャビシャの残コン。従来はセルドロンやre-con zero evoなど吸水体を用いて残コンの水分を強制的に脱水させることで残コンを造粒、粒状骨材として循環・再利用してきた残コンst。今後は薬剤を一切用いずあらかじめ得られている残コン粒状細骨材を吸水体として利用するためかかる薬剤コストを0円とする運営に先立つ実験が行われた。
残コナじゃなくて残コン粒状細骨材でもワンチャン
これまでも多少ICCではセルドロンやre-con zero evoを利用していたため完全0円の達成は「残コナ」製造後と考えていた宮本さんだったが、前日に浅沼組の山崎さんや大阪兵庫のサンコンさんと生コンキャンプを張っていた時に「あれ? 細骨材でもワンチャンいけんじゃね?」という着想を得て翌日(2023/12/08)急拵えで実験を行う、というもの。
関連記事:【0円骨材】残コン粒状細骨材の中にはたっぷり微粒分(残コナ)が含まれているから残コンの改質・造粒ができちゃう
残コン粒状細骨材をダンプから投入
粒状細骨材投入。成分の大半はいわば「残コナ」(微粒分)であるため、「残コナ」で造粒ができたのであれば細骨材でもいけるはずと考えられるため、「やってみよう」ということで現場が直ちに動いた。
ただちに流動性が失われる残コン
残コン粒状細骨材の膨大な表面積に吸い込まれていく残コンに含まれる水分。
残コンで残コンを粒状化させることに成功
残コンの水分が飛ばされ翌日以降負荷もなく解砕(かいさい)可能な状態(粒状化)となった残コン。つまり、市販の薬剤(セルドロンやre-con zero evoなど)は一切用いることなく「全て残コン(の細骨材)で残コンを再利用できる」ことが事実上判明した歴史的瞬間。
【材料不要】残コンで残渣・残コンリサイクル可能!
残コン再利用歴は両手以上を数える左・遠藤さんの懇切丁寧な説明に耳を傾ける右・大阪兵庫のサンコンさんは残コン粒状化JISの要職にインボルブドされており、「残コン造粒に薬剤や製品はいらない」がきちんとIn Putされた様子。
改質された残コンは乾いてから再び分級にかけられ粗骨材、細骨材、さらには微粒分(「残コナ」)としてそれぞれの役割に付されることとなる。生コンキャンプではこうして100%リサイクルに付されている「残コン」のリアルを見学できる。
「コンクリートをもっと身近に」
昨日も、長年ご一緒させていただいている大恩ある方々と現場で作業をしながらさまざまに議論ができました。世の中には今も「会議室の決定に市場と顧客が従う」と信じて疑わないおめでたい方が大勢いるようですが、僕たちはそういうおままごとからはきちんと距離をあけて自分たちの貢献を現場で果たしていきたいものですっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。