2023/12/19
順序を戻せ! 理論やシステムはあくまで現場のダイナミズムから生まれるもので断じて会議室からではない
細田暁らによって発足した元気なインフラ研究所というコンソーシアムの説明動画がリリースされた。生コンポータルとして同CSに参画する意義とコンセプト「JOIS」について。
関連記事:【元気なインフラ研究コンソーシアム】に参画することで得られる生コン工場にとっての具体的なメリット
「元気なインフラ研究所」とJOISについて
「元気なインフラ研究所」
豊穣な社会研究センター「元気なインフラ研究所」のコンソーシアムとは?
元気なインフラ研究CS規約
(目的)
第1条 我が国は約 30年間、経済成長がほとんど見られないデフレに苛まされ、成長する
諸外国と比べて国力が顕著に低下し、かつ様々な自然災害に見舞われるリスクを抱えた
危機的状況にある。ミクロに見ても人の分断と孤立が進むと言われる社会において、 「真
の豊かさとは何か」 、 「持続可能な社会は構築できるのか」 を真剣に問い、 現状を改善する
ための対策を具体的に実践することが不可欠な状況である。
このような社会背景の中、国立大学法人横浜国立大学総合学術高等研究院は、2023 年
4 月に、 「豊穣な社会研究センター」を,すべての人が与えられた資質と能力を活かし、
生き生きと生活し、 将来世代のために夢と希望を抱いて耕し続ける、 豊かで稔りある社会
を目指して、 総合学術的かつ実践的な研究・教育を展開する、 「豊穣な社会研究センター」
を設置した。
センター内には、 主たる研究テーマに分けた 3 つの研究所を設置し、その中の一つであ
る「元気なインフラ研究所」では、社会活動を支えるインフラのうち、道路、鉄道、上水
道、 下水道、 港湾、 公共建築物等の維持管理システムを革新的に改善し、 新たに建設する
インフラを長寿命化するための技術開発・技術の社会実装に取り組んでいる。
これらの取組を結実させるためには、 インフラの建設、維持管理、建設・供用中の環境
負荷低減などのための情報共有、コンサルティング、共同研究、技術の開発と社会実装、
人財育成等を推進する産学官連携のスキーム構築が不可欠である。
そこで、国立大学法人横浜国立大学総合学術高等研究院は、大学の教育研究の一環とし
て、豊穣な社会研究センターの元気なインフラ研究所を中核とし、産学官連携のもと、 技
術開発及び技術の社会実装を目的に、元気なインフラ研究コンソーシアム (以下「本コン
ソーシアム」という。)を設置する。
大学をもっと身近に
オワコンサンプルを締め固めしている細田暁先生。
「オワコン」の施工を行う細田先生の門下生の学生たち。
「オワコンの素(Y弾)」をご自身で生コン車のドラム内に投入する細田先生。ご自身もおっしゃっておいでのように「敷居が高かった」大学という研究機関をもっと身近にする実践を現行一致で行っていらっしゃるのが細田暁先生。
各地行政と生コン産業との協業
具体事例としては行政のあり方に危機感を抱きそれを行動に移す木下さんらが所属する熊本県玉名市と連携し生コン産業の課題でもある「残コン」と膨れ上がる雑草メンテナンスをつなげた取り組みが進捗している。
残コンをアルカリ刺激材やCLSMの骨材として再定義
こちらは岡山県白石建設に細田先生らと共に見学に行った時の写真。「残コン」を原料とした各種原材料(骨材やアルカリ刺激混和材としての適用)の検討。今更ながらに気づくところは細田先生に関連するブログの大半は現場で撮影されたものばかり。一般の大学や大学教授に関するイメージとはどんなものだろう。
JOIS 実践から理論・システムを構築しよう!
(現在の規格やマニュアルは理論・システムが現場の実情を知らされないままに会議室で生成されそれを現業に押し付ける形となっていることに課題を抱いた宮本さんのコメント。本来、システムの構築は現場のダイナミズムを理論化し循環構造としてシステム化されるものであって現在は主客転倒の時代と言って良い。会議室での決定に市場と顧客が従うと信じて疑わないめでたいムードを払拭するために、宮本さんは有志らと本来のものづくりのあり方を取り戻すために「JOIS」(Japan Out of Industrial Standard)なるコンセプトを共有している。現状の構造ではなかなか理解されにくい考え方かもしれないが、再生骨材コンクリートも、CLSMも、ポーラスコンクリートも、レディミクスとコンクリートも、規格作成に生コン工場が関わっていない、という現実に対するアンチテーゼであり、「元気なインフラ研究所」への参画もその実践の一として位置付けている)
「コンクリートをもっと身近に」
結局、ものを言うのは、口ではなく実践ですね。圧倒的なフォースで現実の形を変えていくことをもって僕たちのコンセプトが正解だったことを証明するつもりだよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。