2024/02/16
「これからのコンクリートの研究は生コン屋さんと繋がってるか否かが成否を分ける」
エチオピア出身のエブサさん(YNU)を迎えて白石建設で開かれた生コンキャンプでは従来の残コン粒状化骨材ではなく回収骨材(と「残コナ」)を用いたCLSM「イワモル」の室内・実機試験練りの様子。(共有:あるべるとふぇらーり)
やっぱり研究も「生」がいい
細田流は研究室内で悩むんじゃなくて現場・生で体験しようということで毎度の楽しいひとときになったようですー。。
YNUイワモル研究はエブサさん白石建設訪問
岡山県白石建設(生コン製造)。昨日(2024/02/15)YNU細田暁先生とM1学生エブサさん(エチオピア出身)は今後イワモルの研究をするにあたって白石建設を訪問した。
回収骨材で「イワモル」製造
これまでCLSM「イワモル」は残コン由来の粒状化骨材(s)での製造が基調となっていたが一般的に生コン工場で発生する回収骨材を利用したものの検討も開始する。 粒状化骨材同様に回収骨材も豊富にアルカリを含んでいるためSCMsを刺激する。
室内試験
白石建設さんの大歓迎を受けて始まったエブサさんの「イワモル」試験練り祭り(室内試験)。
「イワモル」の室内試験は攪拌機とバケツがあれば製造できるから生コンのそれよりも楽。
実際に自身の手足を動かして経験をしたものでなければ身につかないし現場が最も情報量が多い。会議室の中での議論に追われる研究に陥らない細田流の教育メソッド。
生コン屋さんならすぐに実機で試験できちゃう
生コン屋さん(現場)での研究の醍醐味はすぐに実機に挑戦できちゃうこと。 研究室だと試験練りのための材料手配だけで数日あっという間に過ぎてしまうが生コン屋さんならその日その時思いつきですぐにできる。 今後のコンクリートの研究において生コン屋さんと交流はなくてはならない要素になることだろう。
「残コナ」後添でとろみ調整
なお、骨材が回収骨材である場合微粒分が乏しくとろみ(材料分離抵抗性)を付与するために生コンスラッジ由来の「残コナ」と投入が必須となる。
関連記事:「残コナのプラント投入でCLSM【イワモル】はあらゆる生コン工場で製造可能」
生コン工場でがっつり室内・実機の試験練りを行なったエブサさんはよほど嬉しかったようだ。今後来週月曜日からは生コンポータル(長岡生コンクリート)での試験練り祭りが始まる。
生コンキャンプでできること
主体性を持って技術開発に取り組むあらゆるすべての人たちが招かれ必要とされる場所「生コンキャンプ」では上述のように常に新しい何かへの挑戦が展開されている。
「コンクリートをもっと身近に」
はて、これから大阪に移動だよっ。 今回は姫路→岡山→大阪ととっても充実の西日本出張となってますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。