2024/03/06
【静岡】「供用を終えた地中埋設物(廃止管、防空壕、灌漑用水路、地下道など)の充填は生コン屋さんの仕事」
静岡県沼津市。伊豆中央コンクリート(ICC)お得意様の大藤建設さんの現場で採用された残渣式流動化処理土はCLSM(Controlled Low-Strength Material)の1つで「イワモル」も含めて主に生コン工場がその製造の主役となっている。
製造:ICC、施工:大藤建設
廃止管充填は生コン屋さんの役割です
CLSM(流動化処理土)打設状況
圧力をモニタしながらポンプ圧送を行なっている先は
現場立会者からのレポート
大藤建設 沼津市松沢町
流動化処理土 水道廃止管充填 大型 2.5㎥
人類の繁栄に伴い地下に埋設された夥しい数の配管は更新の時期を迎えている。そんな老朽化した配管が上載荷重(車両の交通など)により破壊され地盤の沈下の原因とならぬようにCLSMで充填・強度発現によって問題解消も最近では生コン屋さんの役割となっている。
生コン屋さんの「イワモル」もCLSM
こちら「イワモル」は横浜国立大学細田暁研究室や生コン屋さんのチームで研究が進んでいるCLSMの1つ。廃止管充填などの用途に用いられるもの。
結合材は100%高炉スラグ微粉末
なお、「イワモル」は結合材は高炉セメントB種や写真の高炉スラグ微粉末を採用している。
骨材は100%残コン粒状化細骨材
こちら、残コンstで粒状化させた残コンの5mmU(細骨材)がイワモルの骨材。練り水も上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)となるため、生コン工場で発生するもの、生コン工場にある設備だけで製造可能、というアドバンテージが「イワモル」の特長。
「イワモル」の導入は「生コンキャンプ」
イワモルの配合:製造工場向け
イワモル配合 | BFS | W | RG S | AD | air | 合計 | |
容量 | ℓ | 17 | 250 | 733 | - | - | 1000 |
質量 | kg | 50 | 250 | 1488 | - | - | 1788 |
「イワモル」を工場の製品ラインナップに検討されている生コン工場は随時「生コンキャンプ」の参加を歓迎されている。各地で積極姿勢で生コン製造を行なっている方々との交流から生まれた「イワモル」をはじめ、さまざまな先端コンクリート技術に触れることができる。
「コンクリートをもっと身近に」
知られていないということは存在していないのと同じこと。この言葉を謙虚に受け止め、全然知られていない建設・コンクリートを今日も「伝える」情報発信に全力疾走ですっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。