2024/03/23
大自然を削り取って水の次に流通するコンクリートの主要原材料【骨材】が出来る迄
岡山県高梁市。原石山から生コンクリートの主要原材料「骨材」が製造されるまでを実際のスケールで見学する生コンキャンプ。残コンを原石・鉱石と再定義して資源循環に向かう新しいモデル創造のために知っておくべき大切なこと。
大自然から生コン用骨材ができるまで
ベンチカット工法
岩山を段切りしながら採取する原石が生コンクリートの骨材(砂や砕石)の大元。発破をかけて砕かれた岩石をブレーカーで小割りしてオープンシュートと言って滑り台のように原石を破砕設備に移送する。
原石受け入れホッパー
オープンシュート工法で転がり落ちてきた原石。
蟻地獄状になっているホッパーに投入される原石。
グリズリフィーダとジョークラッシャー
ホッパの下部には横穴から入ることができる。
投入された原石はグリズリフィーダ(写真)でジョークラッシャに移送される。
原石はジョークラッシャで所定の寸法以下に砕かれる。そこから次の工程に原石はベルトコンベアで移送される。
コーンクラッシャとバーマック
コーンクラッシャ(写真)と呼ばれる破砕機でさらに細かく砕かれる。
こちらは整粒を目的としたバーマック。
ベルトコンベアで移送された先では各種網でふるい分けされる。
フィルタープレスとスラッジケーキ
フィルタープレス。
骨材製造の過程で挟雑物を洗浄することで発生する懸濁水(汚水)はフィルタープレスで搾られてスラッジケーキとして埋め立て処分となる。
骨材完成
それぞれの寸法でストックされたビンの下部ホッパーゲートから骨材がダンプなどに詰め込まれ生コン工場や建設現場に出荷される。
現場・現実・現物が「生コンキャンプ」の醍醐味
今回白石建設武南さんのお取り計らいで視察することができた採石現場。「生コンキャンプ」は会議室やセミナーハウスというよりも現場で現実や現物に触りながらだから情報量もそれだけ膨大。
「コンクリートをもっと身近に」
さあ、いよいよ始まるよ。 生コン工場の厄介者である残コンやスラッジケーキを購入して付加価値のついた骨材やCCUにして資源循環・脱炭素コンクリートを製造するモデルが口だけじゃなく現実のものとしてね。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。