2024/05/19
生コン工場の厄介者【スラッジ水】が行政の悩みの種【雑草】の解消を約束する
熊本県玉名市。 今、地方行政と生コン産業の在り方が大きく進化しようとしている。行政の悩みの種である官地(残地や里道)の維持管理(雑草対策)は生コン産業の悩みの種であるスラッジ水を高度利用した造粒ポーラスコンクリート(「オワコン」)で一発解決するとしたら。
地方行政と生コン共にWINスラッジ水でオワコン
なお、このチャレンジは5月29日に熊本県玉名市で実際に実験が行われるそうですー。。
スラッジ水を行政の維持管理に役立てる
およそ生コン工場では見られる光景スラッジ水は生コン設備や残コンを洗浄した際発生する汚水。通常はトロンメルなどで砂・砂利などを回収した後にフィルタープレスで圧搾・減容化し廃棄物として処分されてきた。
スラッジケーキは生コン工場を苦しめている
そんなスラッジケーキの廃棄処分コストは年々鰻登りとなっており、とある生コン製造グループでは年間数億円の処分費が経営を逼迫しているという。
スラッジ水でオワコンを作る!
ヌテコンの配合:製造業者向け
w/b 45.4% 上澄水 | s/a 44% | 1.2% | |||||||
ヌテコン配合 | BB | BFS | W | RG S | RG G | AD | air | 合計 | |
容量 | ℓ | 51 | 81 | 176 | 285 | 362 | - | 45 | 1000 |
質量 | kg | 155 | 233 | 176 | 581 | 840 | 4.66 | - | 1985 |
こちら、「ヌテコン」(や「2x3コン」)ではWにスラッジ水や上澄水を高度に利用している。例えば、濃度30%のスラッジ水で製造し、BBは高炉セメント、 BFSは高炉スラグ微粉末、RGは残コンを粒状化させた骨材(回収骨材でも可)であることからも副産物を高度に利用した環境負荷低減コンクリートであることがわかる。
関連記事:【岡山】「雨天時のぬかるみや夏期の雑草を予防するために採用されたご当地製品スラッジオワコン爆誕」白石建設
こちら、そんな「ヌテコン」を粒状化させて得られた「オワコン」の特徴は「白」。
関連記事:「炭素を含む資源循環のエコシステムとしてコンクリートインフラを再定義したホワイトカーボン」
横国大と玉名市の取り組みに適用!
玉名でオワコンを始めた理由は、上記の内尾さんという仲間を助けたかったという仁義です。
そして、その中で力石のおいちゃんが親身に寄り添ってくれたのですが、まだ、力石さんをWINにしていない。
力石さんはいち従業員ですが、私は力石さん個人に仁義を果たしたい。今はこれが私の玉名プロジェクトの望みです。
この点だけは、生コンのプロでない私には力不足ですのでどうにもなりません。そこで今回は、29日はアベンジャーズが来るという機会になっていると考えています。したがって、アベンジャーズには力石さん、ひいては玉名の生コンプラントを助けてください。よろしくお願いします。
(引用:玉名市木下義昭さんのコメント)
内尾さんは玉名市職員であり、里道や残地の雑草メンテナンス(維持管理)に非常に苦慮されてきた。そんな内尾さんに寄り添ってくれた生コン製造業土佐屋生コンさんの力石さんにとっても大きな悩みでもある「スラッジ」をなんとか解決に導きたいとする木下さんの熱い思いがある。つまり、高濃度スラッジ水で製造した「ヌテコン」や「2x3コン」「ネガコン」をベースとした「オワコン」を製造して適用すれば玉名市(行政)の悩みと土佐屋生コン(生コン組合)の悩みが一挙解決する、という取り組みに発展していく。
研究員は横浜国立大学の丸山さん!
すでに玉名市では「オワコン」の実装は進んでいる。あとは、そこを舞台に技術開発が進むだけ、ということになる。
関連記事:【熊本】産官学が絡合することで生まれた奇跡は【施工】【製造】【発注】全てにとって都合がいいこれからの【維持管理】モデル
スラッジ濃度が濃ければ濃いほど薬剤の使用量が減る(ということはつまり製品「オワコン」のコストは下がる。また、処分費をマイナス原価として捉えれば実質の生産コストはさらに下がる)。これが公共事業でバズったら生コン屋救済できるよ。神として崇め奉られるよ。
それを、ネガコンとかサンコン(とか「ヌテコン」)でやっちゃいなよ
力石さんも浮かばれるよ
(引用:宮本さんのコメント)
研究員としてアサインされたのは横浜国立大学細田暁研究室の学生丸山さん。「ありがとうございます!とても勉強になります。」と気持ちのいいコメントがあったので地方行政や生コン産業救済のために全力を尽くしてくれることだろう。
真相を知りたい?知りたければ豊穣Cへ
「こいつ、頭、イカれたね」、と思っているあなたへ。
残念でした。私はマトモです。証人は何人でもいます。さようなら。
心を開けないあなたが終わってます。パーイ!
真相を知りたい?知りたければ豊穣Cへ。
(引用:細田暁先生のX)
生コンキャンプやJOISでは横浜国立大学の豊穣な社会研究センターに楽しく参画しています。
「コンクリートをもっと身近に」
ちなみに、この取り組みは今後宮本さんの故郷でもある伊豆の国市や三島市にも展開していくことになりますっ。そんな試みは埋もれさせることなくきちんと「伝える」情報発信を通して社会に貢献していくよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。