2024/06/01
地域や生コン組合が主導して未利用資源【残コン】を高度利用することで創造する資源循環・脱炭素社会
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンstという提案。
生コン組合による地域資源循環・脱炭素への貢献
具体的には残コンstという施設を利用することで残コンを「原石」と捉えカーボンニュートラルな原材料を新たに製造することでCNコンクリートを達成していく試みとなりますー。。
残コンstによる地域資源循環・脱炭素フロー
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンstを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。
残コンCN目に見える根拠
こちら飽和水酸化カルシウム状態の「上澄水」に呼気(高濃度CO2)をぶくぶくとストローで吹きかける。https://youtube.com/shorts/LAX-WHWIpWI?feature=share
残コンを洗った際に発生する上澄水には豊富に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が含まれており、二酸化炭素(CO2)と反応することで白い濁り・炭酸カルシウム(CaCO3)となることがカーボンネガティブの根拠。
CNコンクリートとは?
CNコンクリートには大きく分けて3つのアプローチがあり、
①セメントを抑制する
②CCU材料を実装する
③気中CO2を吸収(DAC)する(※DAC:Direct Air Capture)
それぞれに関して「残コン」(やスラッジ)は、
①アルカリ刺激効果によるセメントの抑制
②含まれている水酸化カルシウムによるCO2固定(t/159kg)
③無筋コンクリートとしての中性化
という全てのアプローチに貢献する。なお、元々Beforeで廃棄処分となっていた残コンを由来としているため低コストをも実現しうる。
各セクターにとってのメリット
ここでは、地域でコンクリートの供給に参画する全てのセクターにとって残コンstによる地域資源循環・脱炭素がいかに価値あるものであるかを紹介する。
生コン組合員(生コン工場)
残コンの収益化:これまで生コン工場の経営を圧迫していた残コン(ひいては生コンスラッジ)に付加価値が与えられ組合など公的組織に販売が可能となるため、年間の処分コストがゼロになるばかりか新たな収益機会が生まれる。
環境負荷低減型コンクリートの販売:また、組合から残コン由来の各種原材料(写真は粗骨材)を安価で仕入れて環境負荷低減型コンクリート(CNコンクリート)の製造・出荷が組合への販売という既往の商流で達成することができるため、原材料コストを圧縮しつつ適正価格での売り上げ機会を獲得できる。
残コン加工施設(生コン工場や中間処理業者)
CN原材料製造・販売:残コンstではこれまで生コン業者の厄介者でしかなかった残コンやスラッジを「原石」として見立てて各種原材料(混和材料や骨材)の製造や販売を始めることができる。あたかも都市鉱山から得られた原石を用いた骨材・混和材料メーカーとしての新たな事業が創造される。なお、残コンstの大半は残コンで製造でき、簡単なフィルター(鋼管を重ねた程度)や従前からある重機などを用いて設置できるため、イニシャルコストも経済的。
ゼネコン・商社
写真はスラッジケーキを加工して得られた微粉末はCCU混和材料としてコンクリートに配合される。
ESG対策:ゼネコン・商社は生コン組合から提示されるCO2排出量削減率を武器に環境への貢献を前面に打ち出すことができる。
コンクリート実務家らの交流【JOIS】がバックアップ
なお、一連の運用ノウハウについてはJOIS(Japan Out-Industrial Standard)に蓄積されており、導入を検討される地域や組合、生コン工場らを強力にサポートしている。
「コンクリートをもっと身近に」
やっぱりコンクリートの貢献を知ってもらうためにはコンクリートの生産に携わるあらゆるセクターの共感が必要になります。そのためにも、「知ってもらう」情報発信をさらに強化していくよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。