2024/07/30
残コンを薬なしで【オワコン】にしてから【ブロック】を作るといいことだらけ
残コンを薬なしで【オワコン】にしてから【ブロック】を作るといいことだらけ、と題してICCで昨日(2024/07/29)実施された実験のご紹介。
①排水の軽減 ②気化熱による環境温度低減 ③空隙に入り込んだ上澄水の塩田効果による軽質炭酸カルシウム析出(Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3) DACによるカーボンネガティブ
残コンを「オワコン」にしてブロックにする
残コンで作った「オワコン」
実験用に「残コン」に見立てた生コンクリートを「オワコン」にする実験。
「オワコン」でブロックを作る
残コンをリサイクル(廃棄処分ではなく、ブロック型枠などに投入して販売する用途)するプロセスにCN全部載せオワコンを打設する。なぜ、残コンをそのまま投入すればいいところなのにわざわざ「オワコン」にしたのか。
なんでわざわざオワコンにする必要があんの?
通常、「オワコン」の製造には市販の薬品(オワコンの素・Y弾)を使うところだがなんとスラッジという生コン工場の従来廃棄物を用いているためコスト増はない。
関連記事は:生コンスラッジの微粒分は市販の改質材(セルドロンやコンバラス他)の代替品になります
Y弾(オワコンの素)など市販品を使わないから
単に残コンを流し込むのと違って一手間かかるものの「オワコン」にすることでとあるパフォーマンスが発揮される。
残コンオワコンブロックに期待できる性能
まるで硬いスポンジのような造形の残コンオワコンブロックに生コン工場の排水(上澄水=飽和水酸化カルシウム溶液)を散水することで、①排水の軽減 ②気化熱による環境温度低減 ③空隙に入り込んだ上澄水の塩田効果による軽質炭酸カルシウム析出(Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3) DACによるカーボンネガティブ。
関連記事:生コン工場にほぼ必ずあるもの(残コン、上澄水、残コンブロック)を高度利用した残コンCNシステム
残コン「オワコン」ブロックのご相談はJOISまで
こうしたイノベティブなR&Dはコンクリート実務家らによるオンラインサロンJOISで日夜繰り広げられている。
「コンクリートをもっと身近に」
こんな現場も「伝える」「伝わる」「知られる」ことで世界の景色をより美しくっ、だねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。