2024/09/12
窓と同じく戸建て住宅にはつきものの 【土間コン】 で二重窓や内窓のように 【補助金】 をゲットする構想
昨日キックオフを迎えた「みんなで作るみんなのコンクリートラボ&オフィス」JOISで討議されたのはカーボンニュートラルで高機能な性能評価をきちんと備えた非JISコンクリートの採用もOKな土間コンクリートの全国区ブランディング。
土間コンを補助金対象にするプロジェクト
【土間コン】をカーボンニュートラルに
昨日(2024/09/11)開催されていたJOISキックオフイベントではバルチップの大澤さんから高性能で低コストなカーボンニュートラルな土間コンの提案がなされた。
内窓や二重窓のように補助金ゲット?
住宅省エネ2024キャンペーンは、環境省、国土交通省、経済産業省の連携により実施される、住宅の省エネ化を支援する補助制度のことです。
住宅省エネ2024キャンペーンには、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や省エネ改修等を対象要件とした「子育てエコホーム支援事業」、断熱性に優れた断熱窓の設置を対象要件とする「先進的窓リノベ2024事業」が盛り込まれています。
(引用:エクスショップ)
建築業界ではZEBやZEHが話題となっているが、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどSDGsでエコロジカルな住宅に対して国が補助をする施策が戸建て住宅の内窓や二重窓に代表されるように話題となっている。
戸建て住宅にほぼ【絶対】ある土間コン
なお、戸建て住宅には必ずある「窓」同様に、外構にはほぼつきもののように舗装される土間コンについてエコロジカルでSDGsなアプローチが議論された。
脱ワイヤーメッシュ PP繊維ばら撒き工法
1つ目のアプローチとして土間コンの主なCO2排出源の1つである鉄(ワイヤーメッシュ)を用いずに、ひび割れ抑制効果がきちんと示されているPP繊維(写真)ばら撒き工法(この後、タンピングで表層1〜2cm以下にひび割れ抑制ネットワークが形成される)を採用する。既往の方式に比べCO2排出量は20分の1にまで削減される。
セメントを高炉セメントB種に変更
CO2排出量 (kg/㌧)※1 | セメント1㌧あたりの使用量 | |||
---|---|---|---|---|
石灰石 (kg/㌧) | 石炭 (kg/㌧) | 電力 (kwh/㌧) | ||
ポルトランドセメント①
|
768 | 1,111 | 95 | 30 |
高炉セメントB種②
|
437 | 622 | 56 | 21 |
削減量(①-②)
|
331 | 489 | 39 | 9 |
削減率(%)
|
43% | 44% | 41% | 30% |
出典:セメントLCIデータの概要(セメント協会2016年度実績)
※1 購入電力分を含まない
※2 焼成用および自家発電用の合計
(引用:日鉄高炉セメント)
高炉セメントB種は通常のセメント(ポルトランドセメント)に対してCO2排出量削減率43%であることはすでに業界では知られているところであり、補助金交付母体でもある国土交通省も「低炭素コンクリート」として認めているところである。
CCUやDACの積極利用
なお、最先端の脱炭素関連技術としては、CCU(Carbon Capture Utilization)やDAC(Direct Air Capture)などの研究・開発・実装が進展している。
CCU
こちらは生コン工場の副産物「残コン」を由来とするCCU材料などを生コンクリートに配合することでCO2削減が可能。
DAC
また、多孔質で表面積が膨大に及ぶ造粒ポーラスコンクリートなどは透水・保水はもちろんのこと、空気の流通をも許すため水セメント比が50%以上という条件を満たせばDACによるCO2固定が期待される。現在進行中のGI基金ではこうした先端技術についての研究・開発・実装が強力に推進されている。
【CN土間コン】JOISで性能評価・全国ブランディング
右・柔道部物語の西野社長とその奥・「死神」ことバルチップ大澤さんをはじめ、JOISキックオフイベントには40人弱の参加者を数えCN土間コンを全国区でブランディングしていくことが決まった。
「コンクリートをもっと身近に」
こうした業界内部、舞台裏の努力も埋もれさせることなく「伝える」ことでコンクリート自身から貢献の領域を広げる努力をしていくよっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。