2024/10/12
何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! 富山県高岡市訪問記④「橋の下に潜る大学教授から学ぶ」橋梁メンテナンス
人気シリーズ「何かとお騒がせ中ホソヤンと行く!」高岡市編Part.4 では一流の橋梁メンテナンスに触れることができた。 コンクリート診断士の学習などを通してある程度は知っていたつもりだったが、現場での一流直々のレクチャーは座学にはない膨大な情報量となった。ここではそのほんの一部をご紹介。
一流ホソヤンから学ぶ橋梁メンテナンス
橋の下に潜る大学教授ホソヤン
前代未聞の飲酒公開WEBセミナーに前後してこちらはノンアルコールのホソヤン(タバコはバンバン吸ってました)は橋梁メンテナンスのレクチャーのために橋の下に潜るところ。 オワコンの宮本さんとしては初体験(コンクリート診断士持ってますが汗)となった。
みんながいつも使ってる橋の下はこんな感じ
普段意識することもなくその上を車で走ったり歩いたりしている橋の下はこんな感じになってます。 常に水が流れてジメジメしてるからあんまりコンクリートにはよくなさそうだけど。。
打音と目視検査
打音検査中のホソヤン。
打音検査は,ハンマーで橋の表面を叩いた時に発生する音で内部状態を把握する検査です.2021/04/12
ホソヤンやマツさんによれば音だけで橋梁のコンクリートの配合(およその強度)や構造物としての健全性が知れるという。
所々にひび割れが発生しているものの「全く問題のないひび割れ」と自信満々でホソヤンもマツさんも断言していらした。 橋梁の場合、軸方向(縦方向)のひび割れの大半は錆汁やエフロなどの発生によって水の流入が深刻でなければほとんど問題とならない。 むしろ、軸方向に直行するひび割れがやばい、ということでそういうのは確かに1本も見られないのでこの橋梁は実に健全な状態ということが判断された。
50年選手のボックスカルバート橋
こちら、なんと50年も供用されているというボックスカルバート橋。写真からも分かるようにものすごく綺麗でひび割れの一本も見つけることができなかった。
知ってる、知らない。だけで数千万円違う
こちらはなんだか相当やばそうな見た目の橋であり、近隣の奥様のお話によれば「あたしが嫁に来た時にはすでにかかってた」ということで50年超の供用期間となっている橋の点検。
エフロがつらら状になってるし、あちこちひび割れが見て取れるし、なんだかぱっと見やばそうに見えるが、ホソヤン「大丈夫」と断定。 なお、こちらのひび割れはプレストレスPC橋には特徴的に見られるASR(アルカリシリカ反応)によるものであるという。 ASRといえばコンクリート界隈では泣く子も黙ると恐れられている現象だが、「軸方向にプレストレス(圧縮)がかけられた状態にさらにASRによってケミカルプレストレスが作用し逆に強度は上がっている」という。なお、エフロによってひび割れは自己治癒していると判断される理由は大量にエフロレッセンスが生じている割にどこにも錆汁が見られない点。 これ、知らないで「ヤバい」と判断して補修なんかした日には数千万円がかかるという。 それはまさに高岡市の財政にど直撃、つまり市民のお財布から持ち出されることになるわけで、知識というものの偉大さを現場で実感する一幕となった。
数十年も文句一つ言わず市民の暮らしを守るインフラ
なお、高岡市ではホソヤンとマツさんのご指導から橋梁メンテナンスを業者任せとせずに市の職員自ら行うことで数千万円にも上る財務改善が行われたという。 現場で自分自身の手を使ってやってみる。それはホソヤンの哲学でもあり、遠く会議室で作った仮説で世の中を回そうとする愚に陥らないために、常に現場にあるように心がけているそうだ。 何かとお騒がせ中ではあるものの笑、さすがホソヤン、改めてその本気に触れてオワコンの宮本さん「やっぱ、現場だよね」って思いました。
「コンクリートをもっと身近に」
まだまだ宮本さんも研鑽が足りないね。 もちろん、座学や資格試験も大切だけど、それと並行してきちんと現場に赴いて、謙虚に市場と顧客の声に触れていたいと改めて思いました。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。