2024/12/20
【爆誕】余った生コン(残コン)を次の現場に利用するタブーに敢えて切り込みます【サンコン】
ぶっちゃけたところでいうと余った生コンはまだ生コンだし全然生コンとして使えるし原価ただだからそれを2回目、3回目と他の現場に売れば売上総利益は100%だから文字通り死ぬほど儲かる、だから現在もついつい手を染めてしまう生コン工場があるくらいだ。隠すから、よくない。きちんと説明して管理して規格外コンクリートとして販売すればいいじゃん、というお話。
生コンのタブーを逆手に取った【サンコン】という生コン
本日は余った生コン「残コン」をきちんと管理して顧客に説明して規格外コンクリート「サンコン」として販売するお話でっす。
生コン業界のタブー「残コン」
残コンの不正使用は生コン業界の闇として認知されている。製造して販売(伝票の交付)された生コンクリートが現場で余剰分(残コン)となって持ち戻されたものをJIS生コンと騙って別の顧客に販売する。「冷飯」(ひやめし)という隠語があるほどに、生コン業界ではタブーとされている。(出典:日経クロステック)
その「残コン」をJIS外生コンとして販売?!
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そんなタブーにJOIS(Japan Out-Industrial Standard)は敢えて切り込もうとしている。「残コン」というと聞こえが悪いが、そもそもちょっと前まで普通に製品としてきちんと管理され販売されていたそれ。顧客を騙すような後ろ暗い手段を講じるのではなく堂々と説明して管理して要求性能を満足した形でJIS外品として販売すればいいじゃん、という発想。
洗い水はRe-con ZERO Spray/CLNを活用
荷下ろしした後にブレードの生コン飛沫(モルタル)を水で洗ってしまうと水セメント比に変動が生じてしまうため、凝結を遅延させるRe-con ZERO SprayやCLN(洗浄力を補助する助剤)を利用するなどの工夫を行う。
Mapecube 60W で品質改善
スランプを伸ばす、あるいは維持する、にもかかわらず圧縮強度が10%程度改善することがわかっているコンクリート用化学混和剤(Mapecube 60W)を2度目の打設前に後添加することなども検討の余地がある。
関連記事:「スランプでは5cm、7日強度では13%以上も伸びました」Mapecube 60W を用いた比較実験
その名も「サンコン」よろしくね
余った残コン3回目くらいまではなんとか再使用できる生コン、という意味も兼ねて、JOISのフロントパーソン大阪兵庫の船尾サンコンにちなんだネーミングといたします。
JOIS(Japan Out-Industrial Standard)では「サンコン」の管理マニュアルをきちんと整備して全国ブランドとして広げていく見通しだっ。
捨てれば膨大な処分コストに迫られる残コンそのまま堂々と売れるってんだからこんなにいい話は他にねえよな?
JOISの生コンブランド「サンコン」爆誕
「みんなで作るみんなのラボ&オフィス」JOIS(Japan Out-Industrial Standard)では今後「サンコン」として如上再販生コンをはじめ、残コンや廃コンクリートにちなんだ安価でカーボンニュートラルな規格外コンクリートのブランディングを推進して参ります。
JOIS
「多様性とコンクリート」令和7年1月31日(金)
なお、規格外コンクリートブランド「サンコン」についてもJOIS技術交流会で発表が予定されています。
「コンクリートをもっと身近に」
引き続き、「伝える」情報発信を通じて産業の透明性を担保してまいりますっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。