2025/01/31
建物を解体した後に引っこ抜いた杭(パイル)の痕を充填したりもしています
解体工事で発生する杭抜きという工程でもCLSM(Controlled Low-Strength Material)が招かれます。落盤、沈下を防ぐために大活躍です。
杭を残さず悔いの無い解体工事にも CLSM 出番です
本日は解体工事の際に撤去される杭の痕(穴ボコ)を埋め戻すのに使われるCLSM(Controlled Low-Strength Material)のご紹介ですぞっ。
解体 杭抜き
こちら、杭を撤去している現場からCLSM(JIS外コンクリート)にお声がかかりました。
杭(パイル)って何?
杭(くい)とは、土壌に打ち込むか、埋め込むことで構造物の支持を目的とする円柱状の部材のことを指します。一般的には木材、鉄鋼、コンクリートなどの材料で作られ、建物や橋、ダムなどの基礎工事で使用されます。杭は地盤の強度や深さに応じて、種類や寸法が選ばれます。主に地盤改良、荷重支持、浸透防止などの役割を果たし、建物の安定性を確保します。特に軟弱地盤においては、杭基礎が必要不可欠で、地震の影響を軽減する役割も担います。杭の施工には専門的な知識と技術が求められ、安全性を考慮した計画が重要です。
なお、解体して用途変更する場合には杭の撤去が求められます。
CLSM登場
杭を抜いたら当然そこには穴ボコが発生する。毎度ご説明の通り、地盤に発生した穴ボコをそのままにしておけば落盤や陥没の懸念が生じる。だから必要とされるCLSMは生コン工場で製造されています。
CLSMって何?
CLSM(Controlled Low-Strength Material)は、制御された低強度材料を指します。主に土木工事や建設プロジェクトで使用される特殊なコンクリートの一種で、通常のコンクリートよりも強度が低いですが、流動性が高く、施工が容易です。その特性から、埋設物や配管の周囲、基礎の土留め、あるいは舗装の下層材料として広く利用されています。CLSMは、地盤改良においても用いられ、軽量であるため、建物や構造物への負荷を軽減する効果があります。また、硬化後も強度調整が可能で、特定の用途に応じて設計されることが多いです。環境への配慮からリサイクル材料を用いることもできます。
水のように入り込んでコンクリートになります
いわゆる生コンに比べて流動性が高いCLSMはちょっとした隙間からでも水のように入り込みそのままコンクリートになります。また、その硬さは程よく周囲の地盤程度にしか固まりませんので落盤、地盤沈下を防止するのです。
そんなCLSMはJOIS(Japan Out-Industrial Standard)で研究・開発・実装が進んでいます。
CLSMもJOISで研究・開発・実装
イワモル配合 | BFS | W | RG S | AD | air | 合計 | |
容量 | ℓ | 17 | 250 | 733 | - | - | 1000 |
質量 | kg | 50 | 250 | 1488 | - | - | 1788 |
「コンクリートをもっと身近に」
杭は法令で撤去するように求められるケースもあるんだねっ。 知らないと困るよね、だから「伝える」情報発信が求められているわけさっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。