2025/04/04
中学生にもわかるようにカーボンニュートラルコンクリートを説明する

今、とある中学校の校長先生(理科担当)から「中学生にもわかるようにカーボンニュートラルコンクリートを説明した資料」の作成をご依頼いただいている。 やりがいのあるお題ということで早速ブログのネタにいたします。
カーボンニュートラルコンクリートって何?
本日は中学生の皆さんにもご理解いただけるようにカーボンニュートラルコンクリートのご説明をしまっす。
コンクリートはCO2(二酸化炭素)をたくさん出している?
コンクリートはセメント(ボンド)に砂、砂利、水を加えて練り混ぜて生コンクリート(タンクがぐるぐる回りながら走る車両生コン車で運ばれます)を経て橋やビルの基礎になります(引用:ねじナビ。)
AIに聞いてみた! 主要原材料セメントができるまで
石灰石(CaCO3)
CaO(セメントの主要成分)
- 石灰石(CaCO3)を1000℃以上で焼成すると酸化カルシウム(CaO)になります。
- 焼成した酸化カルシウム(CaO)に水を加えると水酸化カルシウム(Ca(OH)2)になります。
- 水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が珪酸カルシウム水和物になります。
つまり、石灰石(CaCO3)に含まれているCO2を引っこ抜く(CaCO3 - CO2 → CaO)ことでセメントができることから、セメントを大量に使うコンクリートはCO2(二酸化炭素)を大量に排出しているということになります。
コンクリートのカーボンニュートラル3つ方法
二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、地球温暖化を防止することを目指すカーボンニュートラル社会の実現においてそんなコンクリートは悪者とされていますが現在世界中の科学者がコンクリートをカーボンニュートラルな存在にするための様々な研究が進んでいます。
①そもそもセメントを使わない
セメントが大量にCO2を排出しているのであればそもそもセメントを使わないという手段が考えられます。
写真はセメントの代わりに用いられているフライアッシュという材料です。 pH12.5などの強アルカリの刺激によってまるでセメントのように固まる反応(ポゾラン反応と言います)が始まります(引用:グリーンクリート)。
②CO2を閉じ込めた材料で作る
石灰水にストローを刺してぶくぶく息を吐くと白くなる実験は覚えてますか(引用:あすなろ学習塾)。すでに、AIが示してくれていますが「焼成した酸化カルシウム(CaO)に水を加えると水酸化カルシウム(Ca(OH)2)になります」とあるように、コンクリートはCa(OH)2つまり石灰水なんです。
写真は建設現場で余った生コンクリートを砂利や砂に加工したもので、もちろんコンクリートですから豊富に石灰水(Ca(OH)2)を含んでいることから、大気中のCO2(二酸化炭素)と自然にまたは人為的に反応することでCaCO3(炭酸カルシウム)としてCO2を閉じ込めることができます。 こうした材料はCCU材料(Carbon Capture Utilization)とも呼ばれています。CCU材料を新しいコンクリートの砂や砂利として使うことでその分CO2排出量を抑制することができます。
③構造物として使ってる途中に二酸化炭素を吸収する
また、すでにコンクリートの主成分は石灰水Ca(OH)2という説明がありましたが、道路や橋を支えているコンクリートも二酸化炭素と反応します(Ca(OH2) + CO2 → CaCO3)。こうした反応は空気中から直接CO2を吸収していることからDAC反応(Direct Air Capture)などと呼ばれています。
フェノールフタレイン溶液を噴霧すると強アルカリpH12.5などは赤く着色されますが二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムなどのようにpH9.5など中性化してしまうと着色されません。このように、コンクリートそのものが二酸化炭素を吸収固定する作用を活用してCO2吸収固定をする研究も盛んです。(引用:CDC)
CO2-SUICOMというコンクリートは日本が生み出した世界をリードするカーボンニュートラルコンクリートとして有名です。なんと、静岡県に位置する熱海ビーチラインではテトラポットとして採用された実績があります。(引用:CUCO)
そのままでは大量にCO2を排出してしまうコンクリートですが、
①セメントを使わない
②CO2を固定した砂や砂利など材料を用いる
③コンクリートそのものが使ってる最中にCO2を吸収固定する
3つアプローチでカーボンニュートラルが達成できるんですね。そして、そんなカーボンニュートラルコンクリートは日本が世界をリードしているんです
大阪・関西万博2025でも採用! 日本が世界をリードする
そんなカーボンニュートラルを実現しているコンクリートは2025年4月13日から日本で開催されている大阪・関西万博2025でも見学できます。「水の次に流通する材料」としてみなさんの暮らしを縁の下で支えているコンクリートがカーボンニュートラル(CO2排出差引ゼロ)になることは地球上で最も大きな貢献になることもあり世界中が日本のカーボンニュートラルコンクリートに注目しています。(引用:産経新聞)
「コンクリートをもっと身近に」
カーボンニュートラル社会にも貢献できるコンクリートのことだからもっともっと知ってもらわなくちゃねっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。