2023/05/20
「今度はRC砕石を生コン工場で上澄水散水・乾湿繰り返し養生を行います」
我が国3000以上を数える生コン工場が「地産地消」「資源循環」「活炭素」を実現するためのハブとして新たな役割を果たす。「今度はRC砕石を生コン工場で上澄水散水・乾湿繰り返し養生を行います」について。
上澄水散水・乾湿繰り返し養生
粒状化再生骨材に上澄水で散水・乾湿繰り返し養生を行うことで細孔や表面に炭酸カルシウムを析出させている。
関連記事:「すでに30名超の受付け! 粒状化再生骨材の上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)の散水・乾湿繰り返し養生による炭素量の変化を発表予定」
アスガラ・コンガラ由来の砕石
アスガラ。https://www.ito-syouten.com/rc40/case/post_2.html
コンガラ。https://www.menjo.co.jp/store/detail.php?id=004687
RC砕石は瓦礫類(アスガラ・コンガラなど)を破砕して製造される。https://www.kyowa-ind.jp/column/209/
地元修善寺砕石のRCで実験開始
写真は粒状化再生骨材に上澄水を散布している様子。
生コン工場であれば「捨てるほどある」上澄水は「飽和水酸化カルシウム溶液」。
プレプレウェッティングとプレウェッティング
【プレウェッティング】
軽量骨材などを使用する際に、骨材をあらかじめ散水又は浸水させて
吸水させる操作。
【なにわの合格請負人の一言】
プレ=予め、事前に。ウェッティング=湿らす。です。あらかじめ散水
設備などで骨材を湿らす操作です。とくに軽量骨材や高炉スラグ粗骨材
のように吸水率の高い骨材を使用する場合に重要となります。吸水率の
高い骨材は十分に吸水させないと、骨材内部まで水が浸透しません。そ
のため、使用する1日前には散水するなどして吸水させておく必要があ
ります。
プレウェッティングを行わないと、時間の経過とともに骨材の空隙が
モルタル中の水を吸水してしまうため、運搬中にスランプが低下する
現象が起こります。
軽量骨材や高炉スラグ粗骨材などと同様に粒状化再生骨材やRC砕石は給水率が高いためプレウェッティングが重要となる。そのプレウェッティングも、その前のプレプレウェッティング(炭酸カルシウムコーティングのための散水養生)も上澄水が有効なのではないか。JIC森先生らとのディスカッションで取り沙汰された。https://ameblo.jp/jic1225/entry-11052466871.html
造粒と理屈は一緒「炭カルコーティング」
残コンステーション(ロスコンステーション・動画)では現場で用いられることなく戻ってきた生コン(残コンと呼ばれる副産物は社会問題)を造粒させ原料に変換することができる。造粒する過程で粒度分布は細かい部分(0.075mm U)を失い、グラフの分布としては等しく右側に移動する。つまり、微粒分が少なくなることで吸水率など各種物性の改善がもたらされる。
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/st_7.html
考えてみればこの発想、当社残コンstでRRCS(代表理事・野口貴文教授)ご指導のもと10年以上やっている「粒状化」「造粒」と全く同じことだよね。だって、骨材表面を安定した物質でコーティングするってことだからさっ。そ、そう考えるとだよ、ひょっとすると全国各地の生コン工場が資源循環のハブとして機能する、つまり、地域で発生したコンガラ・アスガラを受け入れて上澄水散水を行い、炭酸カルシウムコーティングすることで品質の安定を図り、生コンやそれ以外の用途として市場に再循環させる。ついでに地域で発生したCO2も原材料として取り込んじゃってね。そんでもって、pH調整して河川放流していた上澄水も再利用できちゃう、クローズドループっておまけ付きでね。
やば、これ。すごいかも。
オワッコーン‼︎
理屈の上ではどんなものでも炭カルコーティングでさながら石灰砕石のように安定した材料にすることができるので面白いですね。地産地消・資源循環・脱炭素3拍子揃った可能性が開かれます。引き続きRRCSのご指導を仰ぎながら楽しく実験を進めたいと思いまっす。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。