2024/10/04
持ってけ泥棒状態のRCやずりが砂金に変わる前に準備をしておきましょう(中間処理業者の残コンst視察)
中間処理業界では名うて企業のFUJIから藤原さんがわざわざナマコンバレーを訪ねて下さった。用向きは中間処理業者らの悩みの種と言っていい、もってけ泥棒状態の RCやずりを砂金に変える方法を習得する、というもの。
持ってけ泥棒の廃コンクリートや残コンを砂金に
残コン由来の粒状化再生細骨材
中間処理業界では名うてのFUJI藤原さんをお迎えして行われた残コンst視察会。 JOISに参画する生コンポータルでは随時こうした見学受け入れを実施しています。写真はバッチャープラントに荷上げされる前の残コン粒状化再生細骨材。
CCUマテリアル残コン粒状化再生骨材
こちら残コン粒状化再生骨材はリサイクルやアップサイクルといった観点のみならず、カーボンニュートラルという点でも再評価が始まっている。
残コンに豊富に含まれる水酸化カルシウム
こちら、テッパンで行われているデモンストレーションでは残コンに豊富に含まれている飽和水酸化カルシウム溶液(上澄水)に呼気(CO2)をぶくぶくさせて炭酸カルシウム(CaCO3)を析出させ白濁させる、というもの。 残コンを高度利用することでDAC(Direct Air Capture)が生じ、それはそのままCO2固定(CCU:Carbon Cature Utilization)材料ということになる。
残コンstで改質される残コン
こちら、残コンを用いたブロックやプールなどで作られた残コンstはICCに設置されてあります。
残コンは夕方まとめて汚水を濾して得られた残渣などと一緒に粒状化加工(セルドロンやre-con zero evoなど薬剤は用いていません)される。
得られた原石を分級することで粗骨材や細骨材、混和材料(微粒分)を製造する。如上の理屈でCO2は固定されCCUマテリアルのいっちょ上がり。リサイクルだけだと売れる理由になりにくいが、カーボンニュートラルがつくと付加価値が生み出される。 この反応は当然のことながらコンクリート解体ガラにも期待することができ、RC価格の下落に苦しむ中間処理業者らにとってはグレートリセットの機会とすることができよう。
生コン工場や中間処理業者の新事業 残コンst
写真は得られた微粉末、こちらに最も多くのCO2が固定されている(最大250kg-CO2/t)。混和材料として使えば使うだけカーボンネガティブとなります。
JOISで交わろう! みんなで作るみんなのラボ&オフィス
箸の上げ下ろしまでけちがつくJIS A 5308 とは無縁のJIS外品(ポーラスコンクリートやリサイクル、カーボンニュートラルなど非構造コンクリート)の市場創造を目的として交流するコンクリート実務家らのプラットフォームJOISでは日夜こうした現場・工場視察など交流が生まれています。
「コンクリートをもっと身近に」
毎日こんな専門的なことでもきちんと伝え続けることが大切ですっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。