長岡生コンクリート
創発により紡ぎ出される
コンクリートソリューション

2023/04/29

「上澄水を用いて散水養生した粒状化再生骨材(RG骨材)の炭酸カルシウム析出(二酸化炭素固定)量測定と骨材の機械的性質の変化」#2

「上澄水を用いて散水養生した粒状化再生骨材(RG骨材)の炭酸カルシウム析出(二酸化炭素固定)量測定と骨材の機械的性質の変化」#2

飽和水酸化カルシウム溶液(上澄水)で粒状化再生骨材(残コン)を散水、生コン車の排気ガス(CO2濃度9〜11%)を利用して効率的に乾湿繰り返しを行うことで人為的に炭酸カルシウムを骨材細孔内に充填することで骨材の性能は向上するのか。



上澄水散水養生開始

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関連記事:「上澄水を用いて散水養生した粒状化再生骨材(RG骨材)の炭酸カルシウム析出(二酸化炭素固定)量測定と骨材の機械的性質の変化」

 残コン女の子

今日はいよいよ始まった粒状化再生骨材の上澄水散水養生の様子をご紹介します。ご存知のように上澄水は飽和水酸化カルシウム溶液ですから乾湿繰り返しで炭酸カルシウムが析出することを期待したものです。エフロレッセンスを人為的に骨材細孔内に析出させるイメージですね。そのことで骨材の吸水率や強度などは変化するのでしょうか。

生コン工場ならどこにでもある

この実験のポイントになんのは、「全部生コン工場にあるものでやる」だな。上澄水も残コンも売るほど、腐るほど、捨てるほどあるから、なんぼでも散水させてなんぼでも炭酸カルシウムを固定化(カーボンネガティブ)できそうだぜ。

 残コン姐さん

上澄水

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汲み上げられた上澄水。カルシウムイオンが溶出している上澄水は緑色に見える。

 残コン女の子

通常スラッジケーキを絞った後の上澄水はpH管理された後河川放流(廃棄)が基本ですから散水のためならいくらでも使えそうです。それに、夏期の暑中コン対策にもなるなら一石二鳥ですね。

残コン

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残コンstのピットに貯留されている残コン。

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残コンstで処理され生成された粒状化骨材。

残コンなんざ売るほど、腐るほど、てか、基本捨てるほどあるからなんぼでも粒状化再生骨材を得ることができるよな。

 残コン姐さん

宮本さんの上澄水散水養生開始

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粒状化骨材に上澄水を散水、乾湿繰り返しを行う。ブランク(二酸化炭素に触れることなく養生された粒状化骨材)と比較して材齢ごとに骨材の性能変化を確認する。

 残コン女の子

「コンクリートではない」という理由から、CPコンソで白石建設の武南さんの提案は安藤間の白岩さんには話題にされることもなく距離を空けられてしまった本取り組みですが、「捨てる神あれば、拾う神あり。」JIC森先生やサンコン、パイセンなどなど、興味を持ってくださっている方も少なくありません。

生コン車の排気ガスで乾かす

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アイドリングストップしていない生コン車の排気ガスの熱を利用して乾かすことで作業効率も上がる。https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/co2_5.html

排気ガスのCO2濃度は9〜11%ってことだから、CO2との反応を促進する効果も期待できそうだ。
特定の材齢で成分分析にかけてブランクと比較すれば炭素量からCO2固定量も計算できるってわけさ。
残コンを媒介して二酸化炭素を再資源化・資源循環できるってのは筋がいいとは思うんだが、CPコンソで扱えなかったのは残念だぜ。。

 残コン姐さん

6月2日にお披露目です‼︎

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見学会日時 : 2023年6月2日(金) 13:00集合 16:00解散

場所    : 静岡県伊豆の国市長岡1068(応募人数により変更の可能性あり)

スケジュール: 1)明治大学・小山明男先生/静岡県東部ご挨拶

        2)CPコンクリート試験施工の現場説明

        3)粒状化処理場見学

        4)分級処理場見学

        5)質疑応答

          解散後、自由参加の懇親会を予定しております

RRCS事務局
(RRCS事務局から会員宛に送信されたmailより引用)


残コンさん、残コン姐さん。「上澄水を用いて散水養生した粒状化再生骨材(RG骨材)の炭酸カルシウム析出(二酸化炭素固定)量測定と骨材の機械的性質の変化」のドキュメンタリーでご紹介、ご苦労様でございます。
成分分析結果についてはせっかくだから6月2日の主題にも関係するところではあるから(粒状化再生骨材の性能向上)公開したいと思いますっ。当日は全国各地から数多くのコンクリート関係者が静岡県伊豆の国市(生コンポータルの本拠地)を訪ねてくれる予定です。白岩さんも駆けつけてくれるらしいので、とっても嬉しいです!久しぶりに楽しく飲み明かしたいな!
オワッコーン‼︎

 宮本

 残コン女の子

ぉ、おわ?
RRCSらの尽力もありJIS化が推進されている粒状化再生骨材ですが、上澄水の散水養生でさらに骨材の性能が向上するなら生コン工場にとってこんなに有益な話はありません。6月2日に乞うご期待ですー。
てめえら、首洗って待っとけよ。残ッコーン‼︎

 残コン姐さん



作者・宮本充也

残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー

未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。

Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。

After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:採石業務管理者/2級FP技能士