2023/04/19
「残コン(RG骨材)を用いて製造されたジオポリをオワコン(造粒ポーラスコンクリート)にしてから上澄水で打ち水・養生する」
あまりSDGsだの脱炭素だのには関心を持っていなかったのだがよくよく考えてみると最強の脱炭素・SDGsであることがわかる。混和剤以外ほとんど全ては副産物で製造されたこのコンクリートの可能性は無限だ。
残コン/ジオポリ/オワコン/上澄水
オワコンをぐり石の代替で採用したガビオン(「エバンガビオン」)は植栽升やガーデンファニチャーetc 様々な用途で活躍している。
「残コン」RG骨材を利用
残コンstで製造された骨材はRG骨材(Returned-concrete Granulated 骨材 ※粒状化骨材)と名付けられ生コンクリートの原材料として配合される。
セメント0kg「ジオポリ」
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/mapecube_geo20230427.html
そのジオポリを「オワコン」に
生コン車のジオポリに「Y弾」を投入・撹拌すれば粒状化され「オワコン」になる。
上澄水で養生・打ち水
生コン工場の上澄水は飽和水酸化カルシウム溶液。
オワコンは造粒ポーラス構造となっており、動画にあるように透水・保水・揚水効果が特長。
ただ、それだけじゃなさそうなんです。実はこのアイディアを大阪兵庫のサンコンさんに共有したところ、「ジオポリのアルカリ供給源としても養生効果が得られるね」という至極真っ当なお返事をいただき、「それだっ」て宮本さん思ったんですね。もちろん、六価クロムなどの影響を考慮しなければなりませんが、そこを打破しさえすれば「資源循環」「カーボンネガティブ」が達成しちゃいます。
そもそもこのアイディアは以前白石建設の武南社長がCPコンソ(RRCS)のお仲間安藤・間の白岩さんに提案したんですが、「コンクリじゃない」ということでにべもなく却下された経緯があるんです。。やっぱり、これはダメなんでしょうか? これからCPコンソとは別にじっくりと検証していきたいところです。。
養生が二酸化炭素固定とアルカリ供給を果たす
半年ほど前CPコンソで評価や取り上げることさえされることなくお蔵入りしかけた本アイディアは「打ち水効果」「養生水」「アルカリ供給」という新たな文脈が実装され検証は進む。https://rrcs-association.or.jp/project.html
さて、こちらのアイディアなんですが、「捨てる神あれば拾う神あり」とでも言いましょうか、CPコンソでは採用されませんでしたが、サンコンさんや武田先生などなど面白がってくれる方も少なくないんです。(「ガビオン、藻場を実装の目処としたRG骨材・GPOC協働について」)
やっぱ武南さんのアイディアっていろんな人が共感してくれるよね!だから宮本さんもガツンと相乗りしようと思ってるんです。「距離を置きます」といっていなくなたてしまう方もいれば、面白がって近づいてきてくれる人もいるから面白いよね。「来るもの拒まず去るものとことん追い詰める」(白石建設武南浩二)という金言に従って楽しくオープンイノベーションしようと誓っています!
オワッコーン‼︎
RG骨材・ジオポリって時点でカーボンニュートラルですが、オワコンのように表面積が大きくてW/Bがそんなに低くないため、含まれている水酸化カルシウムの二酸化炭素固定は促進されやすいはずですから「カーボンネガティブ」うたえそうです。それに、「上澄水」で養生することでアルカリ供給(ジオポリの強度増進)が期待できるのと同時に、大気中のCO2と反応して炭酸カルシウムに変化すればその分そっくりカーボンネガティブです。もちろん、打ち水効果で路面は冷却されますからヒートアイランド現象の抑制なども性能として謳えるでしょう。六価クロムが懸念されますからいきなり社会実装というよりも、プレキャスト製品(ガビオンやILB、平板etc)としてスタートするのがいいかもしれません。CPコンソは残念でしたが前向きに頑張りましょー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。