2023/04/08
「ガビオン、藻場を実装の目処としたRG骨材・GPOC協働について」
「実装は関知致しません。(売名目的で)当方の名前は利用しないでください」自らの研究を中心に考える技術者がいる一方で、「実装1st。市場と顧客をスタート地点」と考える研究者もある。新たに始まる、「ガビオン、藻場を実装の目処としたRG骨材・GPOC協働について」。
GPOCガビオンの各種性能研究
ぐり石の代替としてGPOC(造粒ポーラスコンクリート)を適応したガビオン。https://www.nr-mix.co.jp/owacon/blog/_lumber_1.html
藻場としてのGPOC検討
琵琶湖のヨシ帯再生を目的として,5年10カ月にわたり琵琶湖岸に位置する琵琶湖・淀川水質浄化共同実験センターなぎさ型実験施設において,ポーラスコンクリート植栽基盤を用いたポーラスコンクリート工法によるヨシの植栽実験を実施した.その結果,ポーラスコンクリートの配合要因を,粒径20~13mmの砕石を使用し,空隙率35%,目標圧縮強度8N/mm2,目標ペーストフロー値180mmとすることで,植栽時の運搬・施工性が確保できることを確認した.また,ポーラスコンクリート工法により植栽したヨシの生育状況はヤシマット工法より良好であり,植栽範囲の地盤高の変動がほとんど見られなかったことから,ポーラスコンクリート工法にはヨシの植栽に適しているだけでなく波浪による地盤の浸食を防ぐ効果もあることが明らかとなった.(https://researchmap.jp/takedanaho/published_papers/22446072)
今回宮本は開発中の造粒ポーラスコンクリートを適応したガビオン、または藻場としての可能性を探るために同先生をお尋ねしたぜ。
残コンをそのままガビオン/藻場
現場で余った残コンにそのまま造粒材(re-con zero evo)を適応して造粒させたもの。
ただし、実際に安定した製品供給という観点からは不確定要素の大きい残コンのみを裏付けにすることは難しそうです。
RG骨材・GEO・GPOCの検討
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/100rggeo14.html
RG骨材(残コンを粒状化させたもの)として適応すれば残コンは資源循環に向かうことになる。また、GEO(ジオポリマー)ならセメントを用いないからpHも中性側に抑えられんだろ?
これまで武田先生が専門としてきたPOC(ポーラスコンクリート)に加えてGPOC(造粒ポーラスコンクリート)としての性能を明らかにする研究には実りも大きいはずだぜ。
高W/B(C) 表面積によるCO2固定も?
以前、白石建設の武南さんからこの観点を前提にCPコンソーシアムのお仲間白岩さん(安藤・間)にこちらを提案したのですが「(ガビオンは)コンクリート製品ではない」という理由から採用を見送られた経緯があります。捨てる神あれば拾う神ありですね。
【融合】グリーン・ホワイト・ブルーカーボン
大陸生態系グリーンカーボンと、インフラ生態系ホワイトカーボン(野口貴文教授提唱)の融合としてのガビオン植栽升。
藻場として活用されているPOCはまさに海洋生態系ブルーカーボンとホワイトカーボンの融合ともいうべき提案。https://www.shinkokenzai.co.jp/products/reef/seaweed_reef/porasu_seaweed/
まず、何より先生は「実装1st」を研究の根底に置いていらっしゃるのが素晴らしいと思ったんだ。世の中のコンクリート研究の大半は「研究がスタート地点」で、市場と顧客は二の次。やけに複雑で難解な研究は生まれはするし素人のメディアにはチヤホヤされるものの、結局世界の景色を変える(実装)には至らない。一方、武田先生は、「(リサイクル製品にありがちな)最低限の品質・性能でも適応可能な領域を探す」というスタンスなんだ。市場と顧客が求めていない性能や品質ではなく、とりわけリサイクルやチャレンジングな製品の品質で適応しても問題のない領域であり低品質・低強度でも問題にならない市場と顧客が求めている分野に積極的に提案していこうっていうね。「実装には感知しませんのでそちらで勝手にやってください」とか抜かす研究者がいる一方で素晴らしい姿勢だよねっ。
コンクリートから世界(市場と顧客)のお役に立ちたいと思っている素晴らしい技術者の皆さんといろんなチャレンジをするのがとっても楽しみっ。
オワッコーン‼︎
いろんな人や企業が集まって新しい取り組みが始まる時はいつもワクワクします。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。