2023/07/13
「RRCS残コンステーション視察交流会」(前編・実装現場と改質プロセス)
6月2日台風の直撃により順延となったRRCS残コンst視察交流会の模様を前後半2回にわたってご報告。
残コンst見学会(前半)
まずは、先日日経新聞でも取り上げられていたCPコンクリートの実装現場の様子からですー。
実装現場視察・小山先生挨拶
冒頭の挨拶に立ったのはこの人、宮本さんの先輩・明治大学小山明男教授。粒状化骨材が公に認知を得るために学の立場から残コンstをリードする。
地元生コン組合の実務者からの説明
当該現場では地元生コン組合(静岡県東部生コンクリート販売協同組合)の支援を受けCPコンクリートが納品された。
大成ロテックによるCPコンクリート説明
スパンごとに異なる工法(手引き、機械施工、転圧回数etc)が採用されたCPコンクリートについて説明。
目地なしポーラスコンクリート2種
歩道にはポーラスコンクリートが採用されている。
手前は粒状化粗骨材を、奥側は砕石粗骨材を用いて製造・施工されたポーラスコンクリート(当社ブランド「オコシコン」)。粒状化粗骨材には微粒分が多く空隙がつぶれやすかったため当日の施工管理が難しかったと明かす。
残コンst(薬剤を用いない残コン処理プロセス)
残コンstの視察では「いずれの生コン工場にも必ずある」上澄水の効果を重点的に解説する。粒状化骨材に散水(プレウェッティング)するだけで広大な表面積の細孔や表面に気中CO2を吸収して炭酸カルシウムが析出されることで密度・吸水率が改善されることを説明。
関連記事:「製鉄所のある街で生コン工場がハブとなり果たされるCO2地産地消と資源循環」
薬剤を用いずに残コンを粒状化していくプロセスに熱心に耳を傾ける東北レミコン佐藤大二郎社長。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。