2023/04/12
【イワモル】「生コンスラッジや砕石スラッジ由来の骨材(SG骨材)を原材料とした流動化処理土」
前回紹介したスラッジ由来の骨材「SG骨材」(Sludge Granulated 骨材)は「イワモル」の原材料となる。もはやRG骨材(Retuned-concrete Granulated 骨材)の用途はジオポリマーをはじめ無数に広がっている。さらなる技術開発はSG骨材に向かう。
流動化処理土とは
富士市。流動化処理土夜間打設。製造:伊豆中央コンクリート.LLP、施工:渡正配管工業(10m3。下水ヒューム管埋め戻し。
スラッジから生成される細骨材
SG(Sludge Granulated)骨材。https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/post_576.html
イワモルなら全部スラッジ(生コン、砕石)
イワモルとは?
YNUらとの共同の末に生まれた「イワモル」(命名は細田暁教授)の原材料はRG細骨材(残コン由来の造粒骨材)。
SG細骨材ならもったいなくない
現在、砕石スラッジに石灰・高炉スラグ微粉末を掛け合わせて製造されているSG(Sludge Granulated)細骨材。今後は、石灰の代替として生コンスラッジの使用を計画している。
SG細骨材でイワモルは本格始動
ボイド管に打設され硬化したイワモル。要求される強度は「硬化後重機で掘削できる程度」であるため、細骨材に要求される強度も大きくない。
最近、「オワコン」や「オコシコン」の普及の様子を見ていても思うんだけど、一つのことをしつこくしつこく長年かけて伝え続けるって結構偉大だよね。1〜2ヶ月ではその価値は気づけないけど、5年10年と継続した暁に振り返ると大きい変化が生まれていることが理解されます。
「残コン」もまさに同様です。「残コンは問題だ!」という人はたくさんいるけれど、それを実際に解決、あるいは製品として循環させている例は希少だし、さらにはそれを支える工業規格はまだありません。
それでも、RRCSらの努力の甲斐もあって、RG骨材はJIS規格化への道のりを歩み始めてます。
悲観するのも楽観するのも当事者次第。常に「自分ごと」として周りの問題やリスクをきちんと捉えてこれからも具体的な実践を心がけたいと思います。
オワッコーン‼︎
残コンも、減容されたスラッジも、すべて製品に還元される兆しが見えてます。この兆しをきちんと具体的な形にするためにも。誰もが参加しうるオープンイノベーションが求められます。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。