2023/05/13
「残コンstで製造される粒状化再生骨材は材齢と上澄水散水による乾湿繰り返しでどのように変化するのか」
4月下旬より繰り返されている粒状化再生骨材の上澄水散水養生・乾湿繰り返し。現場からは「塊になって砕くのに多少骨が折れる」(炭酸カルシウムの析出による固化)、「明らかに白色に変色している」(こちらも炭酸カルシウムの析出によるもの)など続々その変化に関する情報が寄せられている。
粒状化再生骨材の上澄水乾湿繰り返し
「上澄水を用いて散水養生した粒状化再生骨材(RG骨材)の炭酸カルシウム析出(二酸化炭素固定)量測定と骨材の機械的性質の変化」#2
字浦(なほ)先生はその経歴の中で数多くのポーラスコンクリート(オワコン、オコシコンetc)の研究をされてきた第一人者さんです。つまり、生コンポータル主宰の宮本さんのライフワークでもある技術をリードする先生なんですね。
以前、「コンクリートではない」ことを理由に白石建設武南さんからの本提案はCPコンソーシアムの白岩誠史さん(安藤間)さんには取り上げてもらえませんでしたが、今回は別枠としてRRCS(代表理事・野口貴文先生)らで展開する大阪万博・ロスコンステーションプロジェクトのご縁を頼りにご相談に伺いました。
毎日2〜3リットルの上澄水を散水・乾燥
@池上信
昨日おっしゃっていた粒状化再生骨材に上澄水を散布して、乾湿繰り返し養生をする実験ですが、もし炭酸カルシウムが析出しているような写真だとか塊となって砕くのにちょっと手間がかかっているのがわかるような写真があれば共有をお願いします。なくとも何らかの共有をいただければと存じます。よろしくお願いします!(宮本)
@鈴木飛悠
こちら写真共有お願いします!(池上)
わかりました!
一度乾燥し切ってから写真の方撮っておきます(鈴木)
ちなみに火曜日水曜日ともに2リットルです。(池上)
ありがとうございます
今日は天気が良いので3L目ができそうです(鈴木)
(※生コンポータル社内チャットから引用)
このような養生や材齢が進行するに従って粒状化再生骨材の炭素量が増えたり機械的特性が向上するんじゃねえかって仮説なんだな。
上澄水なんざ生コン工場に捨てるほどあるから新たに何かを持ってくる(遠くのCO2排出源からわざわざCO2を撒き散らしてどこぞのセンターに運搬して加工する)必要がねえから、自然だぜ。
6月2日RRCSの見学会で「ついでに」発表
RRCSの皆さま
残コンステーション見学会参加者の中間発表です。来週19日締め切りですので、
参加ご希望の方は事務局まで!
土井(xxxxxi@rrcs-asociationor.jp)
寺田(xxxxxxxx@rrcs-association.or.jp)
当日は新幹線・三島駅口ロータリーから貸し切りバスを手配することとしました。
13:00集合で宜しくお願い致します。
(RRCS事務局から会員宛に送付された案内)
宮本さんたちはRRCS(代表理事・野口貴文先生)らが展開するリサイクル分科会(リーダー:明治大学・小山明男先生)のご指導のもと残コンstや粒状化再生骨材の運用に日々励んでいます。現在JIS化も推進されている粒状化再生骨材の機能向上については引き続きRRCSのご指導を仰ぎながら進めていく見込みですー。
興味のある方は是非RRCSにご参画いただき6月2日に伊豆半島にいらしてください。
材齢が進めば白くなる粒状化再生骨材
残コンstで製造された粒状化再生原石をふるい分けて細骨材(左)と粗骨材(右)を生成。
材齢が進むに従って白色を呈する粒状化再生細骨材。
普通コンクリートを造粒して製造したガビオン。
こちらは粒状化再生骨材を100%用いて製造されたジオポリマー(セメント不使用)を造粒して製造したガビオン。明らかに炭酸カルシウムが析出したことにより白色を呈したことが窺い知れる。
CPコンソーシアムでは残念ながらバッテン喰らった本取り組みですが、やっぱり残コンに20年身を捧げてきた宮本さんとしては諦めきれず、ホワイトカーボンの提唱者であり敬愛する野口貴文先生が指揮するRRCSのご指導のもと粛々と本技術の発展に努めております。
今回は上澄水散水養生(乾湿繰り返し)の粒状化再生骨材への影響についてご相談に研究室をお伺いしたわけだけど、兎にも角にも粒状化再生骨材は経時で変化するのは当然のことだし、一般の骨材やリサイクル骨材(再生骨材)などに比べてどのような特徴があるかを明らかにするのは当然のことだよね。
もし仮に粒状化再生骨材の機械的特性が向上したり、時間経過や養生方法によって炭酸化が進行しCCUSが認められればこれは粒状化再生骨材の普及、ひいては残コン問題の解決に繋がるんだからさっ。この僕の念願だよっ。やれることなら全部やるので、是非みなさんこの僕をご指導ご鞭撻くださいますようお願いしますっ。
というわけで、オワッコーン‼︎
粒状化再生骨材の研究は確かに始まったばかりです。まだまだ明らかにされるべきことは山積みですから。「ダメ」とか最初から否定をするんじゃなくて、あらゆる可能性を検討しながら協力し合って前進したいですね。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。