2023/09/28
残コナstさえあれば怖くないばかりか 【もっと欲しくなっちゃう】 スラッジケーキや残コン
生コン工場における厄介者「スラッジケーキ」を原料として良質な原材料を得ることのできるプラント「残コナst」は岡山白石建設に続いて、伊豆半島の生コンポータル(有限会社 長岡生コンクリート)にも実装が進められる。
「残コナst」があれば怖くない「スラッジ」
「残コナst」ではスラッジケーキや残コンから、CCU、アルカリ刺激材、イワモルの主原料、粒状骨材etc..良質な原材料を得ることができるんですー。。
「残コナ」製造方法特許出願中
【請求項1】(方法:基本)
コンクリート製造設備の洗浄水を、スラッジケーキとスラッジ水とに固液分離する、分離工程と、前記スラッジケーキをふるい分け、スラッジ片とスラッジ粒体に分級する、分級工程と、前記スラッジ粒体を破砕して、スラッジ砂とスラッジ粉体からなるスラッジ混合体として排出する、破砕工程と、前記スラッジ混合体から前記スラッジ粉体を分離回収する、集塵工程と、を備え、前記スラッジ粉体の製造副産物として、前記スラッジ水、前記スラッジ片、及び前記スラッジ砂を、それぞれコンクリート製造用の練り水、再生粗骨材、及び再生細骨材として回収することを特徴とする、スラッジ粉体の製造方法。
【請求項2】(方法:振動ふるいで2.5mmアンダーも回収)
前記分級工程において、前記スラッジケーキからさらにスラッジ砂をふるい分けることを特徴とする、請求項1に記載のスラッジ粉体の製造方法。
【請求項3】(システム:基本)
乾燥状態のスラッジケーキをふるい分け、スラッジ片とスラッジ粒体に分級する、分級ユニットと、前記スラッジ粒体を破砕して、スラッジ砂とスラッジ粉体からなるスラッジ混合体として排出する、破砕ユニットと、前記スラッジ混合体から前記スラッジ粉体を分離回収する、集塵ユニットと、を備え、前記破砕ユニットが、前記スラッジ混合体を、前記破砕ユニットより下方の集塵室に落下させ、前記集塵ユニットが、前記スラッジ粉体の落下により前記スラッジ砂から分離して前記集塵室内に浮遊する前記スラッジ粉体を、吸引して回収することを特徴とする、スラッジ粉体製造システム。
【請求項4】(ジオポリマーの製造方法:基本)
請求項1又は2に記載のスラッジ粉体の製造方法における、スラッジ粉体を使いてなる、ジオポリマーの製造方法であって、活性フィラー、前記スラッジ粉体、粗骨材、細骨材、及び練り水を、所定配合で混合し、前記スラッジ粉体を前記活性フィラーのアルカリ刺激剤として用いることを特徴とする、ジオポリマーの製造方法。
【請求項5】(ジオポリマーの製造方法:活性フィラー)
前記活性フィラーが、高炉スラグ微粉末又はフライアッシュであることを特徴とする、請求項4に記載のジオポリマーの製造方法。
【請求項6】(ジオポリマーの製造方法:具体的配合)
配合設計において、前記活性フィラーを前記スラッジ粉体に内割で10~30質量%置き換えたことを特徴とする、請求項5に記載のジオポリマーの製造方法。
【請求項7】(ジオポリマーの製造方法:再生骨材)
前記粗骨材及び前記細骨材が、前記スラッジ粉体の製造副産物として回収した、前記再生粗骨材及び前記再生細骨材であることを特徴とする、請求項4に記載のジオポリマーの製造方法。
(山口特許事務所より)
出願中の「残コナst」に関する特許。
スラッジ投入ホッパー
こちら、スラッジケーキの投入口。
生コン工場の通常は「廃棄物」たる「生コンスラッジ」を投入するところから始まる「残コナ」製造。
インパクトクラッシャで3mm以下に
こちら、ちょっと怖い感じのする「インパクトクラッシャ」では投入されたスラッジケーキが粉々に破砕される。
エアセパレータ(集塵機)で得られる「残コナ」
こちら、エアーセパレーターは破砕中に飛散する粉塵を補修する設備。
出ました、残コナ。こちら、砂、または粉体代替として生コンに配合されることにより、CCUやアルカリ刺激、流動化処理土「イワモル」の原材料として活躍する。
良質な「砂」つまり「残スナ」も手に入る
出ました、残スナ。こちら、インパクトクラッシャで粉々にされてエアセパレーターで補修されなかった残コナの大きい粒径のやつ。これ、お気づきの通り「イワモル」の細骨材として全然使える。他、一般資材(砂)としても全然いける。
西は岡山、東は伊豆に設置「残コナ」st
なお、こちらすでに岡山の白石建設に設置されてある「残コナ」stは、いよいよ生コンポータルの本拠地伊豆半島にも国の補助を受けながら設置が予定されている。
関連記事:【事業再構築補助金グリーン成長枠採択】「カーボンニュートラル社会を実現するジオポリマーコンクリートの製造販売」
「コンクリートをもっと身近に」
今日もとある生コン屋さんと喋ってたんだけど、やっぱりみんなスラッジケーキにはお困りのようですね。僕、言ってあげたんだ「最近、スラッジや残コンが砂金や金塊に見えます」ってね。ちょっと調子に乗りすぎかな?
オワッコーン‼︎
でも、砂を巡って人殺しがあるくらいの時代ですから、「砂金」「金塊」もあながち間違っていないかもでっす。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。