2023/04/06
《残コンステーション》 粒状化骨材(RG骨材)製造システム 【残コンステーション】 について
RRCS(生コン・残コンソリューション技術研究会)らによってJIS化が推進されているRG骨材(Returned-concrete Granulated 骨材)は残コンステーション(大阪万博2025ではロスコンステーションと呼称される)で製造される。生コンポータル(株式会社コンクリート)が推薦する残コンステーションについて。
RG骨材とは?
RG粗骨材(5mm≦)。
RG細骨材(5mm>)。
R:Returned-concrete G:Granulated 骨材の略称で、RRCSらでは粒状化骨材としてJIS化を推進している残コン由来のマテリアルのことです。
こちらは、残コンステーション(以下、残コンステーション)に現場で発生した副産物・残コンを処理することで製造されます。
元が生コンですから、豊富なアルカリ分を含んでいる骨材、ということができるのです、はい。
RG骨材の原石は残コン
残コンステーションで粒状化・造粒プロセスにかけられた残コン。つまり、RG骨材の原石は残コンとなる。
残コンステーションにおける造粒・粒状化プロセスを現地で解説した動画。
ジオポリマーのアルカリ刺激骨材として期待
ジオポリマーコンクリートは、従来セメント+水+骨材で構成されていたコンクリートを、アルミナシリカ粉体+アルカリ溶液+骨材に変えたもので、素材の構成としては粉体+液体+骨材(砂・砂利)と共通しています。
https://concrete-mc.jp/geopolymer-concrete/
RG骨材100%ジオポリマー強度結果
1週強度10.7N/mm2。
4週強度16.7N/mm2。
環境性能はともかく経済性としては、セメントを全量高炉スラグ微粉末に、V骨材を全量RG骨材に代替していることからも、原価鬼安となってるぜっ。
JIS外品はRG骨材ジオポリマーを標準化すれば生コン工場の経営体質も改善されるよな。
RG骨材製造・残コンステーション設置という提案
残コンステーションファクトリは原石・残コンを造粒プロセスにかける。
残コンステーションヤードでは原石を分級し製品をストックしている。
例えば、生コン組合単位で残コンステーションを運用すれば、組合員の残コン問題を解消することができるし、JIS外品として組合独自のブランド生コンのPRにも繋がります。
また、ゼネコンにとっては現場に実装して残コンをかき集めて骨材として生コン工場に製造依頼をすることで、ジオポリマーの適応など、資源循環・脱炭素などの環境性能を強くアピールするきっかけになります。
さらに二次製品工場にとってはそもそも骨材の配合自由度が大きいことからも、近隣の生コン工場から原石・残コンを仕入れて独自性の高いプレキャスト製品を提案できますね。骨材メーカーさんに関しては言わずもがなです。
RRCSのリサイクル分科会(リーダー・小山明男)ではいよいよRG骨材を「粒状化骨材」としてJIS化に向けた取り組みが本格化しており、名実ともに残コンステーションで製造される骨材は今後のメインストリームになる見込みです。
残コンステーションを実装し時代の先駆けになろうっ。
オワッコーン‼︎
新しい原石として今後残コンには注目が集まり、誰もが求めるようになりそうです。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。