2023/08/15
【見学】「残コンstでは粒状骨材、CCUS(炭酸カルシウム粉体)、アルカリ刺激混和材(残コナ)他を製造しています」【無料】
岡山県の白石建設や静岡県の生コンポータルでは日々進化する残コンstが稼働している。今回は粒状骨材の他に、CCUS(炭酸カルシウム粉体)やアルカリ刺激材(AAMs専用混和材)すら製造されている最新の残コンstについてご紹介。
残コンstの製造品目一覧
残コンstの概要を示した動画では流動体「残コン」がどのように加工・処理されていくかを説明している。
粒状骨材(RG骨材)
分級され砂・砂利としてストックされている粒状骨材。全ては残コン(や残渣)を原料として製造された再生マテリアルだ。なお、RRCSリサイクル分科会(座長は明治大学小山明男先生)では粒状骨材のJIS化の推進には国費が当てられている。
上澄水散水養生でさらにCCUS(炭酸カルシウム粉体)
分級される前の粒状骨材に上澄水(飽和水酸化カルシウム溶液)を散水し乾湿繰り返し養生を経ることによって気中二酸化炭素を活用して析出した炭酸カルシウム(右)は振動ぶるいや集塵機で粉体として得られる。
なお、この粉体はCCUS(炭酸カルシウム)として資源循環・脱炭素を意識したコンクリートに配合されることで炭素固定量(CO2固定量)がカウントされる。
スラッジケーキから「残コナ」(アルカリ刺激混和材)
残コンstにビルトインされる本設備ではスラッジケーキを加工して粉体化させることが可能。無論、粒状骨材からCCUSの抽出も合理的に行われる。
「残コナ」と名付けられたこちらのパウダーは強アルカリを呈しており、すでにアルカリ刺激材として十分な効果が実証されている。
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これまで「ゴミ」だったものからマテリアルが産まれる
粒状骨材(粗・細)、「残コナ」、CCUS(炭酸カルシウム)など、残コンstから生成される各種マテリアルに他産業の副産物(例えば、高炉スラグ微粉末などSCMs)を結合材として配合すればコンクリート(写真)が製造できる。つまり、「SCMsさえ調達すれば、ヌテコン、オワコン、オコシコン、土間コン、先送りモルタルなどなど、JIS外品の生コンクリート製造が可能」だ。
毎月第1土曜日は無料懇親会つき定例体験会!
生コンキャンプでは随時見学受け入れのほかに毎月第1土曜日定例で無料懇親会つき体験会が開催されている。
なお、開催場所滞在型ラボラトリkr(伊豆の国市長岡925)にはゲストハウス(宿泊施設)が整備され滞在も可能となっている。
「近い将来必ず残コンを奪い合う時代がやってくる」
これ、予言というよりも断言としておきます。間違いありません。絶対です。この変化を呑気に見過ごしていたら実にもったいないよっ。もしも興味・関心があるのなら、blgや動画を遠巻きから眺めてるだけじゃなく、足を運んでみたらいいと思います。僕たち生コンキャンプが起こしていることは本当にすごいと自負しているからね。
オワッコーン‼︎
確かにこれまで厄介者だった残コンが一夜でチャンスになってしまうんだから衝撃的ですね。それも、どこか遠い世界の無関係のお話でなくって、どこにでもある生コン工場で起きている出来事ですから。。
生コンキャンプではみなさんの積極的な参画を大歓迎していますー。
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。