2024/01/21
「各国、各地、各社それぞれにそれぞれの進化を見せる残コンst」MAPEI
80カ国に展開するMAPEI最大の工場はミラノ県メディリアに位置する。HQでディスカッションを終えた一行は工場で行われるMAPEI版残コンstの視察を行なった。
全自動MAPEIの残コンst
MAPEIメディリア工場見学
プラントの脇に所狭しと並ぶ世界中に配送をされる製品の山。
HQでのディスカッションを終えた一行はミラノ市内から20分に位置するMAPEI最大の工場での残コンst視察に訪れる。
MAPEI残コンst デモ見学
こちらが白石建設の方式を参考にして開発されたMAPEIの残コンst全景。設備は、受材ホッパー(残コン投入口)、連続練りミキサ、ベルトコンベアと続く。
早速デモンストレーション。めっちゃ柔らかい生コンは実際の「残コン」を想定したもの。はて、このビシャビシャの残コン、この後どうなる?
【参考】イタリアの生コン車
PANICOと大書された生コン車のドラム。意味は「パニック」と生コン車あるいは社名か、このようなネーミングをする日本人はなかなかいなかろう。「オワコン」も真っ青である。
なんと、エンジンの操作までリモコンで行っている。 もしかしたら宮本さんが知らないだけかもしれないが生コン車の操作についてはイタリアの方が簡単そう。
秒でパラパラMAPEIの残コンst
さっきまでシャバシャバだった生コンが秒(までもかかってないかもしれない)瞬時に粒状骨材に変化してベルコンで移送されている。
現地で開発を担当したアルベルト・ブロッキから造粒材re-con zero EVOが供給される仕組みの説明。
Re-con zero EVOがストックされているサイロにはノッカーが設置されており一定量が自動的に供給されるようになっている。
見事パラパラに造粒された残コンはここから振動ふるいにかけられてピーリングプロセス(粗骨材の周囲に付着しているモルタル分の除去)にかけられる。そのようにして、H骨材並の品質の粗骨材と細骨材、さらには微粒分(集塵機)を得ることになる。
アイルランドやシンガポールで売約済み
なお、MAPEI残コンstでは全て全自動で作業ができるため、トレーニングされたオペレーターが一人(構内作業を兼ねた人)残コンの処理に立ち会うだけ、ワンマンコントロールで原材料が得られる。
開発を担当するアルベルト・ブロッキによればアイルランドやシンガポールなど、すでに本システムの導入をきめた生コン工場もあるそうだ。
残コンst更なる分化・進化へ
なお、日本で検討されている砕石プロセスやバッチャープラントを応用して自動的に残コン由来の原材料を得るプロセスについても共有された。それぞれの環境条件に応じたそれぞれの残コンstが分化・進化を遂げていく。
「コンクリートをもっと身近に」
大切なことは、自分以外の誰かや他人のやっていることにああでもないこうでもないとチャチャを入れたり妨害したりするんじゃなくて自分の専門分野において最大限の貢献をひたすら行うことです。 盟友MAPEIの残コンstを見て交流の果てに生み出されたアウトプットに感動を禁じ得ませんでした。 やっぱ、MAPEI最高!本物ですっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
残コンステーションによる地域資源循環・脱炭素フロー
未利用資源「残コン」の高度利用を地域や組合単位で取り組むことで資源循環・脱炭素といった地域の課題を打破しつつ新たな付加価値(富)を創造する。地域や生コン組合主導の残コンステーションという提案。
Before:従来、建設現場で余剰となった生コンクリート(残コン)の大半は資源循環されることなく現地の中間処理業者らの手に委ねられあるいは最終処分場で埋め立て処分となっている。
After:一方、残コンステーションを実装した地域(生コン組合)では未利用資源として再定義され、廃棄されることなくフローチャートのように循環し、その過程で残コンやスラッジ水は「アルカリ刺激効果」を有し、CCU(Carbon Capture Utilization)材料としても脱炭素コンクリート(CNコンクリート)に貢献しうるマテリアルとして地域内で無限に循環し付加価値を生み出すことになる。