2022/06/27
「1級舗装施工管理技術者試験を受験しました」(週刊生コン 2022/06/27)
昨日(2022/06/26)1級舗装施工管理技術者試験を受験しました。本資格は僕にとって「コンクリート」「施工」に関する資格の最後となります。もはやこれだけ難関資格を多数保有する僕は資格受験のプロとすることができます。そんなプロから見た1級舗装施工管理技術者、あるいは舗装とは。
令和4年度1級舗装
「庭コン・生コンポータルの宮本さんですよね?」
ワンチャンお声がかかるかと周囲をジロジロ眺めながら歩いていたが、誰からも声がかからなかった。
「ええ、まあ。ただ、今日はプライベートなんで」
返事まで決めていたのに。
なんとも開かれていない閉鎖的な資格試験である。
しかも、気づいたことに、受験生の持っているテキストが全部一緒ときている。
無論、僕もそのテキストで学習をした。
そんな資格試験てあるんだって感じで、確かに学習にあたってはインターネットを開いても全然情報が得られないしずいぶん苦しんだ資格だった。
世間に開かれていない技術分野という意味では、コンクリートのそれを凌駕しているかもしれない。
つまり、コンクリートならアスファルトをやっつけることがそれほど難しくないってことなのかもしれない。
資格のプロ 宮本充也 が見た舗装施工管理技術者
1級舗装施工管理技術者試験は午前9:30〜の一般試験(択一式)と午後1:30〜の応用試験(記述式)で構成されている。
毎日ブログ3本以上更新の僕にとってはものすごく迷惑な時間設定。
貴重な午前中をまるっと奪われる。
しかも、前日は(まあ、自業自得だけれども)協業している舞台俳優・菅野貴夫さん(透水宣言やマニュアル動画でお馴染み)が出演する舞台を仲間たちと観劇していた。
⚫︎参考:JACROW 「鶏口牛後」
舞台が終わったのが21:05だったが、やっぱ仲間たちや出演してた菅野さんと振り返りしたい(飲み会)ってこともあって、ホテルに戻ったのは24:00を回っておりました、毎度。
で、眠たい目を擦りながら06:00起床してタクシーが見つからず苦しみながらも這々の体で会場の早稲田大学まで辿り着いたのだったが、今度はそこから「喫茶店が見つからない」という不幸に見舞われ、徘徊の末マックに辿り着く。
マック、ありがとう。
マクド、ありがとう。
会場09:00前までマックでチョッパヤでブログを3本書き殴りSNS更新作業まで済ませて会場に入りました。
一般試験(択一式)
資格試験に挑戦する人なら最低でも過去問6周はすべきだと思っている。
御多分に洩れず、僕も過去問を6周以上ジョギング的な感じで無理せず走りました。
あと、コツがあって、試験当日は絶対に緊張しているから、最終問題から回答することをお勧めしている。
これまでの資格試験の経験から、出題者の傾向として「最初に難問をぶっ込んで受験生のモチベーションを削ぐ」ように問題はできているからだ。
間違いない。
事実、今回も最初の1ページは「見たことありません」ってワードが目に飛び込んできました。
はい。
無視無視。
さっさと最後のページを開いて、逆戻りする形で黙々と回答を始めました。
結果、自己採点で恐縮だが、およそ9割は正当できたと自負している。
1時間経過10:30には常なることだが最初に挙手して退室。
近場のカフェを探し当て、そこでアイスティー(ディンブラ)を飲んだりハムチーズトーストを齧ったりしながら記述式の最終チェックをして過ごす。
応用試験(記述式)
13:30から始まる応用試験は、論文(経験記述)と記述式で構成されている。
学習で過去問を6周以上ジョギングすれば、応用問題はこちらも過去問を3周記述回答(読むだけじゃダメ)してじっくり解説を読むことで、一般問題の理解の補足にもつながるのでお勧めだ。
まただめおしで、それほどのボリュームもないから折に触れてその後も読み返しておくといいだろう。
今回の記述式問題は過去問を学習していたとしても回答が難しい「ダレ試験の実務」「i-Constructionとトータルステーションのメリット」にまつわる問題があったため、そこはさほど自信がないが、それ以外の問題は全て過去に類似問題が出ていたため、サクサク回答できた。
自己採点としては、70〜80くらいの水準を確保できたと思う。
ただ、少し不安げであるため、合否を左右するのは経験記述となる。
以下は、実際に回答した経験記述の内容である。
工事名:正蓮寺境内ロータリー新設他工事
工期:2020年6月1日〜2020年8月
発注者:正蓮寺こども園
主な工種:ポーラスコンクリート舗装表層・路盤工
施工量:534.8m2
立場:工事主任
①
こども園・境内の舗装工事で、裏山から流入する雨水排水と、夏場園児らが裸足で水遊びをする目的もあり、ポーラスコンクリート舗装が指定された。
機械施工が不可能であり、人力施工における平坦性が課題となった。又、梅雨であることから工期内完成が懸念された。
施工にあたり、特に次の2点に留意した。
1) 表層部の平坦性2.4mm以下の確保
2) 気候の急変に対応するための工程管理
②
1) 表層部の平坦性2.4mm以下の確保。
人力で平坦に仕上げる必要があったため、余盛も含めた高さの型枠兼ガイドレールを設置し、定規(角材)での敷設における高さの目安とした。また、敷設から締固めまでの時間が短い為、2名増員して作業精度を下げることなく仕上げを行った。
2) 気候の急変に対応するための工程管理。
転圧コンクリート舗装は養生が不要であることを活かし、生コン工場が比較的ゆとりのある時間帯(午後)を舗設時間としこまめな連携に留意することで、舗設時間帯以外の時間を路盤工などに当て、手待ちを回避するなどの工程管理をおこなった。
③
1) 人力作業による平坦性確保の対策の結果、検査では2.1mmとなり、目標の2.4mm以下を確保できた
2) 生コン工場との連携をおこなった結果気候の急変に対応ができ、工期内完成ができた。
前回合格していた造園施工管理技士の際にも利用した工事現場で舗装をメインに据えて書き直した形だ。
事前にパイセンにガンガン添削していただいて「スッキリしてとてもわかりやすい経験論文になりました! 」と太鼓判を得ていた。
90以上は見込めるんじゃなかろうか。
万が一記述式回答で60を割り込んでたとしても、なんとかこちらで挽回できるはずだ。
合格発表は10月26日
⚫︎受験番号:122030315
さて、総括となるが、1級舗装施工管理技術者試験はひとことで言うと「学習が非常に難しい資格」とすることができると思う。
とにかく閉鎖的。
例えばコンクリートに関する調べ物をすると、cmc(會澤高圧コンクリート)を始めとして数多くの記事に触れることができる。
一方の舗装は論文関係は出てくるものの、コンクリートで言うところの「ASRとは?」みたいな専門用語を入れても一向にブログや解説記事が見当たらない。
コンクリートの場合は、マジでいろんな人が参画している感じが検索画面から伺うことができる。
これが産業としての流動性をそのまま示しているんだと思う。
で、そんな資格試験であるからして、会場に入った瞬間の僕の印象としては「楽勝。ポンコツばっかじゃん」と言うものだった。
なんと言うか、依存的というか、みんな仲良くお友達と受験に来ました、みたいな痛い感じの受験生ばかりだったのである。
世間が狭そうな顔ばかりだった。
て言うか、万が一僕がこの資格に落ちたら、上記に示していたアレコレは一体どうなるんだろうか。
まあ、良い。
その時は結果をそのまま受け入れよう。
舗装と言ってもまだまだ奥が深そうだし、パイセンやオクドの藤森さんだったり、身近な先生は結構いらっしゃる。
長く勉強する対象としては非常に面白いことは間違いない。
最後に、真面目な話、舗装に関して広範な知識を習得しているコンクリート技術者って、実はあんまいない。
みんな、建築や土木のことはそこそこ齧っているからいろいろ話せるんだけど、こと舗装となると口が止まる。
全然畑が違う感じだからだ。
そもそも、コンクリート診断士の試験には舗装コンクリートのことなど一切出題されていなかった。
て言うか、今もそうなのかな。
やっぱ、アスファルト:コンクリートの舗装専有率95:5は伊達じゃねえ。
文字通りだって感じだ。
そう考えると、裏を返せば、コンクリート×舗装という分野で覇を唱えるのは比較的簡単、ってことになる。
昔から僕は「勝てるフィールドで戦う」って決めている。
建築×コンクリートって考えたら、もう、頂上が果てしなく遠くて登ろうって気が失せる。
一方、コンクリート×舗装って考えるとどうだろう。
誰もいないのである。
身近なパイセンやオクドの藤森さんにしたって失礼な話僕の方が知っている自信がある、コンクリートに関してはね。
さて、ここから、僕はどこに向かうべきか。
僕にとって資格試験は「マニア」ではなく、専門知識を学習するための手段だ。
技術論文を書いたり研究したり特定の分野の知識で博士になる事が目的ではない。
そう考えると、次は「環境」「再生」「リサイクル」ってのがキーワードになるのだろうけれど、ざっと見渡す限り、あんまちゃんとした資格がないって印象。
舗装で考えるなら、無難に舗装診断士ってことになるだろう。
ただ、おそらくはコンクリート舗装に関する診断ってほとんどないんだろうな。
一応調べてみるけれども。
最後になるが、やっぱ半年以上とか1年とかそれなりの時間を犠牲にして向き合った資格試験ってのはやっぱり当日を迎えると震えます。
逃げたくなります、今でも。
それでも、それに打ち勝って手にする「合格」って味は何事にも変え難い。
無事合格になれば、コンクリート主任技士>コンクリート診断士>1級舗装施工管理技士>1級建築施工管理技士>1級造園施工管理技士>2級エクステリアプランナー>1級舗装施工管理技士と総ナメにしたことになる。
同じ組み合わせでこれら資格をとっている人って多分僕くらいなもんじゃないだろうか。
さらに高みへ。
学習ってのは終わりがない。
早速今日からもまた勉強の日々が始まろうとしている。
頑張れ、受験生。
宮本充也
※あ、今回は福井の目立ちたがりポンプ屋と横浜の転職豚野郎の悪口書くの忘れてた。オワコンてことか汗。
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
コンクリートをもっと身近に「生コンビニ」はこちら