2022/07/17
【愛知】「電気炉酸化スラグや電気炉還元スラグができるまでを視察」星野産商 #1
電気炉酸化スラグ(還元スラグ)をオワコンの原料として検討したい。星野産商星野社長や鶴山専務とのご縁はコンクリート界の生ける伝説・長瀧重義に遡る。以前先生からご紹介いただいて、さまざまに協業させて頂いてきたが、今回は鉄鋼メーカーで実際に電気炉酸化・還元スラグができるまでを見学させていただいた。
電気炉と高炉で作られる鉄鋼
写真じゃなくちょっと文字が続くので恐縮だが、自分自身初めて知ったのが恥ずかしい。
鉄鋼の作り方には大別して2つあるって事実。
高炉で作られる方法は知っていたが、電気炉という形式があった。
元々言葉としての「電気炉酸化スラグ骨材」という存在は知っていたのだが詰めが甘かった。
「そもそも、電気炉って何?」のホワイが抜けていた。
で、今回星野産商鶴山専務からのお声がけもあり、星野社長直々のご案内でその電気炉で鉄鋼を作るリアルを見学することができた。
ちなみに、電気炉酸化スラグを製造する工程以外は撮影を許可いただけなかったため、文字で説明する。
スクラップ(屑鉄)をアークで溶かす
言葉で言うと、「ディズニーとかユニバのアトラクションよりすごい」っていえば伝わるだろうか。
目の前で巨大な鉛筆の芯から雷が轟々と閃きそれを1時間かけてやってると鉄が溶けるのだという。
壮観、と言う言葉はまさにこの光景のためではないか。
すげえ音。
すげえ迫力。
衝撃半端ない。
溶鋼と不純物(鉱滓=スラグの溶けたスラグ)を分ける
その屑鉄をいわば調理している器(なべ)には2つの出口がある。
出鋼口と出滓口だ。
鉱滓の方が密度が小さいため上澄水みたいな感じ、ホエイみたいな感じで溶鋼と容易に分けることができる。
で、溶鉱滓(スラグの素)はここで除去される。
溶鋼は次の工程となるが、ここからは高炉で製造される過程とほぼ同じだそうだ。
つまり、鉄を作るときに「高炉」でやるか「電気炉」でやるかが違い。
後は全部一緒。
電気炉の方が発生する二酸化炭素が少なく省エネルギー
轟々と雷で鉄屑を溶かす方式である電気炉であるがその工程で消費される電力はなんと一般過程の使用電力1年分だそうだ。
うおっ。
1年分。
と思いきや、石炭や石油(?)をバンバン燃やして製造される高炉よりも発生する二酸化炭素も必要とするエネルギーも少ない。
だから、現在高炉は畳まれ、電気炉に注目が集まっているという。
溶けた鉱滓はパンと呼ばれる器に移される
この迫力。
シュワちゃんがI will be back.と沈んでいきそうな迫力である。
隣にいたパイセン(大成ロテック)が自撮りしてたもんだからつい僕も釣られて自撮り。
わかるでしょ?
テーマパークよりも全然すごいって意味が。
パンの中に満たされた溶鉱滓に水を吹きかける
これもなかなかの迫力。
水蒸気爆発が起きさながらロウリュである。
ロウリュの親玉か。
これ、ワンチャン「サウナ」として営業もアリかもしれない。
で、これが冷えて固まった鉱滓だ。
つまり、電気炉酸化スラグの素。
これ見てて思ったんだけど、それを原石として捉えればいわゆる骨材屋さん工程と全く同じってことになる。
電気炉が原石採取場所って感じ?
クレーンで釣って斜めにすると自由落下する原石
そんな原石としての鉱滓は自由落下で割れる。
いろんな大きさに割れるが、大きいもので人の頭くらいあるものもあるという。
原石と同じか。
その原石としての鉱滓を星野産商では「買い取って」(原石だから当然か)自社の骨材製造所へダンプで運び込んでいるそうだ。
これ、撮れ高がすごかったため、ブログを分けることにする。
流石にこのブログで全部紹介しちゃったら、毎日3本やろうとしてはきついものがあるからだ。
ところで、お話を伺っていて「?」と思ったことがあった。
高炉スラグにはあるけれど、電気炉酸化スラグにはないもの。
なんで電気炉酸化スラグ微粉末ってないの?
引用:https://www.jfe-mineral.co.jp/business/iron_and_steel/ground_granulated_blast_furnace_slag.html
こちら、僕たちからしたらおなじみ「高炉スラグ微粉末」だ。
セメントの置換材料として古来用いられている。
また、最近では僕もオクドさんと協業させていただいているゼロセメントコンクリートでもセメントを一切使わずこちらが全量結合材として採用されていた。
他にも、有名なところでは竹中工務店らが展開するECMコンクリートでもふんだんに用いられている。
「鉄の溶かし方には電気か火力かの違いがあるけれど、そこから先の工程はほぼ一緒」
あれ?
電気炉酸化スラグ微粉末もワンチャンいけるのでは?
SDGsやら脱炭素やらで時代の追い風も吹き荒んでいるし。
でも、ググってみたところではその辺の研究はあまり活発ではなさそうだった。
もしかしたら化学成分の三相構造が異なりSCMとしては利用価値がないのかもしれない。
これ、誰に聞けばいいんだろう。
あ、いろんな先生知ってるからその人たちに聞けばいいんだ。
もしこのパウダーが結合材として利用できるのであれば。
高炉スラグ微粉末よりも余程有効な結合材として採用できるジャンである。
と言うわけで、2本目のブログが完成を迎える。
毎日ブログを3本書いているのである。
今朝はルーティーンが4回転しちゃったので押し気味なのだ。
この後は蕎麦でも食べに行ってから工場に立ち寄ってkrに再び戻り3本目にチャレンジすることとしよう。
3本目はいよいよ電気炉酸化スラグ骨材が出来上がるまでについて。
それではまた次回!
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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