2022/03/21
「建築、土木と心中する必要はない。社会のあらゆるニーズに関わり合いを持つ生コン産業について」(週刊生コン 2022/03/21)
「防草」というこれまで全く考えもしなかった用途を推進していると気づくことがある。電気・水道・生コンは人々の暮らしにとってなくてはならないものならば、既成概念にとらわれることなく社会全般のニーズとつなげると見えてくるものがある。(週刊生コン 2022/03/21)
生コン低迷ってほんとにほんと?
⚫︎先週の記事1: 【愛知】「安心して!毛受ブラック(オワコン)は固まって乾いたらやっぱりグレーでした」毛受建材
⚫︎先週の記事2: 【千葉】「金鳥の夏からオワコンの夏へ。雑草・蚊・水たまり 《お庭の3大困った》をオワコンにしましょう」安藤産業 多古生コンクリート工場・DIY
⚫︎先週の記事3: 【埼玉】「より長持ちする防草材 & コストメリット」渋谷建材
⚫︎先週の記事4: 【埼玉】「家周りの雑草対策は現在、防草シート下地に砕石敷きという常識(思考停止)を社会は受け入れている」渋谷建材
「建築」または「土木」という用途制限に陥るコンクリート産業
人口減少社会であれば当然人々が暮らす建物(建築)や経済を支えるインフラ(土木)の規模もそれだけ縮減していく。
だから、「コンクリートは斜陽産業。低迷は仕方ない」これは果たして正しいのか。
業界団体ではZENNAMAが以前から「適材適所」を旗印にコンクリート舗装普及指針を唱えてきた。
「舗装に生コン使ってください」いわゆる、発注官庁のお礼参り・お願い営業だ。
それらは実際セメント新聞・コンクリート新聞など業界内の新聞をはじめ、建設系新聞ではそれなりに話題となる。
一方現実はというと、未だアスファルト:コンクリートの舗装専有率は95(As):5(Con)と成果は見られない。
湯水の如く時間と予算と手間が当てられた業界を挙げたキャンペーン「1DAY PAVEどこ行った?」。
金と時間の無駄遣いとしか言いようがない。
引き続き地方の生コン工場の現実は厳しい。
低迷するとはいえ、なくてはならない建築・土木を支えるべき生コンクリート産業は引き続き疲弊し続けている。
産業全体の視点からすれば、「建築や土木が自らの土台を削っている」ということができる。
この先には負の循環しか想定できない。
生コンポータルではここ20年舗装コンクリート(透水性コンクリート「ドライウェイ」「ドライテック」)を事業として推進している。
すでによく知られているように、インターネットマーケティングに舵を切ってこっち、政府統計など公の資料には出てこないコンクリート舗装は順調にその領域を広げている。
このように民間企業や中小企業らの連携は無視されがちであることがこのことからもわかる。
コンセプトはZENNAMAと同じく、建築 or 土木 に制約されない新しい市場の探求としての「舗装」の実践だった。
するとここにきて不意に想定していなかった現実に出会う。
普段競合関係にない、「防草シート」「砂利敷き」「砂利ズレ防止材」といった分野で「生コンクリート」が急激に加速しているのだ。
⚫︎先週の記事5: 《DIYの落とし穴》「砂利飛散防止シート・マット、砂利ズレ防止材とオワコン(雑草・ぬかるみ・水たまり対策コンクリ)徹底比較」 防草シート下地に砂利敷き
これまで考えもしなかった「防草」という分野で生コン工場の貢献が求められるようになったという事実だ。
自分の価値は自分で決めるもんじゃない。唯一絶対の評価者は市場と顧客
⚫︎先週の記事6: 「カインズでは以下の店舗で4月上旬からオワコンお買い上げいただけます」
例えば、モノタロウ、エクスショップ、カインズなど小売店との関係性は多くの気づきをもたらしてくれる。
生コンの市場は建築 or 土木 と凝り固まった発想をもみほぐしてくれる。
店頭・HPに並んでいる商品群は実に多様。
そこに我らが生コンクリートが連なる。
市場と顧客は特定の期待価値を抱いて商品を注文をする。
その期待価値はもしかしたら僕たち生コン工場が考えているものとは全く異質のものであるかもしれない。
まさに、上述「防草」が開いた現実はそういうことなのだ。
自分の価値は自分で決めるもんじゃない。
唯一絶対の評価者は市場と顧客。
⚫︎先週の記事7: #JISを変えよう 「万博に使用する生コンクリートの種類を少なくしよう」船尾サンコン
⚫︎先週の記事8: 《生コンロスカレー》「電気・水道・生コン。建築・土木に拘らず《食品》《衣料》など多様な用途を模索しよう」
そのように考えると、僕たちが考えていなかっただけで、市場と顧客は生コンクリートに対して「衣類に抱いているような期待」をかけているのかもしれない。
あるいは、生コンクリートに食品としての性能を期待しているかもしれない。
それは、あなたや僕には到底わからないことだ。
「断じてない」と決めつけることはできない。
これまでも多くの「断じてない」「あり得ない」を打破して生み出された数々のイノベーションの歴史を振り返れば自明だ。
上流産業「建築」「土木」に付き従って恭順に働くだけではなく、一歩下がって建築・土木を含む社会全体を俯瞰してみる。
もちろん、どこから眺める「生コンクリート」という視座から離れてはならない。
すると朧げながらに浮かんでくるさまざまな可能性。
ラーメン、カレー、はたまたTシャツ...etc。
入職したて20代の頃に業界の先輩職員から耳タコで聞かされてきたこと。
「生コンは自ら市場を創造することはできない」
だから、常に主従の従として「JIS A 5308」「独占禁止法適応除外」2つのルールブックにお行儀よく繋がれてなければならない。
当時は「そんなもんか」と思っていた。
一方、RRCSやGI基金など、発注・設計・ゼネコン・生コン・メーカーがシームレスに関わり合う空間ではこれまでにあり得なかったような出来事が生まれ始めている。
生コンは自ら市場を創造することができる。
WEBマーケティング、そして防草材「オワコン」を通して僕たちは確信している。
縦・横で分断するのではなく、生命体・有機的に人々が関わり合うことで、新しい可能性が自然に生まれていることを僕たちは知っている。
生コン工場は飽和水酸化カルシウム溶液の宝庫という発想を石田哲也先生に以前教わりました。
例えば、坂田さんに教わったエコタンカルもそうですが、炭酸カルシウムにしてしまえば汎用品であるためいくらでも用途は広がりそうですね。脱炭素の文脈にも添いますし。いろんな立場(建築・土木・研究・製造・その他全く別の業界の人)が互いの立場を尊重しあって協働していれば、誰か特定の力を必要とせずに自然と循環が生まれ成果物が生まれるような気がしてます。まるで、生態系のような産業システムができるんだと思います。(「残コンさんいらっしゃい!」LINEグループでのコメント)
循環が生まれはじめている。
その中で、僕たちにできることは、生態系の一員として環境を感じ、自らや組織またはそれら連携に変化を促すことなのだと思う。
生コンの用途は無限大だ。
低迷なんてまやかしだ。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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