2022/07/26
【伊豆】《故郷に恩返し》「世界一有名な半島」 創発で描かれるストーリーが始まっている #5
伊豆半島の真ん中に位置する伊豆の国市の首町を訪ねたのはほんの先週。早速市長から関係部署に連絡が入り市内の舗装可能な候補施設の選定が始まった。どこもかしこも僕達に馴染みのある場所ばかり。「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」が伊豆の地面を冷やして癒す。
動き出すプロジェクト #世界一有名な半島
⚫︎参考記事:【伊豆】《市長訪問》「世界一有名な半島」 創発で描かれるストーリーが始まっている #4
翌朝、市長から関係部署に連絡が入る。
以下は、生コンポータル池上さんからのメッセンジャー共有。
@宮本 充也
伊豆の国市建設課渡邉課長より昨日市長訪問の件で一度打ち合わせさせてほしいとのご連絡がありました。渡邉さんは私のパイセンで家族ぐるみのお付き合いがある方です。都市計画課には渡邉さんから課長に話をするとのことです。9月議会が始まるとバタバタするので8月中旬くらいまでに打ち合わせをさせてほしいとのことでした。何日か候補日を頂きたいとのことです。
(生コンポータルメッセンジャーから引用)
僕の悪い癖で、興奮して突っ走る割に、こうした具体的な打ち合わせを忘れる、すっぽかす癖がある。
夢追いかけるの好きだけど、具体的になってくるとやる気がなくなるってやつ。
池上さんから共有された時間すでにお酒の入っていた(反射炉ビアスタンド)。
そのため、駅前に置いた社用車と共にその連絡のことも昨日まで完全に忘れていた(駅前のコインパーキングに車が置いてあったことに昨日気づいた。田舎でよかったですまじで)。
しずぎんの増田さんと別件で喋ってた時に「早速市も動いてくれたそうですね?」と言われ、「へ? そうなんですか?」と返答。
で、池上さんに早速電話を入れてみると「共有してますよ、先週の水曜日」と教わる。
散歩の途中そのままの格好(短パン、サンダル)で伊豆の国市の建設課を訪問する。
伊豆の国市建設課訪問
建設課長の渡邉さんは、生コンポータルの唯一の良識・池上信のパイセン(もちろん、僕のパイセンでもある)。
僕自身も多少なりとも面識があるお方だったが、池上さんとはなんと家族ぐるみのお付き合いというではないか。
話が早い。
「市長から翌朝伺ってます。鎌倉殿の次は《環境先進地域【伊豆】の13人》ですね!」
即答で協力を約束してくれる。
ノンアポなのに。
すげえ。
教育とインフラ
長中魂(令和3年卒業生らにより製作)。
僕たちが在学していた頃バーレーボールコートがあったそこは砂利敷き舗装で陥没し傷んでいる。
伊豆の国市立長岡中学校は渡邉さんも、池上さんも、ロテックのパイセンも、そして僕も卒業している。
僕の長男辰太郎は現在在学中の中学3年生。
「母校に自分の作ったコンクリートを提供する」
気持ち伝わるだろうか。
長男に「脱炭素って知ってる?」と聞くと「聞いたことはある」と言葉だけは知ってる様子。
それは、資源循環に関しても同様だろう。
大人たちが喧伝しているSDGs、ESG。
でも、学校の勉強では出てこない。
いつも歩くその舗装が残コン(地域発生材・未利用資源)を加工する過程でCO2を吸収固定し出来上がった製品(骨材)を100%用いて作られたコンクリート。雨の日に目にしてた水たまりが跡形もなく消え、雨水はたちどころに吸収される。聞いたことのあるSDGsやESGそのものが具現化されたコンクリートはお父さんの会社(生コン工場)で製造されたもの。
⚫︎参考記事:《未来型砕石製造業》「クローズドループ・資源循環へ向かう最強の未利用資源【残コン】争奪戦が始まる」#3
普段出張でほとんど家を開けているお父さんが通ってる中学の駐車場を作ってた。
そのことが学校の授業、教育として紹介される。
コンクリートに含まれるCa(OH)2 が CO2 と出会い反応してCaCO3 と 2H2O に変化するくだりだ。
「(息子さんの)在学中にやりたいでしょ?」
と渡邉さん。
「はい! 是非やらせてください!!」
「では、夏休み期間中にできるように調整しますね」
歴史とインフラ
源頼朝が島流しにあったとされる蛭ヶ小島。
韮山駅を降りて徒歩で蛭ヶ小島を訪ねる。
敷かれているブロックは目地(隙間)から雑草が生えてくる。
長年の供用で凸凹・段差はキャリーバックを引く旅行者にとってストレスだ。
そこを、「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」で舗装する。
駅や歩道の各所に温泉を溜めたタンクと柄杓を置いておいたらどうだろう。
旅行者は伊豆の温泉で打ち水しながら歩く。
路面温度はアスファルトに比べて20度近く下がる。
温泉の香りを楽しみながら歩いているといつしか微風がそよぎはじめる。
市が設置した立て看板でそのコンクリート舗装の由来を知る。
インフラが実益だけでなく観光資源として地域の外からの人々の流入を作り出す。
源氏旗揚げの地は現代、観光資源としてのインフラを契機とした地方創生の旗揚げの地となる。
かわまちづくりとインフラ、温泉とインフラ
狩野川沿いの公園リバーサイドパークは「リバサ」と呼ばれ地元民に親しまれる公園だ。
僕のジョギングコースでもある。
現在伊豆の国市では水辺空間の有効利用「かわまちづくり」に力を入れているそうだ。
⚫︎参考: 伊豆の国市かわまちづくり計画について
その駐車場に、僕たちが取り組んでいる先端コンクリート技術を試験的に実装する。
既存のアスファルト舗装を残しておけばその違いは手で触れて直ちに知ることになる。
涼しい水辺空間をコンクリートがさらに冷やして癒す。
訪れるペットや子供たちの顔は大人よりも地面に近い。
立て看板の説明だけではない、訪れた人たちは体感としてインフラの性能を理解する。
湯らっくす公園では足湯と健康遊歩道を楽しめる旅行者・市民の憩いの場所だ。
夏場とても裸足で歩けないほどに高温になる舗装をコンクリートが冷やす、癒す。
温泉を打ち水しながら歩くのも面白いかもしれない。
きっとそんな場所になったら僕自身の利用頻度も上がるだろう。
またそこではより多くの旅行者と市民の接点が生まれ、また新しいストーリーが始まるのかもしれない。
かわまちづくりとインフラ、温泉とインフラ。
僕たちが作っているコンクリートはインフラつまり人々の交流の土台を創造していく。
これまでコンクリートと無関係に生きている人を僕は見たことがない。
移動する、暮らす、全ての局面で足元を支えているのはコンクリートに他ならない。
コンクリートにイノベーションが起きれば、その規模は衣服や食品の比ではない。
地球規模で「水の次に流通するコンクリート」はその固有の貢献を果たすことになるだろう。
産業人としてその第一歩を故郷伊豆の国市から発信できる。
#世界一有名な半島
コンクリートを通して故郷に恩返する。
たったそれだけのことが地方創生につながっていく。
宮本充也
※さっきまで長岡中学校を訪ね受験生夏休みを望む三者面談だった。担任にこのプロジェクトをお話したら「実は毎年舗装して欲しいって要望あげてたんです!ありがとうございます!!」と大変喜んでくれた。頑張れ、受験。勝負は時の運。全力でやることが何よりも大事。ピアノのオーディション合格おめでとう。そんな辰太郎は僕の自慢の息子です。
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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