2022/08/06
【伊豆】《長岡中学校校長訪問》「世界一有名な半島」 創発で描かれるストーリーが始まっている #8
校長室って入ったことあったっけな。先日の三者面談に続き個人的にも最近随分長中づいている。「教育」と「インフラ」。「学ぶ」とは一方的に知識を受け入れるのではなく、「なんで?」と課題を立てるところから始まる。事業者として、親として、市民として、ロテックパイセンと共に母校の校長先生を訪ねた。
「教育」「インフラ」
変化する常識【鉄筋コンクリート】
今43歳だから、およそ30年近く前に卒業した長岡中学校の建物自体は変わっていない。
恐るべし、鉄筋コンクリート。
もちろん耐震補強などメンテナンスは実施されているとはいえ、フランスの植木職人モニエが発明したとされる奇跡の鉄筋とコンクリートの組み合わせは無敵だ。
ここ100年の目覚ましい人類の発展の基礎は鉄筋コンクリートが支えたと言っても過言ではない。
奇跡的と考えられているのは2つ。
①鉄筋は曲げ強度をコンクリートは圧縮強度を担当し相互補完している
②鉄筋とコンクリートの熱膨張率がほぼ同じであり同様に収縮・膨張をする
このことが強靭なインフラの土台を作ったことで高層ビルや橋が成り立っている。
病院も、学校も、駅ビルも、マンションも、家の基礎も、あらゆる全てはこの「鉄筋コンクリート」という発明の賜物だ。
変化する常識【中性化】
(引用:https://geo-tech.co.jp/popup/l-t/522/)
鉄筋コンクリート進化の過程で専門家の常識は醸成されていく。
弱点の1として挙げられる「中性化」という現象がある。
コンクリートはpH12.5の強アルカリでありそのおかげで鉄筋は外部からの酸素や水の流入から守られている。
コンクリートが強アルカリである原因はCa(OH)2であり、理科の実験でも学習したようにコンクリートはCO2と反応することで、CaCO3+2H2Oに変化する。
CaCO3はpH9.5など中性を呈する。
その化学反応はコンクリート表面から徐々に(√t則、1年1mm程度)進行しやがて鉄筋周囲にまで到達する。
そのことで不動態皮膜という領域が侵され保護されていた鉄筋は外部からの酸素や水の流入にさらされる。
腐食する。
腐食した鉄筋の体積は2〜3倍に膨張し結果コンクリートは内部からの圧力で剥落し致命的な損傷を受けることになる。
つまり、「無敵な鉄筋コンクリートの弱点である中性化は絶対に避けるべきもの」というコンクリート工学の絶対的な常識がこれまで醸成されてきた。
変化する常識【脱炭素】
(引用:化学受験テクニック塾)
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + 2H2O
鉄筋コンクリートにとって中性化は絶対的悪。
そのように見做されてきた常識に変化が訪れたのは、「猫も杓子もSDGs」「脱炭素」が喧伝されるようになってから。
2050年カーボンニュートラル。
「なんで中性化は悪なのか?」
学習とは疑うこと、課題を立てること、そこから手段としての知識が必要となる。
実は学習というのはInPutではなくOutPutが始点になるのではないか。
このところの僕の関心事だ。
見方を変えれば、コンクリートは現代におけるみんなの悪者(議論の余地は当然あるとして)CO2をストレージする役割を果たす。
CCUS(Carbon Capturing & Utilization Stroage)
コンクリートは原料であるセメント製造工程で排出するCO2の補完(出し入れ)をコントロールすることができる。
この観点を得れば、コンクリートは全く新しい役割を持つことになる。
グリーンカーボン(大陸生態系)として樹木や草花がCO2を吸収固定化することが知られている。
ブルーカーボン(海洋生態系)においてCO2は珊瑚礁などのCaCO3に変化する。
東京大学野口貴文教授が提唱するホワイトカーボンとは都市・インフラ生態系とも考えられ、コンクリートの中性化が同様の役割を果たす。
そのように考えれば現在ロテックや当社らが推進しているポーラスコンクリートの全く新しい性能に注目が集まる。
ポーラスコンクリート(透水性コンクリート)の新しい役割
(引用:https://concrete-mc.jp/porous-concrete/)
(引用:https://www.nr-mix.co.jp/owacon/blog/post_523.html)
水を透すコンクリートであるため、水たまりなど排水問題が解消される。
この性能だけが注目されがちだったポーラスコンクリートを別の視点で眺めてみる。
「水を透すってことは、つまり空気(CO2)も自由に往来する」
CCUSの観点からすれば「1年1mm」「√t」の原則で論じられがちな中性化の効率が上がることになる。
骨材の周囲を覆うセメント・モルタルペーストの膜厚は1mmもなかろう。
つまり、猛スピードでCCUSが進行する。
現在、この観点から、多くの研究機関が参画してポーラスコンクリートの新たな性能についての解明が急がれている。
これが、コンクリートに携わる大人たちの「なぜ?」知的探究心、研究の最先端となっている。
ポーラスコンクリートを学校施設内やスクールゾーンにQRコード付きで実装
パイセン(大成ロテック)も僕も長岡中学校出身者だ。
2人ともそれぞれ「道」「コンクリート」というインフラに携わってきた。
偶然、国家プロジェクトへの参画を契機に出会うことになった。
故郷を離れた誰もがそうであるように、故郷は誰に対しても自慢をしたい場所だ。
今も住む僕にとってもその想いは年を重ねるほどに強くなっていく。
世界に誇れる伊豆半島。
世界に誇れる母校・長岡中学校。
日本はおろか、世界中の学校関係者が訪ねる我が母校伊豆の国市立長岡中学校。
学校内の駐車場整備やPTA奉仕作業の防草
上述の知的探究心・研究について、児童や生徒にもわかりやすく噛み砕いた解説をHP「世界一有名な半島」に設置する。
学校内やスクールゾーンのコンクリートにQRコードつき #世界一有名な半島 パネルを設置し誘導する。
配布されているタブレットで身近なコンクリートを支えている「なぜ」が紹介されている。
理科(化学)や社会(インフラ、 SDGs)などを身近なコンクリートを通して自然に学ぶ。
毎年2回行われている PTA奉仕作業は「草刈り」。
ポーラスコンクリートを親御さんがDIYで施工すること奉仕作業に切り替えれば草刈りは将来の親御さんの仕事ではなくなる。
そして、自分自身で作ったその舗装は脱炭素や資源循環などに貢献する技術であることを知る。
お茶の間での子供との会話も弾むかもしれない。
具体的には秋をめどに「インフラ」「教育」をテーマとしたプロジェクトがキックオフした。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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