2022/08/10
【伊豆】《舗装施工見学会》「世界一有名な半島」 創発で描かれるストーリーが始まっている #9
ちょうど施工を予定していたオワコン現場を見学会として伊豆の国市建設課・都市計画課の方々にデモンストレーションを行う。最先端のコンクリートはどんなことができるのか。CNに関して具体的な実践とこれからの展望について。
伊豆の国市から道をつなげる
左からパイセンこと大成ロテック渡邊さん、伊豆の国市建設課のこちらも渡邉さん(なべの字が違う)、僕。
⚫︎参考記事:【伊豆】《故郷に恩返し》「世界一有名な半島」 創発で描かれるストーリーが始まっている #5
これから伊豆の国市の各所を舞台に順次大地を癒すコンクリート(削らない、汚さない、蓋しない、循環する)を試験的に施工していく。
地方創生をインフラから実践することで近隣市町へ共感の輪を広げる。
当社らが推進する造粒ポーラスコンクリートは一体どんなコンクリートか。
昨日(2022/08/09)施工を予定していたオワコンの現場を見学会場に伊豆の国市の職員の方をお招きし施工をご覧いただいた。
ワイヤーメッシュの要らないコンクリート舗装
施工現場は先日カーポートと土間コン(オワコン)を1日で完成させた現場の乗り入れ箇所。
⚫︎参考記事:【後編】「たった1日でカーポートと駐車場(土間コン)が完成。究極の施工フレンドリーの実現」YKKap・エクスショップ
施工人員たったの2名(キー君と山口さん、お二人とも熟練)。
写真に写り込んでいる型枠の中にはワイヤーメッシュが見当たらない。
金鏝仕上げがいらない。
粛々と行われる施工はこれまでのコンクリート舗装の教科書には掲載されていないものばかり。
施工手順 | 土間コン | オワコン |
---|---|---|
1)掘削 | 200mm~ | 150mmに削減 |
2)残土処分 | 200mm × 面積 | 150mm × 面積に削減 |
3)路盤 | 100mm~ | 省略 |
4)メッシュ配筋 | 有 | 省略 |
5)コンクリート工 | 100mm~ 数時間から半日の水引を待ってから仕上げ |
オワコン150mm 2層打設によりセメント安定処理路盤を兼ねる |
6)養生 | 当日〜翌日は立ち入り厳禁 | 直後から歩行や軽作業可能(時短) |
こちらの表から明らかなようにオワコンの施工は既往に比べて最適化が進んでいる。
そのため、先日示されたカーポートとの同日施工でも分かるように土間コンであれば丸1日目一杯かかるところがたった数時間で完了してしまう。
30分足らずで完成した最先端コンクリート舗装
施工手順は至って単純「撒いて踏む(締め固める)だけ」。
After。
11時に始まったオワコン施工は30分足らずで終了しその後も協議していた僕たちを尻目に次の現場に向かう職人の2人。
あっという的なスピードはそのまま省人化を意味する。
担い手不足が深刻な建設・コンクリートの分野の辺境で起きているイノベーションの実践。
1ヶ月経ったオワコンで透水デモ
手前が完成直後で、奥がちょうど1ヶ月前に施工されたオワコン。
既設の駐車場舗装(オワコン)で透水デモンストレーション。
砂漠に雨みたいな勢いで水が吸収されていく。
とても吸水しなさそうなテクスチャとのギャップに感嘆の声が聞こえる。
完成直後から人の歩行を許すコンクリート舗装
95kgのまーつぐが施工直後の舗装の上でダンス。
これ、まず、あり得ない光景。
施工性能も、透水(環境)性能も、その後の養生の手間など、あらゆる面で既往のコンクリート舗装の常識を覆している。
さて、こうしたイノベティブなコンクリート舗装は果たして実装を見るのか?
SDGsやCNの前ではJISすら平伏す
一昔前にはこうした新規の製品はなかなか日の目を浴びることがなかった。
「実績は?」
お役人お決まりの常套句。
人々の安心安全を守るのが第一の仕事である役所はいかに新しいからとて実績の不十分なプロダクトをやすやすと採用しない。
さらに、JIS規格が立ちはだかる。
虎の穴とでもいうべきか、あらゆる製品が厳しいチェックの目に晒される。
いいだけでは普及は許されない。
あらゆる点から評価され、結果、JISが出来上がるまでに黙って5年10年というハードルにさまざまなコンクリートプロダクトは日の目を浴びることはない。
ただし、現代は紋所というべきか、SDGsやCNを示せばおよそ大半が平伏すようになった。
評価基準がガラガラポンされたわけだ。
中性化という現象がポジティブになったように。
伊豆の国市から県・国への提案が始まる
実物をご覧いただき、これから市内で試験的に実装も予定されている。
このコンクリートはどのようなことができるのか?
例えば、市内で不陸が顕著なインターロッキングブロックや平板ブロックを撤去して生コン工場が受け入れる。
残コンステーションの工程を通せばそれは骨材・フィラーとして回収される。
その骨材・フィラーを100%透水性コンクリートの原料としてその日のうちに製品として撤去した箇所に循環させる。
旅行者や市民にストレスを与えていた凸凹の舗装は平滑で水を通し尚且つ脱炭素のコンクリート舗装として生まれ変わる。
例えば県が管理する市内の舗装にあらかじめ市で試験されその性能やプロセスが証明された舗装コンクリートを提案していく。
あるいはかわまちづくりで関係を有する国土交通省が管理する舗装へも提案をする。
伊豆の国市の萌芽を近隣市町に「よろしければどうぞ」とお裾分け。
よくなければ採用しなければいいしそもそも強要するようなものでもない。
道はつながっている。
人の往来は誰にもコントロールできない。
健全な生態系が循環するのに必要な環境(インフラ)を整備する。
今僕たちが取り組んでいるのはきっとそんなことなんだと思う。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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