2022/03/22
「CCUSてんこ盛りの造粒ポーラスコンクリート(オワコン)非構造体コンクリートへの実装」
個人的にはこのところ脱炭素熱が随分冷めていたのだったが、やっぱり一般ウケするのは「脱炭素」(僕はこの言葉よりも、坂田さんらが推進している「活炭素」という言葉が好き)。舗装に限らず、建築でも捨てコンや床下土間など構造部材ではないコンクリートは見出せる。室内コンクリートならCO2濃度も高いはず。
CCUS全部載せ
(引用:https://freedomlab.jp/details/category/6/40/)
例えば、店舗床など人の歩行くらいしか想定されていない場所の土間コンクリートなら要求性能は高くない。
また、室内は比較的にCO2濃度が高いため、いわゆる中性化というコンクリート固有の現象(Ca(OH)2 + CO2 = CaCO3 + 2H2O)が促進される。
(引用:https://auiewo.com/blog/post-3942)
あるいは、捨てコン。
捨てコンとは
捨てコンクリートの略で、地業の後に基礎の位置を正確に墨出しする目的と、型枠を固定する事を目的に施されるコンクリートです。(捨てコンとは?)
構造としての強度を要求されるようなコンクリートではなく、「墨が打てればいい」「型枠を建てられればそれでいい」など、求められる強度域が低いコンクリート。
⚫︎参考記事: 「下地砕石のいらない《1回打設》の捨てコンクリート《オワコン》はどうでしょう?」白石建設
いずれも、現在建築する場合には「絶対に」用いられるコンクリートだ。
現代、猫も杓子もSDGsにおけるコンクリート分野で今最も注目されている技術領域の1に、CCUSがある。
二酸化炭素回収・貯留とは、通常、セメント工場やバイオマス発電所などの大規模な汚染点源からの廃棄物である二酸化炭素を回収し、貯留場所に輸送し、大気の影響のない場所、通常は地下の地層に堆積させるプロセスである。目的は、重工業により大気中に大量のCO₂が放出されるのを防ぐことである。 ウィキペディア
「出しちゃいけないことになってるCO2」を何らかのプロセスで固定化し、貯蔵あるいは再利用するといったアプローチ。
有名なところでは日本コンクリート工業のエコタンカルや相澤高圧コンクリートが日本の代理店を務めるCarbon Cure(カナダ)など。
「コンクリートをCO2の貯蔵庫にしちゃおうよ」計画だ。
いずれも、発想は素晴らしいものの、JAPANコンクリートの分厚くて高い壁。
「JIS A 5308」
「独占禁止法適応除外」
に阻まれ、実装は覚束ない。
多分、真正面、玄関口から入ろうとしても、数万年掛っちまうんじゃないか。
僕にはそんな気がしている。
「JIS A 5308」と「独占禁止法適応除外」の関係のない分野への実装
芸道の世界では、「守破離」という言葉がある。
守破離は、日本の茶道や武道などの芸道・芸術における師弟関係のあり方の一つであり、それらの修業における過程を示したもの。 日本において芸事の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表している。 ウィキペディア
自分で言うのもあれだが、僕だって最初はものすごく真面目だった。
いい歳こいてグレたのである。
最初は独占禁止法適応除外に関して、グレた。
20代の頃には地元生コン組合のそれも執行部に所属して組合運営に気を吐いていた時代もある。
ただ、どんなに新しい先端技術に取り組もうとしても、「みんな平等」協同組合・販売においては「悪」とされ干される。
実際、干された。
組合を悪く言うつもりはないのだが、今では「役割が違う」と整理がついている。
先端技術(例えば、脱炭素だのサステナビリティだの)を推進する役割はそもそも組合(独占禁止法適応除外)に求められていない。
続いて、JIS A 5308に関してグレた。
以前は、大手発注機関や錚々たるゼネコンを総なめするほどの営業を頑張っていた。
新技術を海外から持ち込んだり、あの手この手を尽くして提案をするのだったが、「JISは?」と一刀両断される。
さらに、「じゃあ、JISとったろうかい」と大学の先生の門を叩けば、「あ、これ、マジでやってたら、生涯終わるな」という遠く険しい道のりが示される。
だから、グレた。
やってらんねえ。
いい歳こいて積み木を崩した。
かっこよくいえば、守破離じゃあないかこれ!
ここ数年インターネットマーケティングに180度営業スタイルを切り替えていくつか気づくことがあった。
「消費者はJIS A 5308や独占禁止法適応除外を求めてない」
つくづくだが、当たり前のことだ。
消費者は彼や彼女が満足しうる価値を求めその代価を支払う。
僕たちにとってはとっても大切なJIS A 5308や独占禁止法適応除外など、いささかの関心を寄せる余地もない。
「業界さんで勝手にやっといてよ」である。
なのに、僕たち生コンはJIS A 5308 や 独占禁止法適応除外 に固執してきたのだった。
バカみたいな話だ。
昨年開発されたばかりの新しい技術分野造粒ポーラスコンクリート(オワコン)。
(引用: 都市イノベーション学府 学生プジェクト"granZ concrete"が完成)
造粒ポーラスコンクリートの元々の配合はいわゆる生コンクリートだ。
JIS A 5308に規定されている通常品を加工・造粒することで出来上がると、姿を変えたそれはJIS品ではなくなる。
負け惜しみのようで恐縮ではあるが、「最先端すぎて、JIS A 5308がついてこれない」コンクリートになる。
つまり、JIS A 5308が関係ない分野のコンクリートとなる。
また、前出の捨てコンとか床下土間といった非構造部材に用いられるコンクリートのロットは小さい。
僕たち業界では「小口」とか「諸口」とか呼ばれる。
独占禁止法適応除外の権化生コン組合ではこうした「小口」「諸口」は取り沙汰さない慣習がある。
例えば、生コンポータルが所属する静岡県東部生コンクリート協同組合では、100m3未満は小口として組合扱いとはしないルールだ。
だから、捨てコン他JIS外品は、独占禁止法適応除外と関係のない分野のコンクリートになりやすい。
つまり、フリーダム。
自由度が高いってことだ。
「CCUSさんいらっしゃい!」
まだ真面目にJIS A 5308に認められようとしたり、組合を向こうに回して無駄な努力を続けてる人は少なくない。
身近にもいる。
大手と呼ばれる有名どころにもいらっしゃる。
無駄だよ、って何度も直接伝えてあげているのに、ダメなんだね、大きい会社になればなるほど、一旦走り出したプロジェクトってのは簡単に方向転換できない。
よかった、中小企業で。
っていうか、個人事業主に近いか笑。
でも、だからこそ、自由に羽を伸ばして羽ばたける。
ここ数年、この点に気づいたのだった。
強みじゃん、て。
SDGsバッヂをつけて、それっぽい装いをされている人たちも、結局何もことをなし得ないのだから。
現代、猫も杓子もSDGs、CCUS。
とりあえず、この手のキーワードを提示して差し上げさえすれば、話は聞かざるを得ない。
世間からの自分や自社の見た目が気になるからだ。
僕からの申し出に「NO」と言えないってわけ。
だから、「自由」と言うこの強みを遺憾なく発揮し、羽を伸ばしてCCUSてんこ盛りコンクリートを契機として、コンクリート産業の刷新に向かいたい。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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