2024/11/29
オワコン(造粒ポーラスコンクリート)広大な表面積を利用したCO2固定(塩田効果)技術の権利化を見送りました
これ、特許取っとく?とJOISの一部で話題となっていたオワコン(造粒ポーラスコンクリート)をCO2吸収体として捉えたアイディアはこの度お蔵入りとなりましたので晒します。
オワコンはほぼ無限にCO2を固定する吸収体です
本日は山口先生のご助言もあってお蔵入りとなりましたオワコンをCO2固定の吸収体として捉えたお話となりますー。。
特許申請原稿(案)
山口特許事務所
【請求項1】
コンクリート形成体の表面に飽和水酸化カルシウム溶液を散水する
前記コンクリート形成体を乾燥養生する、養生工程と、を備え、
前記養生工程において、
二酸化炭素固定形成体の製造方法。
【請求項2】
前記飽和水酸化カルシウム溶液が、
請求項1に記載の二酸化炭素固定形成体の製造方法。
【請求項3】
前記コンクリート形成体が、
請求項1に記載の二酸化炭素固定形成体の製造方法。
【請求項4】
前記ポーラスコンクリートが、
請求項3に記載の二酸化炭素固定形成体の製造方法。
【請求項5】
前記養生工程において、前記コンクリート形成体を大気中よりCO
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の二酸化炭素固定形成体の製
出願は見送りへ
本提案は建設x知財では圧倒的なプレゼンスを誇る山口特許事務所の山口所長自らご案内いただいたもの。なお、先生のご助言によれば権利化が現実的ではなく当社ら常なる「フルオープン戦略」(こうしてブログにさっさと晒すなど)で「他者に取られない」を選択すべき、ということで非常に良心的なサポートをいただいています。2020年以降類似の申請は枚挙にいとまがなく、レッドオーシャンが想定されるという。
「オワコン」はCO2固定田?!
正式には造粒ポーラスコンクリートと言われる「オワコン」は無数の連続・独立空隙を体内に保有することを特徴としている。そのため、従来のポーラスコンクリートよりもさらに保水(揚水)性能が期待できることが特徴となっており、「排水」「路面温度の低減」などの効果が知られるところであったが、その膨大に及ぶ表面積を「田んぼ」と捉えることで気中(または人為的に調整された濃度の)CO2を固定する役割も想定される。
雨水などで溶出するエフロ
(写真引用:https://protimes.jp/journal/gaihekitosou/efflorescence_gaiheki_yane-97778)
エフロとは?
エフロ現象は、コンクリートやタイル貼りモルタル部分の劣化(中性化)が進み、表面から白い溶液が流れ出る現象で通常白樺といわれるものです。 モルタルなどに含まれる酸化カルシウムが浸入した水分により溶解、外部に流出し外気中の炭酸ガスと結合し白色の炭酸カルシウムに変化したものです。2007/06/15
つまり、放っておいても発生する「エフロ」という現象(Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3)を膨大に及ぶ「オワコン」の表面をさながら「田んぼ」と定義して効率よく行おうとするもの。
上澄水散水養生
なお、こちらはすでに特許出願中の上澄水散水養生による塩田効果でさらに固定CO2量の増加を期待するアプローチ。飽和した状態の水酸化カルシウム溶液を広大に及ぶ表面に打ち水することで炭酸塩の塩田と定義するもの。 理屈上は空隙が炭酸塩で完全に埋まってしまうまで繰り返すことができるため、「オワコン」はCO2固定カートリッジのような位置付けとなる。
関連記事: 比表面積を利用した上澄水乾湿繰り返しによるCO2(炭酸カルシウム)回収【塩田効果】のポーラスコンクリートへの応用
権利化はともかく、「オワコン」はCO2を効率よく吸収・固定するCCUS体(炭酸塩田)であることは間違いなさそうです。
なんぼでも生まれる発明 JOIS
JOIS(Japan Out-Industrial Standard)は現場を舞台にITを高度利用してコンクリート実務家らが交流するプラットフォーム。「みんなで作るみんなのラボ&オフィス」をモットーに主体的な研究・開発・実装が進んでいます。
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JOISとは?
「コンクリートをもっと身近に」
大組織ではない生コン工場などにとってJOISがバックオフィスやラボ(R&D)の役割を果たしてくれることはとても心強いよねっ。「伝える」情報発信頑張ろうっ。
オワッコーン‼︎
作者・宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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