2024/03/08
【千葉】「DIYで100mm厚のオワコンを駐車場として施工する一般の方が増えてます」ヤマカ建材工業
千葉県木更津市。
「駐車場が土で勾配もあり、なるべく平らにと思っていた時にオワコンを見つけた」
ということからDIYによるオワコン駐車場施工が決定・
オワコンならDIYできそうということで、お子さんも参加してご家族お二人での施工。
ちょっと大変そうでした汗(Masatsugu共有)。
製造:ヤマカ建材工業(担当:葛田直仁)、施工:DIY(45m2、100mm厚、2名、3時間)
オワコンで駐車場をDIYします!
施工Before。
今回は、オワコンを駐車場用(100mm厚)として利用すべくDIY施工の立ち会い。
元々、オワコンは「防草材」として開発されている。
駐車場を想定したものではないし、現在駐車場としての用途に十分耐えうる性能を保全できているかといえば心許ない。
歴史(経過時間)も、実績も、あまりに乏しすぎるのだ。
しかし、だからと言って、販売者である僕たちは「オワコンは駐車場として使わないでください」と用途を制限する権利はない。
買う人がそのプロダクトをどのように使うかの権限は、当然買った人に帰属する。
例えば、ワインを買った人がワインを飲んだ後に空きビンをどのように使おうと自由だ。
販売者は売れたワインの空きビンが一輪挿しなどに利用されていたとしても「やめてください」とか「もっとおしゃれなビンがあります」という権利はない。
駐車場の防草や水たまり対策としてよく使われている砂利敷があるが、比べればオワコンにはセメントが含まれているわけだから、強度も耐久性もあるに決まっている。
砕石敷きの上には車乗り入れるけど、オワコンの上にはダメなんて法はない。
オワコンDIY施工のスタート
そのため「オワコンで駐車場を作りたい!」とDIYにチャレンジされる人たちを止めることは無いし、逆にオワコンの可能性を信じて応援していく心構えだ。
しかも、今回はなんとたった2人でDIYに挑戦。
オワコンの施行はシンプルで簡単。
生コン車で運ばれてきたオワコンを現場に敷き、レーキで平らに均し、プレートやタンパなどで踏みしめ固めることで仕上げられる。
(敷設→均し→踏み固めて)
オワコン(造粒ポーラスコンクリート)は、骨材の周りにモルタルペーストが積層されているので、容易に乾かず、DIY初心者でも余裕を持って作業に取り掛かれる。
敷設→均し→踏み固めて仕上げる、で施工ができてしまうので駐車場45㎡の面積でも楽々施工。
(現場に立ち会ったMasatsuguの影がばっちり写り込んでいる・・・)
やれやれ、である。
何度言っても治らないじゃあないか。
わざわざ、千葉に写真を撮りに行ったってのに、その影一体何アピールなんだ。
施工も簡素化されているが、道具も安価で揃えられて専門的なモノが必要ない。
オワコンDIY施工の完了
施工After。
それにしても、たった二人(+女の子さんはお手伝いだったようだ)で、しかも結構綺麗に完成してしまった。
恐るべし、オワコン。
今後、土間コンやオコシコン同様に養生期間を設けられた後には駐車場として車の乗り入れが予定されている。
今後の経過がなんとも楽しみなところである。
オワコン(防草材)は駐車場として利用できる!
この問いに答える前に、まずは土間コンについて説明したい。
理論上、計算上だけでいえば、車両の乗り入れが想定される場所に100mm厚の土間コンはオーバースペックだ。
50mmで十分と考えられている。
でも、なぜ、実際は50mmでないのか。
それには、いろいろな理由がある。
その最たるものが、乾燥・収縮の繰り返しにおける「ひび割れ」「挙動」が挙げられる。
コンクリートは実は水分を含んだり放出したりしている。
水を含めば膨潤するし、放散すれば収縮する。
それに伴い、コンクリート版は挙動し、拘束(たとえば集水枡や隣接構造物の影響)が作用する場所にはひび割れが発生する。
僕たちコンクリートの専門家から言わせれば、駐車場土間のひび割れは何も構造物ではないのだからめくじらを立てるようなもんじゃあない。
ひび割れは、問題視するものではないのだ。
(引用元:https://concrete-mc.jp/floor-crack/)
一方、一生に一度の庭づくりというテンションでやってくる一般お施主さんからしたら見た目だけでひび割れは悪。
なるべく抑制したい、ということであれば100mmの厚みを確保することによって挙動そのものを拘束しましょう、ってことになる。
だから、50mmでも十分なんだけど100mmになりました。
そんな経緯がある。
さて、話題は「オワコン」である。
測定方法が確立されていないため、実際に車両の乗り入れに耐え得る強度なのかは未知数。
ただ、現実問題として、含まれているセメント量からすると30Nなどかなり強強度な部類に入るものを使用している。
つまり、車両の乗り入れなどへっちゃらな配合である。
ただ、構造としては通常のコンクリと違って空隙を有するポーラス構造。
わからないことだらけだ。
ちなみに、今回は施工をご自身でなさるDIYという特殊なケースだ。
今後こうしたケースがますます増えていくことだろう。
その過程で造粒ポーラスコンクリートが明らかにされていく。
強度・耐久性をはじめとした各種物性値が計測される。
計測方法も確立されていく。
昨年8月下旬に突然生まれた新しい技術領域「造粒ポーラスコンクリート舗装」は多くのラストワンマイルに晒されて自律的に進化・成長していく。
誰のものでもない。
だからこそ、ラストワンマイル僕たちにできることは、とにかくその舞台に参画すること。
細胞分裂・変化を起こすこと。
守るのではなく、常に積極的に関与する。
僕の経営の先生が常からおっしゃる「現場・現実・現物」にとにかく寄り添い市場と顧客の声を聞く。
そのことで、ものづくりは更なる進化を遂げることになる。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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