2022/08/06
#JISを変えよう 「京都生コンクリート工業組合青年部をお招きした【生コン主導】のコンクリート開発研修会」 #JISを作ろう
山城修二(京都福田)の声かけで京都生コン工組青年部の13人が、大河「鎌倉殿の13人」で注目が集まる我がまち伊豆の国市の長岡生コンクリート・ICCを訪ねた。主題は、「生コン工場が主役の生コン開発」。ゼネコンでもない、大学でもない、国家予算でも、誰でもない。生コン工場が生み出した生コンが規格になれば、産業は新しいステージに立つ。
脱炭素やSDGsをしたたかに利用せよ
安藤間の白岩さん。
大成ロテック渡邊清隆さん(パイセン)。
京都生コンクリート工業組合青年部の皆さん。
生コン工場が作らなければ全ては絵に描いた餅
これまで生コンにとってゼネコンは「客」として捉えられ無闇に敬うべき対象のように錯覚させられてきた。
冷静に考えれば分かるとおり、実はそんなことはない。
良いコンクリート構造物(インフラ)を構築するための単なるパートナーであり、互いは互いを尊重し役割分担をしてより良いものを作る関係。
それが、産業ヒエラルキー(カースト)が敷かれた結果歪な関係性を生み出した。
通常、製品開発とは製造者が主導して行われるもの。
それがコンクリート産業においてはほとんどがGCや大学が主導して行われるようになってしまった。
「生コン工場を置いてけぼりにしないでちょうだい」
生ける伝説・内山アドバンス柳内光子の言葉だ。
結果、「最先端」と呼ばれるコンクリートは普及を見ることなくいつしか「オワコン」となっていく。
「あったな、そんなコンクリート」
数年で風化する。
所詮、生コン工場が練らない生コンはプロダクトと呼べない。
いつしか序列は逆転していた? 生コン工場はヒエラルキートップ
長年の底辺からか、生コン工場は勝ち方を負けてしまった。
負け犬根性というか、大学の先生やゼネコン技術者を見ると、謙るようになってしまった。
お互い単なる人同士なのにね。
おかしいね。
で、僕、気づいちゃったわけ。
お祭り騒ぎのGI基金を別の視点で眺めると面白い構図が生まれる。
⚫︎参考記事:【350億】【NEDO】「GI基金《CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト採択》本当の意味について」(月刊残コン Vol.54)
2050年CNを打ち出してしまった政府。
そんでもって、経産省がNEDOを通じて350億の予算をコンクリート開発に割り振ったグリーンイノベーション基金。
そこに参集した大手ゼネコン・道路会社、大学の先生の皆さん。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな」(鬼滅の刃・冨岡義勇)
個人的にも座右の銘としているこの言葉だが、政府、大学、ゼネコン、道路会社、その他関係者諸君は、知らず知らずのうちに生コン工場に生殺与奪の権を握られていることにまだ気づいていない。
いや、僕の周囲の何名かは気づいているかもしれない。
どんなに立派で高邁な生コンを製造したとしても。
僕たち生コン製造者が首を縦にふらねば絵に描いた餅。
世に出ない。
大変ですね、皆さん。
僕たち生コン屋さんの胸先三寸にGI350億円の拒否を投じた技術開発の成否がかかっているのだから。
「お犬様」という制度が思い出されるが、「生コン様」となったわけだ。
350億円受け取っちゃったんだから、何がなんでも形にしないと困るよねえ。
僕たち生コン工場はなんにも困りませんが、てへ。
これに気づいたゼネコン、大学の先生、政府関係者はこれから生コン工場様という言葉を使うことになるだろう。
大変だよ、生コン工場様のお相手は。
なかなか思う通りに動いてくれませんよお。
白石建設とか三和建業や長岡生コンみたいな生コン工場ばかりだと思ったら大間違い。
まあ、ずいぶん苦しんでおられるようですがね、いい気味ですが。
むかついたら、速攻梯子外しますからね、頑張って踊ってくださいね。
工業規格はそもそも生産者団体が作るもの
白岩がプレゼンの中で言っていた。
「普通規格ってのは生産者団体が作るものなんです」
現在展開中の全国粒状骨材実験には50を超える生コン工場が参画し明治大学小山明男先生を窓口として経済産業省に申請業務が行われている。
残コンを造粒させた新しい骨材のJIS規格。
生産者団体として申請主体はRRCS(生コン・残コンソリューション技術研究会)の加盟の大半を占めるのは生コン工場や生コン工業組合。
「本来、これってZENNAMAの仕事では?」
参加されていた山政の山崎社長の鋭いツッコミ。
同氏は共同事業委員会のメンバーとしてZENNAMAに定期的に詰めているそうだが共同事業委員会が課題としている全てを既にRRCSらの活動は達成してしまっているようだ。
「なんで、一緒にやらないの?」
こちらも鋭いツッコミ。
なんででしょ? 僕も不思議です。
これまでRRCS代表理事・野口貴文先生の名前で幾度かZENNAMAに水を向けたようだが反応はネガティブなものばかり。
本当に生コン工場のことを考えているのか不思議になる。
まあ、僕は全然ZENNAMAに頼る気はないしその歩みを待つつもりもないので、やれることをひたすらやるばかりだ。
他人に期待することはもうずいぶん前にやめてしまった。
敵対するつもりはないが、ZENNAMAだろうとお偉い大学・ゼネコンの有名人だろうと、尊敬はするが依存はしない。
それが例え恩人の坂田昇さんや野口貴文先生であったとしてもね。
自分がやりたいことだけをやる。
石川工組、新潟工組など工組単位で続々参画
白岩によれば、大阪兵庫、宮崎、和歌山、福島につづいて、徳島、新潟、石川工・協組の参画が始まっているという。
⚫︎参考記事: #JISを変えよう 【全国粒状化実験】「生コン工場が欲しいもの は規格や論文連名ではなく、余計な管理を強いるJIS規格がなくなること」RRCS
GNNの轍は踏まない。
RRCSに加盟してくれなんてお願いは絶対に言わない。
僕としては「入りたければ入れ、てめえで決めろ」ってスタンスだ。
ただ、生コン工場が生コンの規格を作るのが本筋であって、生コン工場であればJIS規格を作ることにコミットするのが当然だ。
いずれの工・協組も無関心でいてはならないことだ。
それに、今、脱炭素やらSDGsやらで政府>大学>ゼネコン・道路会社>生コンの立場は逆転しちゃっている。
顎で彼らを導いてやるくらいの気持ちでいいと思う。
アニメ「今日から俺は」の心境でめっちゃ突っ張っていい局面だ。
国家予算、アカデミア、作る人である道路会社・ゼネコンを遺憾なく利用し僕たち生コン工場が使いやすいやりやすい JIS A 5308 を生み出すために協同する時代の到来である。
「このプロジェクトに参加しないやついる?」「いねーよなー?」
最後の最後に滑ったが、僕は本音で京都の皆さんにこう投げかけた。
古都・京都の生コン工業組合も参画する
組合内部のあれこれ事情はあるだろうけれど、わざわざお越しいただいて議論をたくましく実施したわけだ。
こちらも時間を使った。
京都も動き出す。
しつこいようだが、今、生コン工場がヒエラルキー最上位にいる。
「やられたら、やり返す」
は、ドラマの中だけの話だ。
本当に強い者はそんなみみっちいことを気にせず、「罪を憎んで人を憎まず」大義のために協働を選び成果を生み出す。
ヒエラルキーで分断され互いに大いに傷つけ合ってきた時代は終わる。
作る人が主役。
それ以外は脇役。
そのくらいの気概を持って前進したい。
今、コンクリートが本当に変わることができる最後のチャンスだ。
#JISを変えよう
#JISを作ろう
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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